iPhoneで動画がカクカクする、SNSの読み込みが遅い、たまに「インターネットに接続されていません」と出る……。
こんなイライラ、実はあなたの契約しているプロバイダの「DNSサーバー」が原因かもしれません。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、DNSはインターネットの「電話帳」です。youtube.com のような覚えやすい名前を、ネット上の住所である142.250.72.238みたいな数字(IPアドレス)に変換する大切な役割をしています。この変換作業が遅かったり失敗したりすると、サイトにまったく繋がらなかったり、繋がるまでに時間がかかって「ネットが遅い」と感じてしまうんです。
特に「家のWi-Fiだけ調子が悪い」「パソコンでは速いのにiPhoneだけ遅い」という場合は、iPhone側のDNS設定を見直すだけで、驚くほど快適になる可能性が高いんです。
DNSサーバーを変えるとなぜ速くなる? その2つの理由
あなたのiPhoneは、特に設定を変えていなければ、契約しているインターネットプロバイダが用意したDNSサーバーを自動的に使っています。これが問題になるケースがあります。
第一に、速度。プロバイダのDNSサーバーは混雑していることが多く、名前の変換(名前解決)に時間がかかる場合があります。一方、GoogleやCloudflareなどの大企業が提供する無料の「パブリックDNS」は、世界中にサーバーを分散させており、あなたの地理的に近いサーバーから超高速で応答してくれます。電話帳を引くスピードが上がれば、その後のページ表示も当然速くなります。
第二に、安定性とセキュリティ。プロバイダのサーバーが一時的にダウンしたり、メンテナンス中だったりすると、サイトに繋がらなくなることがあります。主要なパブリックDNSは信頼性が非常に高く、ほぼダウンしません。また、悪意のあるサイトやフィッシングサイトへのアクセスを最初からブロックしてくれるセキュリティ機能を持つDNSサービスもあり、安全に使えるというメリットもあります。
今すぐ試せる! iPhoneのDNS設定変更手順(Wi-Fi編)
設定はとっても簡単で、特別なアプリも不要です。一度設定すれば、そのWi-Fiに接続する限りずっと有効です。
- iphoneの「設定」アプリを開き、「Wi-Fi」をタップ。
- 現在接続している自宅のWi-Fiネットワーク名の右側にある「i」マーク(情報アイコン)をタップ。
- 画面を下にスクロールして、「DNSを構成」という項目を見つけ、タップ。
- デフォルトで「自動」になっているので、「手動」に切り替えます。
- 「DNSサーバー」の下に表示されているサーバーアドレス(灰色の文字)を削除。左側の赤い「-」マークをタップして消しましょう。
- 「サーバーを追加…」をタップし、これから紹介するおすすめのパブリックDNSアドレスを入力します。2つ入力する場合は、再度「サーバーを追加…」をタップして追加してください。
- 最後に、画面右上の「保存」をタップすれば完了です!
これだけで、そのWi-FiスポットでのDNS設定が変更されました。ブラウザを開いていつもよりサクサク表示されるか試してみてください。
どれを選ぶ? 主要パブリックDNSサーバー3選と特徴
代表的な無料のパブリックDNSは以下の3つです。好みや目的で選んでみてください。
1. Cloudflare DNS (1.1.1.1) – 圧倒的な速さとプライバシー重視
- プライマリ:
1.1.1.1 - セカンダリ:
1.0.0.1 - 特徴:応答速度が世界最速クラスと言われ、ユーザーの閲覧履歴を販売しないことを明確に掲げています。純粋に「速くてクリーン」なインターネットを求める人に一番おすすめです。
2. Google Public DNS (8.8.8.8) – 抜群の安定性と知名度
- プライマリ:
8.8.8.8 - セカンダリ:
8.8.4.4 - 特徴:最も広く使われているパブリックDNSです。Googleの巨大なネットワークインフラを活かした高い安定性が魅力です。迷ったらまずこれを試してみるのが良いでしょう。
3. Quad9 (9.9.9.9) – セキュリティ最優先で家族にも安心
- プライマリ:
9.9.9.9 - セカンダリ:
149.112.112.112 - 特徴:セキュリティ企業や警察機関と連携し、既知のマルウェアやフィッシングサイトのデータベースをリアルタイムで更新。そのような危険なサイトへのアクセスを名前解決の段階でブロックしてくれます。お子さんのいるご家庭や、セキュリティを最優先したい人に。
「とにかく速くしたい!」→ Cloudflare DNS
「まずは安定して使いたい」→ Google Public DNS
「安全第一で使いたい」→ Quad9
という選択が分かりやすいです。
設定後の確認ポイントと、もしも繋がらなくなった時の対処法
設定を保存したら、一度Safariなどのブラウザを完全に閉じて(アプリスイッチャーから上にスワイプして終了)、再度開いてみてください。これで設定が反映されます。うまくいっているか体感で感じられればOKです。
万が一、設定後にインターネットに全く繋がらなくなってしまった場合は、慌てずに次のことを試してみてください。
- アドレスを確認:入力したIPアドレスに間違いがないか(
1.1.1.0などになっていないか)をもう一度チェック。 - 設定をリセット:Wi-Fi設定の「DNSを構成」画面に戻り、「手動」から「自動」に戻せば、元のプロバイダ設定に戻ります。これで少なくとも元には戻せるので安心してください。
- 再起動:iphoneやWi-Fiルーターを再起動すると、思いがけず解決することもあります。
なお、この手動設定はWi-Fi接続時のみに適用されるという点がとても重要です。外出先でモバイルデータ通信(4G/5G)を使う時は影響しません。モバイル回線中もDNSを変更したい場合は、1.1.1.1を提供するCloudflareの「1.1.1.1: Faster Internet」のような専用アプリの利用を検討してみてください。
iPhoneのネット接続のお悩み、DNS変更で今日からスッキリ解決
いかがでしたか? DNS設定は、iphoneのネットワークの根幹に触れる少しディープな設定に感じるかもしれません。でも、その手順は驚くほど簡単で、たった数分で終わります。そしてその効果は、「今まで何だったの?」と思うほど劇的なことも少なくありません。
自宅のWi-Fiがなぜか遅い、特定のサイトにだけ繋がりにくい……。そんな風にモヤモヤしたネット接続の不調を抱えているなら、この「DNSサーバーをパブリックDNSに変更する」という方法は、最初に試す価値が非常に高い最終手段と言えます。
今日帰ったら、さっそくiphoneの設定画面を開いて、1.1.1.1か8.8.8.8を入力してみてください。もしかしたら、それだけであなたのiPhoneのネット体験がガラリと変わるかもしれません。快適なネットライフの第一歩を、ぜひ踏み出してみましょう。
