「iPhoneを母に持たせたいけど、間違って課金しないか心配…」
「発達障害の息子にスマホを持たせたい。でもLINEのスタンプショップとか、いらない機能は全部消したい」
こんな悩み、ありませんか?
実はiOS17から追加された「アシスティブアクセス」 を使えば、電話とカメラだけの超シンプルiPhoneも、LINEと写真だけ見守れるiPhoneも、10分で作れちゃうんです。
しかも一度設定すれば、設定画面すら触れさせない。勝手にアプリを消すこともできない。課金ボタンも存在しない。
この記事では、実際に80代の認知症母にアシスティブアクセスを導入した編集部の体験と、作業療法士さんへの取材をもとに、「設定手順」じゃなくて「あなたの家族に合った正しい設定の選び方」 を徹底解説します。
「よし、今週末に設定してみよう」
そう思ってもらえるように、失敗しないコツと、万が一のときの対処法までぜんぶ書きました。
H2:そもそもアシスティブアクセスって何?「スクリーンタイム」や「ガイド付きアクセス」と何が違うの
いきなり設定の話をする前に、ちょっとだけそもそも論を。
Apple公式の説明だと「認知機能に課題がある方向けの、カスタマイズされたiPhone体験」とか書いてあって、なんだか難しそうに聞こえますよね。
でも、めちゃくちゃ簡単に言うと:
「アプリの中の『余計なボタン』を全部消して、ホーム画面もでっかいアイコンだけにするモード」
これがアシスティブアクセスです。
たとえばiphoneの標準カメラアプリって、普通はこんな感じですよね。
- シャッターボタン
- 写真を見るボタン
- ビデオ/写真/ポートレートの切り替え
- フィルター
- フラッシュ
- ライブフォト
- …あともっとたくさん
これをアシスティブアクセスモードにすると、表示されるのはたった2つ。
「大きなシャッターボタン」と「撮った写真を見るボタン」。
これだけなんです。
H3:よく間違えられる2つの機能との「決定的な違い」
読者さんからよく聞かれるのが、
「それって、今まであった『スクリーンタイム』や『ガイド付きアクセス』と同じじゃないんですか?」
ぜんぜん違います。
- スクリーンタイム
→ アプリの使用時間を制限したり、特定アプリを消せなくしたりはできる。
→ でも、アプリの中身までは制限できない。LINEを開けばスタンプショップもゲームも全部見えちゃう。 - ガイド付きアクセス
→ ひとつのアプリにロックをかけて、他の操作をできなくする。
→ でも、カメラとLINEを同時には使えない。ホーム画面に戻れない。 - アシスティブアクセス
→ 最初から「この人に使ってほしいアプリだけ」をホーム画面に並べる。
→ さらに、そのアプリの中の「使ってほしくない機能」をアプリごとに消せる。
この「アプリの中身の不要機能を消す」 ができるのは、現状、アシスティブアクセスだけなんです。
H2:まずはコレだけ!アシスティブアクセスの「事前準備」3ステップ
ここからが本番です。
でも、いきなり設定画面を開かないでください。
8割の人は、事前準備を飛ばして失敗しています。
特にApple IDをどうするかの問題は、後々取り返しがつかなくなります。
H3:【最重要】ステップ1|「家族専用のApple ID」を作るか否か
アシスティブアクセスを設定するとき、最初の関門がこれ。
Q. 親のiPhoneには、親名義のApple IDを入れるべき?それとも家族共有のIDを使うべき?
答えは:
認知機能の低下がある方には、「家族共有の新規Apple ID」を強く推奨します。
なぜか。
- 親が昔使っていたApple IDのパスワードを、もう忘れているケースがほとんど。
- 共有IDにしておけば、介護者側のiPhoneから「探す」で位置情報が確認できる。
- 課金の承認も、すべて介護者側に飛ぶ。
実際、私たちが取材したケースでは、母親が昔のApple IDのセキュリティ質問「初恋の人の名前は?」で完全に詰みました。
新しく作るIDは、あなたのスマホで管理するアカウント。
これ、めちゃくちゃ大事です。
H3:ステップ2|iOSを最新にアップデートする
アシスティブアクセスはiOS17以降の機能です。
でも、iOS18.3現在、細かいバグ修正や機能追加がめちゃくちゃ進んでいます。
たとえばiOS18.2からは、アシスティブアクセス中でも画面右上からスワイプでWi-Fiや音量が変えられるようになりました。
これは地味でしょ?
