あなたは最近、iPhoneのネット接続にイライラしていませんか?
自宅のWi-Fiにつないでいるのに、ウェブサイトの読み込みが妙に遅い。SNSのタイムラインがなかなか更新されない。動画が途切れがちで再生に時間がかかる。
「これって回線のせい?それともiphoneの調子が悪いの?」
そう思ってプロバイダに電話したり、端末を再起動したりしてみても、なかなか根本的な解決には至らないものです。
実は、その遅さの原因は、あなたのインターネットサービスプロバイダ(ISP)が自動的に割り当てている「DNSサーバー」にあるかもしれません。でもご安心を。この記事を読み終える頃には、あなたはたった数ステップでiPhoneのネット速度と安定性を劇的に改善する方法を知ることになるでしょう。
DNS設定があなたのiPhoneネット体験を変える理由
まずは「DNSって何?」というところから、かんたんに説明しましょう。
DNSは「Domain Name System(ドメインネームシステム)」の略です。
私たちが普段、ブラウザに「google.com」とか「youtube.com」と入力するあのわかりやすい文字列(ドメイン名)を、コンピューターが実際に通信するための数字の羅列(IPアドレス)に変換する、いわば「インターネットの住所帳」です。
問題は、この「住所帳を調べる作業」自体に時間がかかることがある、ということ。ISPが提供する既定のDNSサーバーは、時に混雑し、応答が遅くなります。これが「サイトにアクセスするまでに待たされる」「動画のサムネイルがなかなか出てこない」といった、体感速度の低下を引き起こす原因のひとつなのです。
この「住所帳係」を、より優秀で迅速なものに手動で切り替えてあげる。それが、今回ご紹介するiPhoneのDNS設定変更です。
準備はOK? Wi-FiのDNS設定を変更する5ステップ
それでは、実際の設定に移りましょう。作業時間はたったの2~3分。とても簡単です。
- 設定アプリを開く:ホーム画面から、歯車のアイコン「設定」をタップします。
- Wi-Fi設定へ進む:設定メニューの中から「Wi-Fi」を選択します。
- 接続中のネットワークを選択:現在あなたのiPhoneが接続している自宅のWi-Fiネットワーク名を見つけ、その右側にある「i」マーク(情報アイコン)をタップします。
- DNS設定画面を開く:画面を下にスクロールしていくと、「DNSを構成」という項目があります。ここをタップしてください。
- 手動設定に切り替える:現在はおそらく「自動」になっています。これを「手動」に切り替えましょう。
「手動」に切り替えると、サーバーのリストが表示されます。ここに、新しい優秀な「住所帳係」のアドレス(IPアドレス)を登録していきます。
もし、後から元の設定に戻したくなったら、この画面で再度「自動」を選ぶだけ。ISPから自動的に割り当てられるDNSに簡単に戻せますので、安心して試してみてください。
目的別で選ぼう! 主要パブリックDNSサーバー比較
「住所帳係」にはいくつかの有力候補がいます。それぞれ特徴が異なりますので、あなたが何を重視するかで選ぶと良いでしょう。
超高速を求めるなら「Cloudflare DNS」
とにかく応答速度が速いことで定評があります。また、「ユーザーのクエリログを24時間以上保持しない」と明言しており、プライバシー保護の観点でも評価が高いです。
- 主サーバー(プライマリ):
1.1.1.1 - 予備サーバー(セカンダリ):
1.0.0.1
絶対的な安定感なら「Google Public DNS」
世界最大手のGoogleが提供するDNSです。その巨大なインフラを活かした高い安定性と信頼性が特徴で、長年多くのユーザーに利用されています。
- 主サーバー(プライマリ):
8.8.8.8 - 予備サーバー(セカンダリ):
8.8.4.4
セキュリティ最重視なら「Quad9」
マルウェアやフィッシングサイトなどの悪意あるドメインへのアクセスを、事前にブロックしてくれる機能が組み込まれています。家族で使うiphoneや、安全にネットを楽しみたい方に特におすすめです。
