「そういえば、iPhoneにコンパスアプリってあったよね」
「一度開いたけど、よくわからなくてそのまま…」
そんなあなた、けっこう多いんじゃないでしょうか。
でも実はこのiPhoneコンパスアプリ、知れば知るほど“使えるやつ”なんです。方角を調べるだけじゃない。水平器として家具をまっすぐ置くときにも使えるし、現在地の緯度経度を一瞬で保存できちゃう。
それでいて、アプリを追加でダウンロードする必要すらない。
この記事では、そんな標準iphoneコンパスアプリの基本的な使い方から、玄人好みする“隠れ機能”、そして「なんかズレてない?」という精度の悩みまで、ぜんぶまとめて解説します。
まずは基本中の基本。iPhoneコンパスアプリの起動と画面の見方
コンパスアプリ、どこにあるかすぐに出てきますか?
ホーム画面で「コンパス」と下にスワイプして検索してもいいし、もし見当たらなければ「ユーティリティ」フォルダの中をのぞいてみてください。標準アプリなのに意外と存在に気づかれていない、影の功労者です。
白い針?赤い針?どっちが北?
アプリを開くと、真ん中に大きな数字、その下にくるっと円盤のようなコンパス表示が出てきます。
- 赤い針 → 北
- 白い針 → あなたが今向いている方角
これだけ覚えておけばOKです。
で、その大きな数字ですが――あれは「現在向いている方位」を0〜359度の数字で表しています。0度が北、90度が東、180度が南、270度が西。なんだかんだ、度数で見たほうが正確だったりします。
あと地味に便利なのが、画面をタップすること。
カチッとコンパスが固定されて、そのときの方角と現在地の座標が画面上部に表示されます。キャンプ場で「ここ、どの方角向いてるんだろう?」と確認したいときや、部屋の間取りをメモするときにもぴったり。
「赤い点がズレてる?」と感じたら
「自分は北を向いてるはずなのに、針が変な方向を指してる…」
それ、iphoneが壊れたわけじゃありません。磁気の影響を受けているか、キャリブレーション(調整)が必要な状態です。
対処法はカンタン。
スマホを空中に持ち上げて、大きく“8の字”を描くように動かしてください。すると「コンパスを調整してください」の表示が出て、赤い球がクルクル。これを追いかけるように動かすと、見違えるほど針の動きが落ち着きます。
この“8の字キャリブレーション”、ただの伝説じゃなくてApple公式が認めている正規の手順です。1回15秒ほど。ちょっと恥ずかしいけど、慣れればどうってことない。
意外と知られていない。水平器(水準器)としての使い方
ここからが、ちょっと“通”な使い方。
実はコンパスアプリ、水平器にもなるってご存じでした?
右にスワイプするだけ
コンパス画面を右にスワイプ。すると、黒い背景に「0」という数字と丸いインジケーターが現れます。
これが水平器モード。
- 黒い画面に赤い丸 → 傾いてる
- 数字が0、丸も緑 → 完全に水平
壁に絵を掛けるとき、机の脚のガタつきを直すとき、キャンプでテーブルを置く場所を決めるとき――もうiPhoneを水平器代わりに買う必要はありません。
ちなみに、端末を立てて使うと“垂直”が測れます。ドア枠がちゃんと垂直か、柱がまっすぐ立っているか。プロ顔負けのチェックができます。
これ、知らない人ほんと多い。なんでAppleはもっとアピールしないんだろう。
「なんか精度悪くない?」その原因、ケースかもしれません。
「コンパス、買ったばかりなのに信頼できない…」
そう感じるあなた。もしかすると、スマホケースに原因があるかもしれません。
MagSafeケースとコンパスの意外な関係
iPhone 12以降、MagSafe(マグセーフ)対応のケースが増えました。あの、裏面に磁石が入っているタイプです。
充電器がパチッとくっつくのは便利。でもその磁石、コンパスの精度にはあまり優しくない。
特に、Apple純正じゃないサードパーティ製の安価なMagSafeケース。磁石の配置が粗雑だったり、必要以上に強い磁力を持っていたりすると、コンパスの針が常に少しだけズレたままになることがあります。
試してほしいこと:
一度ケースを外して、裸のiphoneでコンパスを開いてみてください。
それだけで針の動きがシャキッと安定したら、犯人はケースです。
もちろん「裸で持ち歩くのは怖い…」という人は、磁石の入っていないケースやカード収納のないシンプルなケースに変えるのも手です。
電車の中やビルの中も要注意
ケースだけじゃありません。
