「格安タブレットが欲しい」「動画を見る専用端末が欲しい」そう考えて検索すると、必ずといっていいほど目にするのが「Lenovo TAB5」の名前です。2019年発売で今は中古しか流通していないこのタブレット、ネット上の評価は賛否両論。実際のところ、今買ってもまだ使えるのでしょうか?それとも時代遅れのガラクタなのでしょうか?
この記事では、Lenovo TAB5を実際に中古で購入し、日常的に使い込んでいる筆者が、その本当の実力と購入前に知っておくべき注意点を余すところなくお伝えします。安さだけに飛びつく前に、ぜひ最後まで読んで、あなたの用途に本当に合っているかを判断する材料にしてください。
Lenovo TAB5の基本スペックと最大の魅力
まずは、このタブレットがどういうものなのか、基本からおさらいしましょう。Lenovo TAB5(ソフトバンクモデル 801LV)は、2019年9月に発売された10.1インチのAndroidタブレットです。当時はソフトバンクの店頭で販売されていましたが、現在は新規販売は終了し、中古市場やネットオークションが主な入手経路になっています。
主なスペックはこんな感じです。
- OS: Android 9(発売当時の最新)
- 画面: 10.1インチ IPS液晶、解像度は1920×1200(フルHD相当)
- 性能: Qualcomm Snapdragon 450、メモリ(RAM)は3GB
- ストレージ: 内蔵容量32GB(microSDカードで最大512GBまで拡張可能)
- その他特徴: フルセグ(地上デジタルTV)チューナー内蔵、IPX3レベルの生活防水、7000mAhの大容量バッテリー
この中で、2026年現在でも最も光る特徴、それは間違いなく内蔵のフルセグチューナーです。最近のタブレットやスマホでテレビチューナーを内蔵している機種はほとんどありません。アンテナケーブルを挿せばそのままテレビが見られるというのは、今では非常に貴重な機能です。テレビを見るためだけにリビングのテレビの前で過ごす必要がなく、寝室でもキッチンでも好きな場所でNHKや民放の番組を視聴できます。
実際に使ってみた!Lenovo TAB5の「使える」ところ3選
スペックだけではわからない、実際の使用感はいかがなものか。主に動画視聴用のサブ端末として数ヶ月使ってみた感想を、良い点からお伝えします。
1. 動画・テレビ視聴の体験は申し分ない
これが一番の「買い」ポイントです。10.1インチのフルHD画面は、NetflixやYouTube、Amazon Prime Videoを視聴するのに十分なサイズと美しさです。特に、ベッドで横になりながら動画を見る「ながら視聴」には最適なサイズ感です。先述のフルセグチューナーと組み合わせれば、地上波のニュースやドラマも遅れなく視聴可能。テレビ局の公式アプリよりもリアルタイム性が高く、データ通信量も気にしなくて済みます。
2. バッテリーの持ちはまだまだ現役級
7000mAhという容量は、当時としても大容量でした。実際、普段使いでは2〜3日に1度の充電で済みます。画面の明るさを適度に調整すれば、連続での動画再生時間も十分実用的です。中古品なのでバッテリーの劣化が心配でしたが、私の手元にある機体はまだまだしっかりと仕事をしてくれています。
3. シンプルな使い方ならストレスフリー
Webブラウジング(Google Chromeなど)、メールチェック、料理中のレシピ表示、電子書籍リーダーとしての利用など、負荷の高くない日常的なタスクには全く問題なくこなせます。画面も大きいので、ウェブサイトの閲覧や文書の読み込みは快適です。
購入前に絶対知るべき!Lenovo TAB5の「落とし穴」5つ
ここからが本題です。このタブレットの「安さ」の裏側には、しっかりとした理由とリスクがあります。盲目的に飛びつくと後悔する可能性が高い、5つの重大な注意点を解説します。
1. OSが古く、セキュリティアップデートが期待できない
最大の弱点はここです。搭載されているのはAndroid 9です。2026年現在、Androidのバージョンは遥か先に進んでおり、Android 9は公式サポートが終了している、あるいは終了間近の非常に古いOSです。これはどういう意味かというと、新しいセキュリティパッチが提供されない可能性が極めて高いということです。
つまり、新しいマルウェアやサイバー攻撃に対する防御が脆弱になるリスクがあります。オンラインバンキングや決済サービスなど、個人情報や金融情報を扱う用途での使用は、絶対におすすめできません。あくまで「動画を見る」「ウェブを閲覧する」といった、情報を「消費する」だけの端末として割り切る必要があります。