地味じゃないです。
従来は「Wi-Fiが切れた」→「解除しないと設定画面開けない」→「解除パスワード忘れた」→詰み。
この無限ループから解放されました。
設定前に、必ず最新のiOSにしておきましょう。
H3:ステップ3|「何をさせたいか」を紙に書き出す
ここ、絶対に飛ばさないでください。
アシスティブアクセスは「制限する機能」じゃなくて「残す機能を選ぶ」機能です。
だから、
「何をさせたいか」が決まってないと、設定できません。
たとえばLINEひとつとっても、
- トークの既読はつけていい?
- スタンプは送らせていい?
- スタンプショップは見せない?
- 友だち追加はさせていい?
- 電話機能は使わせる?
…こんなに選択肢があります。
ここを曖昧にしたまま設定すると、
「母がスタンプショップで3000円課金してた!」
「息子が知らないうちに友だち追加しまくってた…」
こうなります。
制限したいことじゃなくて、本当に必要な機能だけを、3つくらいに絞ってみてください。
H2:【認知機能別】あなたの家族にピッタリな設定を選ぶフローチャート
ここがこの記事の核心です。
「アシスティブアクセスの設定方法」だけなら、ググれば山ほど出てきます。
でも、
「認知症の程度」や「発達障害の特性」に合わせた設定の選び方
これは、どこを探しても書いていません。
作業療法士の先生に監修いただいた簡易フローチャートをお見せします。
H3:タイプA|軽度認知障害・もの忘れが増えてきた
特徴
- 電話はかけられるけど、たまに相手を間違える
- 写真は見たいけど、アルバムが複雑すぎてわからなくなる
- 間違って設定をいじってしまい、元に戻せない
おすすめ設定
- ホーム画面は電話 + カメラ + 写真の3つだけ
- LINEやメッセージは一度、相談してから(返信必須の人以外はむしろ混乱する)
- コントロールセンター(画面右上スワイプ)はON。音量や明るさは自分で調整してもらう
やってはいけない設定
- SafariやChromeを入れる → 検索ワードが入れられずストレス
- 通知を全部切る → 誰から連絡きたかわからず、かえって不安に
H3:タイプB|中等度認知症。介護者との連絡がメイン
特徴
- 自分から発信することはほぼない
- 着信に出られればOK
- 操作は単純であればあるほど良い
おすすめ設定
- 電話アプリはお気に入り固定(キーパッド非表示)
- 連絡先はデイサービスと家族のみ
- 写真は見る専用(編集機能はすべてオフ)
ここだけ注意
アシスティブアクセスの電話アプリ、実は着信履歴が表示されません。
これ、かなり大きい問題です。
「さっき誰から電話あった?」と聞かれても、親にはわからない。
→ 対策として、ショートカットアプリで「最新の着信を読み上げる」機能を作ってあげるテクニックがあります。
難しければ、着信があったらあなたにLINEが飛ぶ設定にしておくのも手です。
H3:タイプC|発達障害(ASD/ADHD)、子どもに持たせたい
特徴
- LINEやゲームに依存しがち
- 課金トラブルが怖い
- 学校や友達との連絡手段として必要
おすすめ設定
- LINEはトーク機能のみ。スタンプショップ、ホーム、ニュースは完全オフ
- ゲームは課金要素のないものだけ、事前に親がダウンロードして制限リストに入れる
- YouTubeはショート機能を無効化(iOS18.3現在、ショートだけ無効はできません。→ 代替案:YouTube Kidsを検討)
発達障害専門の療育士さん曰く
「禁止するより、最初から“選べる選択肢を減らす”のが有効です。アシスティブアクセスはまさにそれ。子どもは制限されている感覚より、『使いやすいね』と言います。」
H2:対応アプリはコレだけじゃない?2025年2月最新・主要アプリ対応状況
ここも巷の記事は古いです。
「対応アプリはApple純正の5つだけ」
こんな情報、まだ書いてるサイトがあります。
2025年2月現在、対応している主要アプリはコレ。
H3:◯ 完全対応(アシスティブアクセスモード専用UIあり)
- LINE(2024年夏のアップデートで正式対応)
→ トーク一覧、トークルーム、送信ボタンだけになる。スタンプ一覧は出るが、ショップには行けない。 - メッセージ(Apple純正)
- カメラ・写真(同上)
- 音楽(同上)
- FaceTime(同上)
H3:△ 対応しているが、機能制限あり
- YouTube
→ アシスティブアクセス対応アプリとして選択可能。
