皆さんは、今どれくらい大きなスマートフォンをお使いですか?
画面が大きくなって見やすい一方で、「片手で操作しづらいな」と感じることはありませんか?
そんな時にふと思い出すのが、かつて一世を風靡した、あの手にすっぽりと収まるコンパクトさ。そうです、iphone 5sのサイズです。
この記事では、当時「ゴールドスタンダード」と呼ばれたその小さなボディに焦点を当て、具体的な寸法から現代の最新iphoneとの比較、そしてそのサイズが今なお愛され続ける理由まで、余すところなくご紹介していきます。
数字で振り返る、iPhone 5sの基本サイズ
まずは、基本の「キホン」から確認しましょう。
iphone 5sのサイズは、縦123.8mm、横58.6mm、厚さ7.6mmでした。
重さは約112g(モデルにより若干変動)です。
この数字を具体的にイメージしてみると:
- 縦123.8mm:成人男性の手のひらの長さ(中指の先から手首の付け根まで)とほぼ同じか、それより少し短い程度です。
- 横58.6mm:ほぼ正方形のハンカチを縦長に二つ折りにしたくらいの幅。親指と人差し指で軽く挟める太さです。
- 厚さ7.6mm:これは驚異的でした。当時、多くのスマートフォンが9mmを超えていた中で、7.6mmという薄さは「カッターの刃のように鋭い」と評されたほど。鉛筆(六角形の対辺の幅)とほぼ同じか、それより少し薄いイメージです。
- 重さ112g:これはスマートフォン本体のみの重さ。例えば、板チョコ(1枚約50g)が2枚とちょっと、あるいは鶏卵(Mサイズ1個約60g)が2個分よりも軽い計算になります。ケースをつけても、今のスマートフォンの素の重さに届かないくらいでした。
今どきのスマホと比べてみたら? 圧倒的なコンパクト感
この数字だけでは、そのコンパクトさがどれほど「特別」だったのか、今ひとつピンとこないかもしれません。
そこで、最新機種と並べてみることで、その「小ささ」を実感してみましょう。
2024年現在、多くの人に使われている最新機種であるiPhone 15 と比べてみます(ここでは標準モデルで比較)。
- iPhone 15のサイズ:縦147.6mm × 横71.6mm × 厚さ7.8mm、重さ171g
- iphone 5sとの差:縦で約2.4cm、横幅で約1.3cmもiPhone 15が大きいのです。面積で単純計算すると、iPhone 15の画面はiphone 5sよりも約40%以上も広くなっています。
この差を体感する一番の方法は、片手での握りやすさとポケットへの収まりを想像することです。
iphone 5sなら、ほとんどの成人の手で、親指が画面のほぼ全域(左上隅を除く)に届く「片手操作」が可能でした。今のiPhoneでは、手の大きな人でも画面の上半分は指が届かず、逆手に持ち替えたり、もう一方の手を使ったりする必要があります。
また、iphone 5sは、ジーンズの前ポケットにすっきり収まり、歩いてもガチャガチャと揺れたり、曲げたりしゃがんだりする時に邪魔になりませんでした。現代の大型スマートフォンでは、ポケットからはみ出してしまったり、座った時に太ももに存在感を主張したりすることも少なくありません。
iPhone 5sのサイズが支持された3つの理由
なぜこれほどまでに、このサイズが人々の心を捉えたのでしょうか。
その背景には、当時の技術的、社会的な背景が深く関係しています。
1. 片手操作の完成形としてのデザイン
iphone 5s以前のモデルから、アップルは「片手で全てを操作できるデバイス」という哲学を追求していました。
スティーブ・ジョブズは初代iphoneの発表会で、「これ以上大きくなれば、片手で持てなくなる」と語ったほどです。
iphone 5sの123.8mm×58.6mmというサイズは、この「片手操作の黄金比率」の最終到達点とも言えるプロポーションでした。ボタンの配置、画面の4インチというサイズ感、全てが「持ちやすさ」と「届きやすさ」のために計算され尽くしていたのです。
2. ポケットに収まる、日常生活への溶け込み
当時、スマートフォンは「外出先で気軽に使うもの」という位置付けが強くありました。
鞄からいちいち出すのではなく、ポケットからさっと取り出してメールを確認したり、地図を見たり。
iphone 5sのコンパクトなサイズと軽量ボディは、まさにこのライフスタイルに最適でした。
スマートフォンが身体の延長線上にあるような、自然な感覚を多くのユーザーに与えたのです。
3. 高級感と堅牢性の両立
7.6mmという薄さと、112gという軽さは、決して「安っぽさ」や「脆さ」を意味するものではありませんでした。
背面に採用されたバフ処理されたアルミニウム(スパースグレーやシルバー)や、世界で初めて導入され、今や定番となった「チャンピオンゴールド」のアンディングは、高級時計や宝飾品のような質感を感じさせました。