- 主サーバー(プライマリ):
9.9.9.9 - 予備サーバー(セカンダリ):
149.112.112.112
これらのアドレスは、先ほどの設定画面で「サーバを追加」をタップし、入力欄にコピー&ペーストで入力してください。複数入力すると、最初のサーバーが応答しない場合に自動的に次のサーバーが使われるので、より安心です。入力が終わったら、忘れずに右上の「保存」をタップしましょう。
さらに一歩進んで! モバイル回線のDNSも変えたいあなたへ
ここまでで、自宅Wi-Fiの環境は大きく改善されたはずです。しかし、「外出先でモバイルデータ(4G/5G)を使っている時も、同じように快適にしたい!」という要望もあるでしょう。
実は、iOSの設定メニューだけでは、モバイルデータ通信のDNSを直接変更することはできません。しかし、方法はあります。それが「専用アプリ」の利用です。
例えば、先ほど紹介したCloudflareが公式に提供している「1.1.1.1: Faster Internet」という無料アプリが非常に便利です。このアプリをインストールし、アプリ内のスイッチを「オン」にするだけで、Wi-Fiはもちろん、モバイルデータ通信を含むiphone全体の通信が、Cloudflare DNSを経由するようになります。
VPN技術を利用しているように見えますが、あくまでDNSの変更のみが目的のため、通信速度が低下することはほぼなく、設定も非常に簡単です。外出先のネット接続が気になる方は、ぜひ試してみてください。
設定後はココをチェック! 効果の確認とトラブル対策
設定を変更したら、その効果を実感してみましょう。以前は読み込みに時間がかかっていたニュースサイトや動画サイトにアクセスし、体感速度がどう変わったかを確かめてみてください。多くの場合、サクサクとページが表示される快適さを感じられるはずです。
設定が正しく適用されているか確認する方法
より確実に確認したい場合は、DNSプロバイダが提供しているチェックページを使う方法もあります。例えば、Cloudflare DNSに設定した場合は、Safariで https://1.1.1.1/help にアクセスしてみてください。ページ上に「Connected to 1.1.1.1: Yes」と表示されれば、設定は完璧です。
もしも接続できなくなったら?
まれに、入力ミスなどが原因でネットワークに接続できなくなることがあります。そんな時は慌てずに、もう一度Wi-Fiの設定画面(「設定」→「Wi-Fi」→接続中のネットワークの「i」マーク)を開き、「DNSを構成」の項目を「手動」から「自動」に戻してください。これですぐに元の状態に戻り、接続が復旧します。
大事なポイントは、この設定は「あなたが選択したその特定のWi-Fiネットワークにのみ」保存されるということ。例えば、カフェのWi-Fiや職場のネットワークでも同じ効果を得たい場合は、それぞれの場所で同じ設定を繰り返す必要があります。
iPhoneのDNS設定を見直して、日常のストレスを減らそう
いかがでしたか? iPhoneのDNS設定は、ほんの少しの手間であなたの日常的なネット体験をグレードアップさせる、とてもコストパフォーマンスの高いチューニングです。
「ネットが遅い」という漠然とした不満は、ISPや端末のせいだと諦めてしまいがちです。しかし、その原因の一端は、私たちが普段気にも留めていない「DNS」という仕組みにあるかもしれないのです。
今回紹介した方法は、完全に無料で、数分で完了し、もし合わなければすぐに元に戻せる、リスクのほとんどない変更です。特に、動画視聴やオンラインゲーム、大きなファイルのダウンロードをよくする方ほど、その効果を実感しやすいでしょう。
あなたも今日、このiPhoneのDNS設定を試して、サクサク快適なネットライフを手に入れてみませんか? その変化は、きっとあなたの毎日を少しだけ軽やかにしてくれるはずです。
