最近、ダイソーの家電コーナーがどんどん進化しているのをご存じだろうか。モバイルバッテリーやLEDライトだけでなく、今では「DAISO ブルートゥースイヤホン BT008」まで売られている。しかも価格はたったの500円(税込550円)。
──正直、最初に見たときは「本当に使えるの?」と疑ってしまった。でも気になる。500円でBluetoothイヤホンが手に入るなんて、試してみるしかない。
ここでは、実際に使ってみた感想やネット上のレビューをもとに、「500円でどこまで使えるのか」を徹底的に検証していく。
ダイソーのワイヤレスイヤホンってどんなもの?
ダイソーでは複数のイヤホンが販売されており、有線・無線あわせて価格帯も300円~1,100円程度まである。その中でも注目されているのが、500円で買えるBluetoothイヤホンだ。
この価格帯のモデルは、完全ワイヤレスではなく「左右がケーブルでつながっているセミワイヤレスタイプ」や「ネックバンド型」と呼ばれるものが多い。完全ワイヤレス(左右独立・充電ケース付き)は基本的に1,000円以上のモデルになる。
主な仕様はこんな感じだ。
- Bluetooth 5.0対応
- 通信距離:約10メートル
- 連続再生時間:2〜3時間
- 充電端子:microUSBまたはUSB-C(モデルによる)
- 価格:500円(税込550円)
スペックだけ見ると、最低限の機能は備えている印象だ。
見た目と作り:500円とは思えない仕上がり
まず手に取って驚いたのが、質感の悪さがあまり感じられない点。もちろん高級感があるわけではないが、チープすぎる印象もない。
マットな質感のプラスチックボディに、軽量で扱いやすいケーブル。イヤーピースの形状も素直で、耳にフィットしやすい。
ネックバンド部分にリモコンがついており、再生・停止・音量操作なども可能。ペアリングもシンプルで、初回に一度設定すれば次回以降は自動で接続される。
「この価格でBluetoothが普通に繋がる」という事実だけで、すでに少し感動してしまう。
音質は?──意外と聴ける、でも限界もある
500円イヤホンで最も気になるのは音質だろう。結論から言えば、「価格を考えれば悪くない」というのが正直な感想だ。
高音はそこそこクリアで、ラジオやYouTube、ポッドキャストの音声は問題なく聴ける。ボーカルも籠もらず、BGMとして使うには十分。
ただし、音楽をじっくり聴くと限界も見えてくる。低音の厚みが弱く、全体的に平面的。音の広がりや臨場感は乏しい。
また、小音量のときに「サーッ」というホワイトノイズが入ることもあり、音質にこだわる人には物足りないだろう。
とはいえ、500円という価格を考えれば十分に「使える」レベル。高級イヤホンのような解像度や深みはないが、通勤・通学・作業BGM用としてなら満足できる。
操作性と接続の安定感
ペアリングは拍子抜けするほど簡単だ。電源ボタンを長押しするとすぐにスマホに表示され、接続も数秒。再接続も自動で行われる。
Bluetoothの接続は意外に安定しており、室内であれば音が途切れることはほとんどない。外を歩いていても、ポケットにスマホを入れておけば問題なし。
再生・停止や曲送りなどの操作はリモコン部分の物理ボタンで行うタイプ。押し間違えやすいという声もあるが、慣れれば快適だ。
バッテリーと充電まわり
公式仕様では連続再生2〜3時間、充電時間1〜2時間ほど。実際に使ってみても、3時間前後でバッテリーが切れる印象だった。
長時間リスニングには不向きだが、短時間の通勤やウォーキングなどの用途なら問題ない。
充電端子はモデルによってmicroUSBまたはUSB-C。USB-C対応のモデルが増えてきており、今後はこちらが主流になるだろう。
ただし、充電ケーブルは付属していないため、手持ちのケーブルを使う必要がある。
装着感と使い勝手
イヤホン部分は軽量で、耳への負担が少ない。フィット感も悪くないが、リモコン部が右側にあり少し重いため、右耳側が外れやすいというレビューもある。
耳のサイズや形によっては、イヤーピースを別のサイズに交換した方が安定するかもしれない。
屋外での使用時は防水機能がないため、雨や汗には注意が必要。ジムやランニング用には向かないが、軽い外出や作業中のBGMとしては十分だ。
ネット上のレビューをまとめてみた
SNSやブログでも、ダイソーのワイヤレスイヤホンは多くの人がレビューしている。その声をいくつかピックアップしてみよう。
- 「500円でBluetoothが繋がるだけで満足。音も意外にいい」
- 「ホワイトノイズはあるけど、動画を見るには十分」
- 「軽くて持ち運びやすい。通勤用のサブ機にちょうどいい」
- 「音量を下げるとノイズが気になる。音楽を真剣に聴くには向かない」
- 「Type-C対応が地味にうれしい」
総じて、「500円にしては良い」というポジティブな意見が多い。音質に過度な期待をしなければ、コスパ最強クラスのイヤホンといえる。
他モデルとの比較:1,000円モデルはどう違う?
ダイソーには1,100円(税込)の完全ワイヤレスイヤホンもある。こちらは左右独立型で、充電ケース付き。Bluetooth 5.3対応・ドライバー10mmなど、スペックは確実に上がる。
バッテリー持ちも5〜6時間ほどで、500円モデルとは明確に差がある。
ただし、価格が倍以上になるため、「とりあえず試してみたい」段階なら500円モデルの方が気軽だ。
もし「ワイヤレスイヤホンって便利だな」と思えたら、「ダイソー完全ワイヤレスイヤホン ミクロ(TWS005)」のような1,000円モデルにステップアップするのがおすすめだ。
どんな人におすすめか?
500円のワイヤレスイヤホンをおすすめできるのは、次のような人だ。
- 初めてBluetoothイヤホンを試してみたい
- 紛失しても惜しくない安価なサブ機が欲しい
- 通勤や家事のBGM用として使いたい
- 音質よりも「ワイヤレスで手軽に使える」ことを重視している
逆に、音楽鑑賞をメインにしたい人や、長時間使用する人、通話品質を重視する人には向かない。
「安くて便利な道具」として割り切れる人にこそ、魅力的な一台だ。
ダイソーのワイヤレスイヤホン、500円で本当に使えるのか【結論】
最終的な結論は、「使える。ただし、期待しすぎないこと」。
500円という価格で、Bluetooth接続・軽量・そこそこの音質を実現している点は素直にすごい。
音質や耐久性は価格相応だが、日常使いには十分なクオリティ。ワイヤレスイヤホンを使ったことがない人にとっては、入門用として最適だ。
「高音質を求めるなら上位モデルを」「気軽に試すならこの500円モデルを」。
ダイソーのワイヤレスイヤホンは、そんな住み分けがぴったりな存在だ。
──500円という価格に惑わされるなかれ。思った以上に“ちゃんと使える”イヤホン、それがダイソーのワイヤレスイヤホンだ。
