最近人気の「ミニPC」。手のひらサイズで省スペース、しかもコスパが高いモデルが増えています。でも、購入時に意外と見落とされがちなのが「OSライセンス」。
「OS付き」「OSなし」といった表記を見たことがあるけど、何が違うの?正規ライセンスって何?という疑問を持つ人も多いでしょう。
この記事では、ミニPCを購入・利用する際に知っておきたいOSライセンスの基本と、「正規版」と「プリインストール版(OEM版)」の違いをわかりやすく解説します。
そもそもミニPCにOSライセンスは必要?
結論から言うと、Windowsを使うならライセンスは必要です。
OS(オペレーティングシステム)はパソコンを動かすための「頭脳」。WindowsやmacOS、Linuxなどがありますが、ミニPCでよく使われるのはWindowsです。
そして、Windowsは無料ではありません。正規ライセンスを購入しないと、正式な機能や更新を受けられず、セキュリティ上のリスクもあります。
一方で、ミニPCの中には「OSなしモデル」や「FreeDOS」「Linuxプリインストール」というモデルもあります。これらは価格を抑えた分、Windowsを自分で購入・インストールする必要があるという意味です。
「プリインストール版」と「OSなし」モデルの違い
ミニPCを選ぶとき、商品ページに「Windows 11 Pro プリインストール」や「OSなし」といった表記があるのを見かけますよね。
この違いを整理すると、次のようになります。
- プリインストール版:すでにWindowsが入っており、すぐ使える。ライセンス費用はPC価格に含まれている。
- OSなしモデル:Windowsを自分で購入して入れる必要がある。価格は安いが、手間と追加費用がかかる。
「安いからOSなしでいいや」と思って買うと、あとでWindowsの購入費が必要になって結果的に高くつく場合もあります。逆に、Linuxを使う人や、すでに余っているライセンスを使いたい人には、OSなしモデルの方が向いています。
OSライセンスの種類は大きく3つ
Windowsライセンスには主に「Retail(リテール)版」「OEM(プリインストール)版」「Volume(ボリューム)版」の3種類があります。個人ユーザーが関係するのは前の2つ。違いを簡単に見ていきましょう。
リテール版(正規版)
家電量販店やMicrosoft公式ストアなどで単体販売されているライセンス。
特徴は次の通りです。
- 別のPCに移行できる(転用可)
- マザーボード交換後も再認証できる可能性が高い
- Microsoftから直接サポートを受けられる
価格は少し高めですが、自由度が高く、長く使うなら安心です。
OEM版(プリインストール版)
PCメーカーが出荷時にインストールして販売するライセンス。
特徴は以下の通り。
- 最初にインストールされたPC専用。別のPCには移せない
- マザーボードを交換すると認証が外れることがある
- サポートは販売メーカーが担当
つまり、PC本体とライセンスがセットになっているイメージです。価格は安めで、すぐ使えるのが利点ですが、自由度は低めです。
ミニPCに多いのは「OEM版」ライセンス
市販のミニPC、特にAmazonなどで売られている海外メーカー製モデルの多くは「Windowsプリインストール=OEM版ライセンス」です。
つまり、そのPC専用のWindowsが入っている状態です。
普段使う分には問題ありませんが、次のようなケースでは注意が必要です。
- 自分でWindowsを再インストールしたい
- Home版からPro版へアップグレードしたい
- マザーボードを交換したい
- 別のPCにライセンスを移したい
こうした場合、OEM版では制約がかかることがあります。
「今後ハードウェアを交換する予定がある」「別のPCにも流用したい」という人は、リテール版を購入しておく方が無難です。
OSなしモデルを選ぶならライセンス準備を忘れずに
最近はコスパ重視で「OSなしモデル」のミニPCを選ぶ人も増えています。
その場合、次の手順を踏む必要があります。
- Windowsのインストールメディアを作る(USBなど)
- Microsoft公式サイトなどでライセンスを購入
- 自分でインストールして認証する
慣れていれば簡単ですが、初心者には少しハードルが高いかもしれません。
また、非正規の安価なライセンスキーを扱うサイトも存在しますが、正規ルート以外からの購入はライセンス無効化のリスクがあるため避けましょう。
正規ライセンスを使うメリット
「ライセンス代を払うのがもったいない」と思う人もいるかもしれません。
ですが、正規ライセンスには大きな価値があります。
- セキュリティ更新が受けられる
非正規版ではアップデートが止まることがあり、脆弱性リスクが高まります。 - サポートが受けられる
問題が起きたときにMicrosoftのサポート窓口を利用できる。 - 安心して長期利用できる
アップグレードや再インストール時にも認証が通りやすく、環境を維持しやすい。
一時的なコストよりも、長期的な安定性や安全性を優先するのが結果的にお得です。
ミニPC購入時にチェックすべきポイント
ライセンス周りのトラブルを防ぐには、購入前に次の点を確認しましょう。
- OSが「プリインストール済み」か「なし」か
- プリインストールされている場合、HomeかProか
- ライセンス形態がOEMかどうか(販売ページに記載されていることが多い)
- 海外モデルや並行輸入品の場合、正規ライセンスが含まれているか
購入後は「設定 → システム → ライセンス認証」で、「Windowsはライセンス認証されています」と表示されていればOKです。
念のため、コマンドで確認することも可能です(slmgr /dliなど)。
ミニPCの用途別おすすめライセンス選び
最後に、どんな使い方をするかでライセンス選びの方針をまとめます。
- 価格重視/すぐ使いたい
→ プリインストール(OEM版)で十分。コスパ良好。 - 将来的にパーツ交換や再利用を考えている
→ リテール版を購入して自分でインストールするのがおすすめ。 - Linuxなど他OSを試したい
→ OSなしモデルを選んで、自分で構築するのが自由度高め。
用途に応じて、コストと柔軟性のバランスを見極めるのがポイントです。
まとめ:ミニPCのOSライセンスは必要?正規版とプリインストール版を理解して選ぼう
ミニPCを買うとき、「OS付き」「OSなし」の違いは価格だけでなく、ライセンスの仕組みに直結しています。
Windows 10を正しく使うには、ライセンスが必ず必要。そして、その種類によって使い方の自由度やサポート範囲が変わります。
- 手軽に使いたいならプリインストール(OEM版)
- 長く安心して使いたいならWindows 11 HomeやWindows 11 Proの正規(リテール版)
どちらが良いかは使う人次第です。
ただし、正規ライセンスを選ぶことが結果的に最も安全で確実。ミニPCを賢く使いこなすために、ライセンスの違いを理解しておきましょう。
