最近人気のミニPC。手のひらサイズで省スペース、見た目もスマートで仕事や趣味に使いやすいですよね。でも、長く使っていると「ちょっと動作が重い」「容量が足りない」と感じる瞬間が来るはず。
そんなときに役立つのが「増設」です。メモリやSSDを拡張すれば、ミニPCの性能をグッと引き上げることができます。
ミニPCでも増設できるって本当?
意外と知られていませんが、ミニPCの多くはメモリやストレージの増設に対応しています。
最近のモデルは「ベアボーン型」や「拡張スロット付き」が主流で、カバーを開ければ簡単に部品を交換できるものも多いんです。
特に効果が大きいのが次の2つ。
- メモリ(RAM) の増設で、マルチタスク性能が向上
- SSD(ストレージ) の交換・追加で、起動や読み込みが劇的に速くなる
つまり「まだまだこのミニPCを使いたい!」と思っているなら、増設が一番コスパの良い選択肢になります。
増設の前に必ず確認すべきこと
いきなりパーツを買って取り付けるのはNG。
まずは「自分のミニPCがどんな仕様なのか」を確認しましょう。
対応メモリの種類と上限を調べる
メモリにはDDR4やDDR5などの種類があり、速度や形状も違います。ミニPCの場合は「SO-DIMM(ノートPC用)」が主流です。
製品の公式サイトやマニュアルで「最大容量」「スロット数」「対応速度」を必ずチェックしましょう。
たとえば:
- スロットが2つある場合 → 既存のメモリと同じ規格のものを追加
- スロットが1つしかない場合 → 既存のメモリをより大容量のものに交換
SSDの規格とサイズを確認する
SSDには「M.2 NVMe」「M.2 SATA」「2.5インチSATA」など複数の規格があります。
特にM.2 SSDは見た目が似ているので、接続端子(キー形状)や長さ(例:2280、2242)を確認することが大切です。
最近のモデルならPCIe Gen4対応の高速SSDを使える場合もあります。
保証・サポートの確認も忘れずに
メーカーによっては、自分で分解・増設すると保証が無効になる場合があります。
「増設可」「ユーザー交換対応」と明記されているかどうかを事前にチェックしましょう。
メモリを増設するとどう変わる?
メモリはPCの「作業スペース」のようなもの。
容量が少ないと、複数のアプリを立ち上げたときに動作がもたついたり、処理が遅くなったりします。
例えば:
- 8GB → ブラウザやOffice作業が中心ならOK
- 16GB → 写真編集や軽い動画編集も快適
- 32GB以上 → 仮想マシンやプログラミング開発などにも余裕
また、「デュアルチャネル構成(2枚挿し)」にすると、データの転送速度が向上し体感速度もアップします。
同じ容量でも1枚より2枚構成のほうがパフォーマンスが良いケースが多いです。
SSDを交換・増設するメリット
SSDを増やす・換装することで得られる効果は絶大です。
- OSやアプリの起動が一瞬で終わる
- ファイルのコピー・保存が高速化
- 容量不足による動作不安定を解消
とくに、HDDやSATA SSDからNVMe SSDに変えると、読み書き速度が数倍になることもあります。
さらに、SSDを2台構成にすれば「Cドライブ=システム用」「Dドライブ=データ保存用」と分けて運用でき、ファイル管理やバックアップも効率的になります。
増設の基本手順をざっくり紹介
機種ごとに構造は異なりますが、一般的な流れは次の通りです。
- 電源を切り、ケーブルをすべて外す
静電気防止のために手首を金属部分に触れて放電しておくと安心。 - 底面または裏蓋を開ける
ネジを外し、優しくパネルを持ち上げます。 - メモリまたはSSDスロットを確認
空きスロットがあるか、既存のモジュールがどの規格かを確認。 - パーツを装着または交換
メモリなら斜めに差し込んでカチッと固定。SSDならM.2スロットに差し込み、固定ネジで留めます。 - 再組み立てして電源を入れる
BIOSで認識されているかチェック。SSD交換の場合はOSインストールやクローン移行を行います。
初心者でも、慎重に手順を守ればそれほど難しくありません。
ただし、内部ケーブルやネジを無理に扱わないよう注意してください。
増設で気をつけたいポイント
せっかくのアップグレードも、ちょっとしたミスで台無しになることがあります。
以下の点は特に注意しましょう。
- 静電気対策を怠らない
小型PCは基板が密集しているため、放電で部品を壊すリスクが高いです。 - 熱対策を意識する
SSDの発熱が高くなる場合、ヒートシンク付きのモデルや放熱シートを検討。 - OSのライセンスを再認証する
ストレージを入れ替えた場合、Windowsのライセンスが再認証を求めることがあります。 - 古い機種では限界がある
CPUが古すぎる場合、メモリやSSDを新しくしても性能のボトルネックが解消されないことも。
その場合は買い替えも視野に入れましょう。
どんなパーツを選べばいい?
おすすめは、信頼性の高いブランドを選ぶこと。
メモリならCrucial・Kingston・CFDなど、SSDならSamsung・WD・Corsairなどが定評があります。
- メモリ選びのポイント
- SO-DIMM規格(DDR4/DDR5)
- 同容量・同速度でデュアルチャネル構成にする
- 使用用途に合わせて8〜32GBを目安に
- SSD選びのポイント
- M.2 NVMeならPCIe 3.0/4.0対応か確認
- 容量は512GB〜1TBが人気
- 耐久性(TBW値)・保証期間にも注目
「容量を増やす」だけでなく、「速度・安定性・発熱管理」も意識すると失敗しません。
たとえば、CFD STANDARD メモリ 16GB D4U3200CS-16G は高い信頼性を持ち、コストを抑えながらパフォーマンスを引き上げたい人に人気です。
一方で、Corsair MP600 MINI Gen4 NVMe M.2 2230 SSD は小型PC向けの高速ストレージとして注目されています。
増設後にやっておきたい設定
パーツを換装したら、それで終わりではありません。
動作確認や設定をして、ミニPCの性能をしっかり引き出しましょう。
- BIOSでメモリ容量・SSDが正しく認識されているか確認
- Windows起動後、「システム情報」や「タスクマネージャー」でメモリ使用状況をチェック
- 新しいSSDを追加した場合は「ディスクの管理」でフォーマット
- OSやドライバーを最新に更新しておく
これで、せっかくのアップグレードを最大限に活かせます。
ミニPCを長く快適に使うために
メモリやSSDを増設するだけで、ミニPCはまだまだ現役で活躍できます。
しかも、コストを抑えつつ体感性能がグッと上がるのが魅力。
作業を効率化したい人も、在宅ワークを快適にしたい人も、まずは自分のミニPCの仕様を確認してみてください。
“拡張できる余地”が見つかれば、それは大きなチャンスです。
最後にもう一度。
ミニPCの増設ガイド!メモリ・SSDを拡張して性能を最大化する方法——
小さな本体に秘められたポテンシャルを引き出すのは、あなたの一手間です。