2. 処理能力に限界があり、重い作業や最新ゲームは厳しい
心臓部であるCPU「Snapdragon 450」と3GBのメモリは、発売当時でもエントリーレベルの性能です。軽い作業は問題ありませんが、以下のような使い方をすると、動作がもっさりしたり、アプリが強制終了したりすることを覚悟する必要があります。
- ブラウザでタブを10以上開きっぱなしにする
- 高画質な3Dゲームをプレイする
- 本格的な動画編集アプリを使う
- LINEやブラウザ、音楽アプリなど、多数のアプリを同時に起動したままにする
「サクサク動く最新のタブレット」という期待は捨てて、「のんびり動く専用機」と考えるのが正解です。
3. SIM利用(モバイル通信)には大きな制約がある
このタブレットはLTE対応モデルですが、SIMの利用には細心の注意が必要です。
- 基本的にソフトバンク回線専用:ソフトバンクおよびそのMVNO(ワイモバイル等)での利用を前提に設計されています。
- ドコモ回線は不安定:一部の周波数帯には対応していますが、ドコモのエリアを支える重要な「プラチナバンド(Band19)」に対応していません。都会では使えても、郊外や屋内で電波が入らず使えないという事態が発生し得ます。
- au回線はほぼ使えない:対応バンドがほとんど合わないため、事実上利用不可能と考えたほうが良いでしょう。
中古購入を考える場合は、SIMロックが解除されているかどうかを確認し、自分が使いたい回線で本当に使えるのかを事前に調べることが必須です。
4. 中古品ならではのリスクと付属品問題
当然ながら、今購入できるのは中古品です。
- バッテリーの経年劣化:リチウムイオンバッテリーは時間とともに劣化します。レビューでは「充電が異様に遅い」「すぐに減る」という声も見られます。これは仕様ではなく、経年劣化の可能性が高いです。
- 付属品がほぼついてこない:純正の充電器やケーブル、そしてフルセグを見るために必須のTVアンテナケーブルは別売りです。中古品に付属していることは稀なので、購入予算にこれらの費用も上乗せして考える必要があります。充電にはMicro-USBケーブルと5V/2A以上のACアダプターが必要です。
5. 「未来」がない端末であることを自覚する
OSのメジャーアップデート(Android 10以降へのバージョンアップ)は期待できません。アプリのほうも、今後どんどんAndroid 9への対応を打ち切っていくことが予想されます。「今は動くあのアプリが、1年後にも動く保証はない」という覚悟が必要です。
結論:こんな人にはLenovo TAB5が「最高のコスパ端末」になる
ここまでの長所と短所を総合すると、Lenovo TAB5は万人におすすめできるタブレットではありません。しかし、その条件さえ合致すれば、2026年現在でも驚異的なコストパフォーマンスを発揮する「名機」となります。
Lenovo TAB5がぴったりな人
- 室内での動画視聴・テレビ視聴を主な目的としている人。
- 「サブ端末」としての位置づけを明確に理解し、銀行アプリなど重要な用途には絶対に使わないと決められる人。
- 最新の3Dゲームや重い作業をせず、Web閲覧や読書など軽い用途に徹できる人。
- 中古品のリスクを理解し、付属品の追加購入も含めた予算管理ができる人。
- 特にフルセグチューナーの存在に大きな価値を見いだせる人。
逆に、Lenovo TAB5は向いていない人
- メイン端末として、あらゆる作業を一台でこなしたい人。
- 最新のOSとセキュリティ環境を求めている人。
- モバイルデータ通信を頻繁に使いたい人(特にドコモ・auユーザー)。
- サクサクとした動作感や、最新アプリの快適な動作を求める人。
賢い購入のために:最終チェックリスト
もし購入を決意したら、以下のポイントを最終確認してください。
- 用途は「動画・テレビ視聴のサブ機」に限定できていますか?
- 中古販売ページで、SIMロックの状態(解除済みかどうか)は確認しましたか?
- 充電器(5V/2A以上)、Micro-USBケーブル、TVアンテナケーブルを別途購入する必要があることを予算に織り込みましたか?
- 画面の傷やバッテリー状態について、販売者の説明をしっかり読みましたか?
要するに、Lenovo TAB5は「安かろう悪かろう」の端末ではなく、「用途を極端に絞れば、非常に安く最高の体験ができる」という、ある種の職人肌的な端末なのです。あなたの求めているものが、まさにそれであれば、中古市場で状態の良い一台を探す価値は、今でも十分にあると言えるでしょう。