また、ガラスとアルミのサンドイッチ構造や、カメラレンズを傷から守るサファイアクリスタルカバーなど、小さなボディでありながら、頑丈さへのこだわりも随所に感じられました。「小さくても、タフで上質」というイメージが、多くのビジネスパーソンやファッションに敏感な層の支持を集めた理由のひとつです。
現代の視点で再評価。小ささのメリット・デメリット
では、このiphone 5sのサイズを、2024年現在の目線で冷静に見つめ直すと、どのような長所と短所があったのでしょうか。
今でも通用する、小ささのメリット
- 圧倒的な携帯性と取り回しの良さ:通勤・通学時の混雑した車内、ちょっとした買い物の最中など、片手が塞がっている状況でも、もう一方の手で楽々操作できます。鞄の奥底まで探る必要もなく、すぐに取り出せます。
- 操作中の安心感:大きな画面のスマートフォンは、操作中に手から滑り落ちそうでヒヤヒヤすることがありますが、iphone 5sのサイズなら手のひらにしっかりと収まり、安定感があります。
- 軽量なことによる疲れにくさ:長時間の動画視聴やSNSの閲覧、ゲームなどでも、手首や指への負担が現代の大型機種と比べて格段に少なかったと言えます。
現在の基準から見た、サイズによる限界
もちろん、全てがメリットというわけではありません。
特に、現代の私たちのスマートフォンの使い方を考えると、その小ささゆえの「限界」も見えてきます。
- 画面の小ささ:4インチの画面は、Webサイトの閲覧、特に文字の多いニュースサイトやブログを読むには、どうしてもスクロールや拡大縮小が頻繁に必要でした。動画視聴やゲームの没入感も、今の基準では物足りなく感じるでしょう。
- バッテリー容量の物理的限界:小さなボディには、大きなバッテリーを搭載することは物理的に不可能です。当時は1日持てば優秀と言われましたが、現代のように動画通話や高精細ゲーム、常時オンラインのSNSを前提とすると、バッテリー持続時間は大きな課題となります。
- 小さな画面に収めるUIの制約:アイコンや文字、ボタンは必然的に小さくなり、タップミスが起きやすかった面もあります。特に、指の太い方や、スマートフォン操作に不慣れな方には、使いづらさを感じる部分もあったでしょう。
結局、iPhone 5sサイズは今でも理想的? その答え
ここまで、iphone 5sのサイズを詳細に分析し、現代のスマートフォンと比較してきました。
では、最後に一番大切な質問です。
この「123.8×58.6×7.6mm、112g」というサイズは、2024年を生きる私たちにとって、今でも「理想的なスマートフォンのサイズ」なのでしょうか?
その答えは、「状況と優先順位による」 というのが率直なところです。
もしあなたが、「スマートフォンはあくまで連絡と情報確認のツール。とにかく携帯性と取り回しの良さを最優先したい」 と考えるのであれば、iphone 5sのサイズ感は、今でも非常に魅力的な選択肢の基準となるでしょう。
逆に、「動画やゲーム、読書をたっぷり楽しみたい」「仕事で資料の確認や軽い編集もしたい」 というのであれば、画面サイズとバッテリー容量を優先した、現代の大型スマートフォンが適していると言えます。
市場を見ても、アップルはiPhone 13 miniやiPhone 12 miniなど、4インチよりは大きいものの、かつてのコンパクト哲学を継承するモデルを時折投入しています。これは、今でも一定数のユーザーが「手に馴染む、扱いやすいサイズ」を求め続けている証左と言えるでしょう。
つまり、iphone 5sのサイズが教えてくれるのは、「スマートフォンに何を求めるのか」という、私たち自身の使い方や価値観についての問いかけなのかもしれません。
まとめ:iPhone 5sのサイズが残した、普遍的な価値
いかがでしたか? 123.8mm × 58.6mm × 7.6mm。この一見ただの数字の羅列が、いかに多くの計算と哲学に裏打ちされ、一時代を築いた「理想の形」であったか、感じていただけたなら幸いです。
iphone 5sのサイズは、単に「小さい」というだけでなく、人間の手のひらにどう馴染み、日常生活にどう溶け込むかという、デザインの本質を極限まで追求した結果でした。
画面はどんどん大きくなり、性能は飛躍的に向上した現代のスマートフォン。その利便性を享受しながらも、時折、ポケットの中でがっしりと存在を主張するその重さや大きさに、少し疲れを感じた時——ふと、あの軽やかでどこか懐かしい、手にすっぽりと収まる黄金のサイズを思い出すのです。
iphone 5sのサイズが私たちに問いかけるのは、テクノロジーの進化が「大きくなること」と同義ではないということ。時に、「ちょうどいい」というバランスこそが、最も豊かな使い心地を生み出すという、普遍的な真実なのかもしれません。