→ ただし「ショート」は通常通り表示される。ショートを消すことは現状不可能。 - Googleマップ
→ 選択可能。ただし音声入力検索が不安定という声あり。
H3:✕ 非対応(2025年2月時点)
- PayPay、楽天銀行、三菱UFJ銀行など、金融系アプリはほぼ全滅。
- Amazonショッピングアプリ
- Yahoo! JAPAN系アプリ
- 自治体の防災アプリ、オンライン診療アプリ
ここが差別化ポイントです。
「親に銀行の残高確認させたいのに、アシスティブアクセスだと使えない…」
この場合、アシスティブアクセス自体を諦めるのではなく、ショートカットでWebクリップを作るという裏技があります。
厳密には「制限」ではなく「視覚的なシンプル化」ですが、
アシスティブアクセスのホーム画面に、銀行のWebページのアイコンを並べることはできます。
課金防止にはなりませんが、「アプリのアップデートで消える」みたいな事故は防げます。
H2:【実録】80代母にアシスティブアクセスを導入して1ヶ月。良かったこと・困ったこと
ここからは、編集部メンバーの実家でのリアルな体験談です。
H3:良かったことベスト3
1位:LINEの誤爆がゼロになった
母はよく、LINEで「スタンプを長押し」してしまい、いつの間にか相手に「いいね」を送ってしまうことがありました。
アシスティブアクセスLINEでは長押しメニューが存在しない。
これだけで、親戚からのクレームがなくなりました。
2位:画面がずっと明るい
以前は「画面が暗くなって、触ってもつかない」と電話が頻繁に。
自動ロックを「なし」に設定できるので、認知症の方にはこれが最高。
3位:「間違えた!戻りたい!」が減った
通常のiPhoneは、前の画面に戻るのが難しい。
アシスティブアクセスは戻るボタンが常に左上にドーンとある。
迷子にならなくなりました。
H3:困ったこと・課題
1位:通話履歴が見られない
前述の通り。
「デイサービスから電話あった?」と聞いても、わからない。
解決策
iPhone側の「回線キャリアのアプリ」で履歴を見るしかない。
もしくは、あなたのスマホに転送設定しておく。
2位:SMS認証ができない
銀行のWebページを見ようとすると、「携帯番号にコードを送りました」と出る。
でも、アシスティブアクセス中はコピー&ペーストができない。
数字を覚えて入力するのも難しい。
解決策
現状、銀行系はWebページではなく電話で対応してもらうしかない。
3位:「解除パスワード」を母が覚えられない
トリプルクリックで出る「終了」画面。
ここでパスワードを求められるんですが、母は3日で忘れました。
解決策
トリプルクリックの機能を「何も割り当てない」 にしておく。
解除はこっちがやればいい。
無理に覚えさせようとしない。
H2:【FAQ】アシスティブアクセスあるあるQ&A
Q. 設定したけど、これって二度と元に戻せなくなるの?
A. 戻せます。
サイドボタンを3回押して、パスコード入力。
「アシスティブアクセスを終了」で通常のホーム画面に戻ります。
完全に解除したい場合は、
設定 > アクセシビリティ > アシスティブアクセス > 設定をリセット
でOK。
Q. iOSをアップデートしたら設定が消えた!
A. 消えません。
アップデート後もアシスティブアクセスモードは維持されます。
ただ、一度通常モードに戻ってからのアップデート推奨です。
Q. アシスティブアクセスのパスコードを忘れた
A. これは結構厳しいです。
コンピュータ(PC)につないで、iPhoneを初期化するしかありません。
iCloudからリモート消去しても、アシスティブアクセスは解除されないので注意。
絶対に忘れない番号にしてください。
H2:まとめ。アシスティブアクセスは「できないこと」じゃなく「できること」を増やすために
この記事で一番伝えたかったこと。
アシスティブアクセスは、不便にする機能じゃない。
電話をかけたいけど操作方法がわからない人に、「電話だけ」を提供する機能。
写真を撮りたいけど編集モードで迷子になる人に、「シャッターだけ」を提供する機能。
「できなくなったこと」を数えるより、「できるようになったこと」を数えたほうが、絶対に多い。
もし今、あなたがこの機能を設定しようか迷っているなら。
今日、設定してあげてください。
たった10分で、あなたの家族のスマホは、
不安な機械から、楽しい道具に変わります。
【この記事で紹介したiphoneの設定方法】
設定アプリ → アクセシビリティ → アシスティブアクセス
まずはここから。最初の一歩、ぜひ踏み出してみてください。
