最近人気の「ミニPC」。小さくて静か、省電力でコスパも高いと話題ですが、買ったばかりの状態では不要なソフトが入っていたり、動作が重かったりすることもあります。
そんなときにおすすめなのが「OSのクリーンインストール」。まっさらな状態から環境を整えることで、安定して快適に使えるようになります。
この記事では、ミニPCにOSをクリーンインストールする方法と注意点を、初心者でも失敗しないように丁寧に解説します。
なぜミニPCでOSをクリーンインストールするのか?
ミニPCを購入すると、最初からWindowsが入っているモデルが多いですよね。
でも、そのOSはメーカーや販売店が独自にカスタマイズしていることがあります。不要なソフトが常駐していたり、ライセンスの状態が不透明だったりするケースも。
クリーンインストールを行う主な理由は次のとおりです。
- システムを軽くして動作を快適にしたい
- 不要なアプリや広告を削除したい
- 正規ライセンスのWindowsを使いたい
- OSの不具合をリセットしたい
特に海外製のミニPCでは「最初からライセンスが怪しい」「起動が遅い」「Wi-Fiが不安定」といった口コミもよく見かけます。
こうしたトラブルを避けたい人には、最初にクリーンインストールしておくのが一番安心です。
クリーンインストールの前にやるべき準備
いきなりOSを消してしまうと、ネットワークがつながらなくなったり、ドライバーが消えて音が出なくなったりすることもあります。
まずは、次の準備をしっかりしておきましょう。
1. バックアップを取る
クリーンインストールをすると、ストレージ内のデータはすべて消えます。
写真や書類、アプリの設定など、残したいデータは外付けSSDやクラウドにバックアップしておきましょう。
2. ライセンスの確認
プリインストールのWindowsが正規ライセンスかを確認します。
正規のデジタルライセンスがMicrosoftアカウントに紐づいていれば、再インストール後も自動的に認証されます。
もし不明な場合は、購入元の証明書やシールをチェックしておくと安心です。
3. OSのインストールメディアを用意
Windowsの公式サイトからインストール用の「メディア作成ツール」をダウンロードし、8GB以上のUSBメモリに作成します。
ミニPCによってはUSBポートが少ない場合もあるため、マウスやキーボードを同時に使えるようハブを用意しておくとスムーズです。
4. ドライバーをダウンロード
Wi-FiやLAN、グラフィックなどのドライバーは、メーカーの公式サイトから事前に入手してUSBに保存しておきましょう。
インストール直後はネットにつながらないことがあるため、ここを忘れると苦労します。
5. BIOS(UEFI)の確認
起動時にF2やDelキーを押してBIOS画面を開き、USBからブートできるよう設定しておきます。
Windows 11を入れるなら「Secure Boot」や「TPM 2.0」が有効になっているかもチェックしておきましょう。
実際のクリーンインストール手順
準備ができたら、いよいよクリーンインストールの作業です。
手順を追えば、初心者でも難しくありません。
- USBメディアをミニPCに挿入し、電源を入れる。
起動時に「F12」や「Esc」でブートメニューを開き、USBメディアを選択。 - Windowsセットアップが起動したら、言語とキーボードを選ぶ。
- 「インストール」をクリックし、プロダクトキー入力画面が出たら「今は持っていません」を選択。
あとで自動認証される場合が多いので心配はいりません。 - 「カスタム(新規インストール)」を選び、既存のパーティションをすべて削除。
「未割り当て領域」を選んで「次へ」を押すと、クリーンな状態からインストールが始まります。 - インストールが完了するまで待つ。
自動で数回再起動します。途中でUSBを抜かないよう注意。 - 初期設定を行う。
地域、キーボード、Wi-Fi、アカウントなどを順に設定。ネットワークが使えない場合は、後でオフライン設定でも進められます。 - デスクトップが表示されたら、ドライバーをインストール。
保存しておいたLANやWi-Fiドライバーを入れ、ネットに接続したらWindows Updateで最新の状態にします。
これで基本のクリーンインストールは完了です。
動作確認や認証、アップデートを済ませたら、好みのアプリを入れて環境を整えていきましょう。
ミニPC特有の注意点
ミニPCは一般的なデスクトップやノートと違い、構成や仕様がメーカーごとにバラバラです。
ここでは、よくある注意点をまとめておきます。
- Wi-FiやBluetoothが使えないことがある
→ インストール直後はドライバーが当たっていないことが多いです。USB経由で入れましょう。 - ライセンスが通らない場合がある
→ 海外製モデルではボリュームライセンスやOEM版が使われているケースがあります。正規版Windowsを別途用意すれば確実です。 - USB起動がうまくいかない
→ BIOS設定で「Boot Mode」をUEFIに、「USB Boot」を有効にしておく必要があります。 - 静音・省電力設定を忘れがち
→ インストール後は電源設定を見直し、スリープや冷却設定を自分好みに調整しておくと静かで快適です。 - メーカー独自ドライバーが必要なことも
→ 特定のチップセットやGPUを使っている機種は、公式ドライバーでないと動かない場合があります。
こうしたポイントを抑えておけば、トラブルを未然に防げます。
インストール後にやっておきたい設定
クリーンインストールが終わった直後は、まだ“素の状態”です。
ここからが本番。以下の初期設定をしておくと、長く安定して使えます。
- Windows Updateを完了させる
→ セキュリティ更新や最新ドライバーを自動で取得できます。 - デバイスドライバーを入れ直す
→ 音が出ない、画面がカクつくなどの不具合があれば、チップセットやGPUのドライバーを再インストール。 - 不要な常駐アプリを無効化する
→ タスクマネージャーでスタートアップを整理し、起動時間を短縮。 - バックアップ環境を整える
→ 外付けSSDやクラウド同期を設定しておくと、万一のときも安心です。 - 省電力・冷却設定を見直す
→ 放熱が苦手なミニPCでは、風通しのよい場所に設置するのもポイント。
これらを済ませれば、クリーンインストール後の環境はほぼ完成。
あとは自分に必要なアプリを入れて、快適な作業環境を作りましょう。
よくあるトラブルと対処法
ネットに繋がらない
→ 有線LANがあるならまずそちらを使い、ドライバーを入れ直す。Wi-Fiドライバーは公式サイトから入手。
音が出ない/映像が乱れる
→ グラフィック・オーディオドライバーを再インストール。Windows Updateだけでは不十分な場合もあります。
ライセンス認証が通らない
→ 旧ライセンスのエディションと異なるOSを入れていないか確認。Microsoftアカウントに紐づけておくと自動認証されます。
USBが反応しない
→ BIOS設定の「Legacy USB Support」を有効化して再起動。
起動が遅い
→ 不要なソフトやアップデートを削除。SSDの最適化(Trim機能)を有効にする。
初心者がつまずきやすいのは、ドライバーとライセンスの2点。
この部分だけ慎重に対応すれば、ほとんどのトラブルは回避できます。
ミニPCにOSをクリーンインストールして快適環境を手に入れよう
ミニPCは小型でも十分な性能を持ち、デスク上をスッキリさせたい人にぴったりのデバイスです。
ただし、購入直後の状態では最適化されていないことが多いため、クリーンインストールを行うことで真価を発揮します。
少し手間はかかりますが、一度やってしまえばその後は驚くほど安定して動きます。
特に中古や海外製のモデルを使う人は、最初の環境構築が安心への第一歩です。
準備を怠らず、焦らず順に進めれば誰でも実行できます。
自分のミニPCを、自分好みの“まっさらな一台”に仕上げてみてください。
