近ごろ話題の「GMKTEC M3 Plus」。
ミニPCの中でも高性能CPUを搭載し、デスク周りをすっきりさせながらも快適な処理能力を求める人に注目されているモデルです。
この記事では、M3 Plusのスペックや実際の使い勝手、旧モデルとの違い、価格やおすすめの用途までを詳しく紹介します。
M3 Plusとは?高性能を小さなボディに凝縮したミニPC
GMKTECは、中国発のPCメーカーで「NucBox」シリーズを中心にミニPCを展開しています。
中でもM3 Plusは「Intel Core i9-12900HK」を搭載した上位モデルで、同社ラインナップの中でも最も高性能な部類に入ります。
このCPUは14コア20スレッドという構成で、最大5.0GHzまで動作可能。ノートPC向けとはいえ、一般的なデスクトップCPUにも引けを取らない処理能力を誇ります。
実際、Geekbenchなどのベンチマークではマルチコア性能が約1万近くに達する数値が報告されており、同価格帯のミニPCとしてはトップクラスの性能です。
また、メモリは32GB(最大64GBまで増設可)、ストレージは1TB NVMe SSDを標準搭載。
容量に余裕があるため、写真・動画データや大型アプリケーションを扱う作業でも快適です。
デザインとサイズ感:コンパクトでも存在感あり
外観は手のひらサイズで、旧モデルM3(115mm×106mm×44mm)とほぼ同等。
アルミ調の筐体は高級感があり、放熱性も考慮されています。
ただし、高性能ゆえに発熱量は多く、冷却ファンがしっかり働く設計です。
実際のユーザーレビューでは「動作中はファンの音が少し気になる」という声も見られます。
静音性を最優先にしたい人よりも、性能重視のユーザーに向いているでしょう。
デスク横やモニター背面へのVESAマウント設置にも対応しており、省スペース性は抜群です。
ポート・接続性:拡張性の高さが魅力
M3 Plusは、ミニPCとは思えないほど豊富なポート類を備えています。
- HDMI×2
- USB-C(DisplayPort対応)
- USB-A×4
- 2.5G有線LANポート
- WiFi 6 / Bluetooth 5.2対応
この構成により、最大3画面の4Kディスプレイ出力が可能。
作業効率を重視するクリエイターやビジネスユーザーにも適しています。
Bluetooth機器との接続も安定しており、マウス・キーボード・ヘッドセットのワイヤレス環境も快適です。
性能評価:i9×32GBの実力は本物か
実際の動作性能を見ていきましょう。
M3 Plusは、従来のM3(Intel Core i5-12450H)よりも約30〜40%ほど高速化されています。
特にマルチタスクや重めの処理でその差が顕著で、複数アプリを立ち上げても動作がもたつくことはほとんどありません。
動画編集や写真現像などもスムーズで、Adobe系ソフトを使うクリエイティブワークも十分こなせるレベル。
ただし、GPUはIntel Iris Xe Graphics内蔵のため、ゲームや3Dレンダリングのようなグラフィック負荷の高い作業は得意ではありません。
軽いオンラインゲーム程度なら問題ありませんが、ゲーミングPCを求める人には不向きです。
熱と騒音:高性能ゆえの課題
コンパクトなボディにハイエンドCPUを搭載しているため、M3 Plusでは発熱対策が課題として挙げられます。
高負荷時にはファンが高回転し、排気音が聞こえることもあります。
ただ、日常的なWebブラウジングや文書作成、動画視聴などではそこまで気にならないという意見も多く見られます。
一部ユーザーは通気性を高めるために「上部に通気穴を開けた」「冷却パッドを併用した」といった工夫をしています。
冷却環境を整えることで、より安定したパフォーマンスを維持できるでしょう。
価格とコストパフォーマンス
M3 Plusの価格は、構成や販売店によって差がありますが、おおよそ以下のような水準です。
- 海外直販:$699前後(約10万円)
- 一部ECサイト・セール時:$439〜$499
- 国内販売店:3万円台後半〜6万円台前半(32GB/1TB構成)
このスペックでこの価格帯は、ミニPC市場の中でも非常に競争力があります。
同等のCPUを搭載したノートPCやデスクトップPCと比較すると、価格は半分以下というケースも。
コストパフォーマンスを重視する人にとって、M3 Plusは有力な選択肢となるでしょう。
旧モデルM3との違い
M3 Plusと旧モデルM3の最大の違いはCPUとメモリ構成です。
- M3:Intel Core i5-12450H(8コア12スレッド)
- M3 Plus:Intel Core i9-12900HK(14コア20スレッド)
CPU性能の差は明確で、M3 Plusのほうが処理能力で大きく上回ります。
一方で、価格はM3の方が安価で、軽作業中心なら旧モデルでも十分です。
M3 Plusは、動画編集やマルチディスプレイ運用など、より負荷の高い用途を想定して選ぶと後悔しないモデル。
逆に「とにかく静音で手軽に使いたい」「そこまで性能を必要としない」という人には、M3の方が適しています。
どんな人におすすめか?
M3 Plusは次のようなユーザーにおすすめです。
- 複数アプリを同時に動かすマルチタスク派
- 写真や動画編集をある程度行いたいクリエイター
- デスクをすっきりさせたいミニマリスト志向の人
- 複数モニタを使う在宅ワーカーや投資家
- 省スペースでも高性能を求めるユーザー
逆に、静音性やGPU性能を最優先にするなら、別のシリーズや他メーカーの静音型モデルを検討するのも良いでしょう。
実際の使い心地と注意点
レビューを見ると、「起動が速い」「アプリの立ち上がりがスムーズ」といった高評価が多い一方で、
「負荷をかけるとファン音が気になる」「長時間作業では筐体が熱くなる」といった声も少なくありません。
また、輸入モデルを購入する場合は、電源アダプタの仕様や保証内容、OSライセンス(Windows 11 Pro搭載かベアボーンか)も必ず確認しましょう。
特にベアボーンモデルは、RAMやSSDを自分で用意して組み立てる必要があります。
総評:コンパクト×高性能の最強バランスを求めるなら「M3 Plus」
総じて、GMKTEC M3 Plusは「小型で高性能なPCを求める人」にとって非常に魅力的な選択肢です。
i9 CPUによる圧倒的な処理能力、豊富なポート、最大3画面出力、そして拡張性。
これらをコンパクトな筐体に詰め込んでおり、ミニPCの枠を超えた性能を発揮します。
一方で、熱と騒音の課題や、GPU性能の限界といった“物理的な制約”も存在します。
そのため、導入時には自分の用途を明確にした上で選ぶことが重要です。
「デスクの上をすっきりさせつつ、性能に妥協したくない」
そんな欲張りなユーザーにこそ、M3 PlusはぴったりのミニPCといえるでしょう。
GMKTEC M3 PlusミニPCを徹底比較!最新モデルの性能・価格・使い勝手を解説【まとめ】
M3 Plusは、Intel Core i9-12900HK搭載の高性能ミニPCとして、デスクトップ顔負けの処理能力を持ちつつ、サイズも価格もコンパクトに抑えた魅力的な1台です。
性能重視のミニPCを探しているなら、ぜひチェックしてみてください。
