スマホ、PC、タブレット——いまや誰もが複数のデバイスを日常的に使う時代。
そんな環境で一度は感じたことがあるのが「イヤホンのペアリングが面倒」という問題です。
Bluetooth設定を開いて、片方のデバイスを切って、もう片方をつなぐ……。
この手間を一気に解決してくれるのが「マルチペアリング対応のワイヤレスイヤホン」なんです。
この記事では、マルチペアリング(マルチポイント接続)の基本から、選び方、そして実際におすすめできるモデルまで、わかりやすく紹介していきます。
マルチペアリングとは?複数端末を同時につなげる便利な仕組み
まず、「マルチペアリング」という言葉の意味から整理しておきましょう。
これは、ひとつのワイヤレスイヤホンを複数の端末と同時にBluetooth接続できる機能のこと。
スマホとPCを同時に接続しておけば、たとえばこんな使い方が可能です。
- PCでYouTubeを見ている途中に、スマホに電話がかかってきたら自動で通話に切り替える
- タブレットで動画を再生しながら、スマホの通知音をそのまま聞ける
- 仕事用スマホとプライベートスマホを同時待機できる
つまり、「いちいちペアリングを切り替える」必要がなくなるのが最大のメリットです。
Bluetoothの規格上、音楽用(A2DP)と通話用(HFP/HSP)の信号を同時に処理できるモデルであれば、この機能を活かすことができます。
マルチペアリングが注目される理由
近年マルチペアリング対応のイヤホンが増えている背景には、ライフスタイルの変化があります。
テレワークやリモート授業の普及で、PCとスマホを同時に使う場面が圧倒的に増えました。
「PC会議が終わったあと、すぐスマホの通話を受けたい」
「音楽を聴きながらタブレットで資料を確認したい」
そんな“マルチデバイス生活”を快適にしてくれるのが、この機能。
とくに近年のBluetooth 5.2以降のイヤホンでは、接続安定性や切り替え速度が大きく向上しています。
マルチペアリング対応イヤホンを選ぶときのポイント
1. 同時接続できる台数を確認
多くのモデルが「2台まで」ですが、最近は「3台同時接続可能」な製品も登場しています。
ただし、同時に音を出せるのは1台のみ。もう一方は待機状態になる点を覚えておきましょう。
2. 自動切り替えのスムーズさ
マルチペアリング対応でも、自動で切り替わるか手動かはモデルによって違います。
「着信時に自動でスマホへ切り替わるタイプ」が理想的ですが、アプリ操作で手動切り替えが必要な製品もあります。
3. Bluetoothのバージョンとプロファイル
Bluetooth 5.0以降で、A2DP・HFPなどのプロファイルに対応していることが目安。
古いバージョンだと接続安定性や遅延が発生する場合があります。
4. 専用アプリの有無
メーカー独自のアプリで、ペアリングや切り替え設定を管理できると便利です。
ファームウェア更新による機能改善も期待できます。
5. 音質やANCなど基本性能も忘れずに
マルチペアリングに気を取られがちですが、イヤホンは音質・装着感・ノイズキャンセリングも重要。
特にノイズキャンセリング(ANC)対応機種なら、通話や会議中のクリアさが格段に違います。
実際に人気のマルチペアリング対応イヤホンおすすめ9選
ここからは、実際にユーザー評価が高く、マルチペアリング対応の代表的なモデルを紹介します。
(※各製品は2025年11月時点の一般的な市場情報に基づいています)
1. Sony WF-1000XM5
ソニーのフラッグシップモデル。高音質・ノイズキャンセリング・マルチポイント対応と三拍子そろった万能型。
2台同時接続での切り替えが非常にスムーズで、ビジネス利用にも最適です。
2. Apple AirPods Pro(第2世代)
iPhone・Mac・iPadなどApple製品との連携が抜群。
「自動切り替え機能」により、デバイス間をほぼ無意識で移動できます。
マルチペアリングに近い快適さを求めるAppleユーザーには最適です。
3. Technics EAH-AZ80
最大3台まで同時接続できる数少ないモデル。
音質・ノイキャン性能ともにトップクラスで、仕事用・私用・タブレットを1台でカバーできます。
4. Bose QuietComfort Ultra Earbuds
ノイズキャンセリング性能に定評のあるBose。
マルチポイント接続でスマホとPCを同時につなぎ、シームレスに通話や音楽再生を切り替えられます。
5. Jabra Elite 10
通話品質が高く、ZoomやTeamsとの相性も良いモデル。
2台のデバイスでのマルチポイント接続に対応しており、仕事用イヤホンとしても人気です。
6. Anker Soundcore Liberty 4 NC
コスパ重視ならこれ。
1万円台前半ながら、ANCとマルチポイントを搭載。アプリ操作も直感的で初心者にも使いやすいです。
7. Sennheiser MOMENTUM True Wireless 4
音質重視派におすすめのハイエンドモデル。
LE Audioにも対応予定で、今後のBluetooth進化にも強い設計です。
8. Shokz OpenFit
耳をふさがないオープンイヤー型。
マルチペアリングでスマホ・PCを同時待機しながら、周囲の音も聞ける安全設計が特徴です。
9. SoundPEATS Capsule3 Pro
手頃な価格ながら、マルチポイント接続・ANC・低遅延モードを搭載。
通勤や勉強など日常使いにちょうどいいバランスの1台です。
マルチペアリングの注意点と上手な使い方
マルチペアリングは便利ですが、いくつか知っておきたい注意点もあります。
- 同時再生はできない(片方がアクティブ、もう片方は待機)
- デバイスによって挙動が違う(AndroidとWindowsで切り替え速度が異なるなど)
- Bluetooth干渉による音途切れが起きる場合もある
- ペアリング情報の保存数に制限があるモデルもある
安定して使うには、ペアリング先の不要な接続を削除し、アプリやファームウェアを最新に保つことがポイントです。
こんな人におすすめ!マルチペアリングの活用シーン
- テレワークでPC会議とスマホ通話を切り替えたい人
- 音楽・動画をデバイスを問わず楽しみたい人
- スマホ2台持ち(仕事用+プライベート)をしている人
- ゲームや動画視聴と通話を並行したい人
「デバイス間の切り替えストレスをなくしたい」——そう感じている人ほど、マルチペアリング対応イヤホンの恩恵を実感できます。
今後の進化にも注目:Bluetooth LE AudioとAuracast
Bluetooth LE Audioや新技術「Auracast」が普及すれば、より低遅延・省電力でマルチデバイス接続が可能になります。
近い将来、イヤホン1台でスマホ・PC・テレビを同時に扱える時代がやってくるかもしれません。
マルチペアリング対応モデルを選ぶことは、単なる利便性だけでなく“次世代への準備”でもあります。
まとめ:マルチペアリング対応のワイヤレスイヤホンで生活をもっとスマートに
マルチペアリング対応のワイヤレスイヤホンは、日々の「ちょっとした手間」を減らしてくれる便利な相棒です。
特に、スマホとPCを行き来する人にとって、その快適さは一度使うと手放せなくなるレベル。
自分の使い方に合ったモデルを選べば、音楽も通話も、動画も会議も、すべてがスムーズにつながります。
ぜひこの記事を参考に、お気に入りの1台を見つけてください。
複数端末を使いこなすあなたにこそ、「マルチペアリング対応のワイヤレスイヤホン」がおすすめです。