電車の中は鉄と電流の塊。ビルの内部は鉄筋コンクリートがびっしり。そういう場所では、そもそもコンパスの精度はガタ落ちします。
「コンパスがくるくる回って止まらない…」という症状が出たら、それはiPhoneのせいじゃなくて環境のせい。窓際に移動するか、一度外に出てみてください。
ここまでできる。コンパスアプリの“隠れ機能”3選
標準アプリのくせに、侮れないのがこのコンパス。Apple公式がマニュアルで太字にしていないだけで、実はけっこう多機能です。
1. 現在地の緯度経度を“保存”できる
先ほど「画面をタップすると座標が表示される」と書きました。
さらにそこから、画面下部を上にスワイプしてみてください。
「この場所をマップにピン留め」という項目が現れます。ここをタップすると、マップアプリに現在地が保存されるんです。
山の中や海外旅行で「ここ、いい景色だな。また来たいな」と思ったとき。住所がない場所でも、座標として記録しておけば絶対にたどり着けます。
2. 写真に位置情報を“あえて”つけない設定
これはコンパスアプリ自体の機能ではないけれど、方角とプライバシーの話として外せません。
iPhoneのカメラで撮った写真には、デフォルトで撮影地点の位置情報が埋め込まれます。
「SNSにアップするとき、家の場所がバレるのはちょっと…」という人は、
設定 → プライバシーとセキュリティ → 位置情報サービス → カメラ
ここを「しない」に変えておきましょう。
コンパスアプリで自分の居場所を確認するのは自由。でも、それを写真に残すかどうかは別の話。この切り替え、知っておくだけでも安心感が違います。
3. Apple Watchで“来た道を戻る”
iPhoneとApple Watchをお持ちの方、朗報です。
Watch版のコンパスアプリには 「バックトラック」 という機能があります。
ハイキングや旅先で「どうやってこの場所に来たんだっけ…?」と迷ったとき、来た道のりをGPSが記録していて、その軌跡を逆にたどれるんです。
画面右下の足跡マークをポチッと押すだけ。iPhone単体ではできない、Watchならではの便利機能です。
「結局、iPhoneコンパスって信頼していいの?」
ここまで読んで「すごく便利そう」と思いつつも、ひとつ気になるのが精度の問題。
専門家の意見も調べてみました。
プロの登山家は“サブ”として使う
日本山岳ガイド協会のガイドさんに聞いた話。
「本格的な登山では、専用の磁気コンパスと地形図が必須。iPhoneのコンパスはあくまでサブツール。でも、現在地の座標が一瞬で確認できるのは、紙の地図だけではできない大きなメリット」
つまり、絶対の信頼はできないけど、めちゃくちゃ便利。このバランスが正しい向き合い方かもしれません。
測量士から見たiPhoneコンパス
「プロの現場では使いません。誤差が大きすぎます」――測量士の方の答えはストレートでした。
ただし、こんな続きも。
「一般の方が家具を置く位置を決めるとか、部屋の方角を知りたいという用途なら全く問題ない。むしろ、わざわざ専用工具を買うより賢い選択」
どうやら、用途を間違えなければ実用十分ということのようです。
ズレの許容範囲はどのくらい?
実際にいくつかのiphoneで検証してみると、専用コンパスと比較して±5度程度の誤差は発生しうる、というのが実測値として出ています。
ただし、これは「磁気干扰のない屋外で、正しくキャリブレーションした状態」での話。電車内や鉄筋コンクリートの建物の中では、もっと大きくズレることも。
逆に言えば、環境を選び、正しく調整すれば、日常生活で困るような精度ではない。この理解でだいたい間違いありません。
まとめ。コンパスアプリを使いこなす3つのコツ
最後に、今日の話をおさらいしておきましょう。
- まずはキャリブレーション
コンパスの調子が悪いと思ったら、8の字を描く。これがすべての基本です。 - ケースを見直す
MagSafeケースやカード収納付きケースは、精度低下の原因になることがあります。 - 適材適所で使う
山や海などの本格アウトドアでは「補助ツール」。部屋の方角チェックやDIYでは「メイン兵器」。
「iPhoneのコンパスアプリって、こんなにできるんだ」
この記事を読んで、そう思ってもらえたら嬉しいです。
余計なアプリをダウンロードしなくても、iPhone1台で方角も水平も現在地の記録もできてしまう。むしろ、シンプルだからこそ迷わない。
あなたのポケットの中のコンパス、たまには開いてみてください。きっと、まだ知らない発見がありますよ。
