外出先でもお気に入りの映画やアニメをタブレットで観たい。でも「DVDをそのまま入れて再生」なんて、もちろんできませんよね。
実は、少しの工夫でDVDをタブレットに取り込んで、オフラインでもサクサク観られるようにできるんです。今回はその仕組みと安全な方法を、初心者でもわかるように丁寧に解説します。
なぜタブレットでDVDが再生できないのか？
タブレットには、DVDドライブが内蔵されていません。DVDは光学ディスクという物理メディアなので、そもそも読み取る機器が必要です。
さらに、DVDは「映像データを特定の方式（VOB形式など）」で保存しており、そのままではタブレットの再生アプリが認識できません。
もう一つの壁が、コピーガードです。市販の映画DVDには不正コピーを防ぐための保護がかかっています。
ただし、自分で購入したDVDを自分の端末で楽しむために変換するのは「私的利用」の範囲内とされています。
著作権を侵害しないよう、個人的に楽しむ範囲で行いましょう。
タブレットでDVDを観るには「リッピング」が必要
DVDをタブレットで再生するには、まずパソコンでDVDの中身をデータ化し、タブレットで再生できる動画形式に変換します。
この作業を「リッピング」と呼びます。
リッピングの流れはシンプルです。
- パソコンにDVDを入れる
- 専用ソフトでDVDの映像データを読み込む
- 出力形式をMP4などに指定して変換する
- 完成した動画ファイルをタブレットに転送する
この一連の流れで、DVDに収録された映像を「デジタル動画ファイル」として保存できます。
つまり、タブレットはもはやDVDドライブなしでも映画を再生できるようになるのです。
DVDリッピングに使えるおすすめソフト
リッピングソフトには無料のものと有料のものがあります。
それぞれ特徴が異なるので、自分の目的やスキルに合わせて選びましょう。
HandBrake（無料）
オープンソースの人気ソフト。
シンプルで軽く、基本的なDVD→MP4変換ができます。
ただし、コピーガード付きの市販DVDはそのままでは読み込めないため、「libdvdcss」という追加ファイルを導入する必要があります。
VLC Media Player（無料）
再生ソフトとして有名ですが、実は変換機能も搭載。
シンプルな操作でDVDをMP4に変換可能。軽い編集もできるので、短時間で済ませたい人にぴったりです。
WinX DVD Ripper（有料）
初心者向けの人気ソフト。
最新のコピーガードにも対応しており、ワンクリックでMP4に変換できます。
iPadやAndroid用のプリセットもあるため、変換後すぐに転送できます。
DVDFab DVD Ripper（有料）
高品質で高速な変換が得意。
長時間映画でも画質を保ちながら効率よくエンコードしてくれます。
多言語字幕や音声切り替えにも対応しており、上級者にも人気です。
出力形式は「MP4」一択でOK
タブレットで再生するなら、動画形式は基本的に「MP4（H.264/AAC）」を選びましょう。
この形式は画質・ファイルサイズ・再生互換性のバランスが非常に良く、
iPad、Android、Fireタブレットなど、ほぼすべての端末でスムーズに再生できます。
他にもAVIやMKVといった形式がありますが、再生できるアプリが限られるため、MP4が最も安定です。
特に旅行や通勤中など、オフライン視聴を前提とする場合にはMP4がベストです。
リッピング手順を詳しく解説
ここでは、一般的な手順を例に紹介します。
- DVDをパソコンにセット
外付けドライブを接続し、DVDを読み込みます。 - リッピングソフトを起動
ソフトが自動的にディスク内のタイトルを検出します。 - 変換形式を選ぶ
出力を「MP4」に指定し、解像度（720pなど）や字幕の有無を設定。 - 保存先を選択
デスクトップや動画フォルダなど、わかりやすい場所を指定。 - 変換開始
スタートボタンを押すと、エンコードが始まります。
処理時間はDVDの長さやパソコンの性能により異なります。 - 変換後のファイルを確認
再生できるかチェックし、問題がなければ次のステップへ。
これでパソコン上に「タブレットで観られる動画ファイル」が完成です。
タブレットへ動画を転送する3つの方法
変換が終わったら、次はファイルをタブレットへ移します。
- USBケーブルで接続する方法
パソコンとタブレットをUSBでつなぎ、動画ファイルをドラッグ＆ドロップ。
Androidなら「ファイル転送」モードに切り替え、iPadならFinderやiTunesを利用します。 - クラウド経由でアップロード
Google Drive、Dropbox、iCloudなどを使えば、Wi-Fi環境下で簡単に共有可能。
アップロード後、タブレットでダウンロードして保存します。 - Wi-Fi転送アプリを利用
「Send Anywhere」「Xender」などのアプリを使うと、ケーブルなしでも高速転送できます。
同じネットワーク内にあるだけで、数GBの動画も数分で送信可能です。
再生におすすめのアプリ
動画ファイルを再生するには、タブレットに対応した再生アプリを使いましょう。
- VLC for Mobile：無料で多機能。ほぼすべての動画形式を再生可能。
- MX Player：Androidで人気。字幕機能が豊富で、速度調整も簡単。
- nPlayer / Infuse（iOS）：高画質再生に強く、AirPlayやNAS再生もサポート。
どれも無料版があるので、まずは試してみるのがおすすめです。
パソコンを使わずにDVDを観る裏技
最近では、Wi-Fi接続対応の「ポータブルDVDドライブ」も登場しています。
これを使えば、パソコンを介さずにタブレットと直接つなげることが可能です。
例えば、
- Wi-Fi対応DVDドライブを起動
- 専用アプリをタブレットにインストール
- ドライブの映像をストリーミング再生
という流れで、DVDを直接視聴できます。
ただし、これは“取り込み”ではなく“リアルタイム再生”なので、ネット環境やバッテリー消費に注意が必要です。
コピーガードと法律の注意点
DVDを取り込む際には、著作権法を守ることが前提です。
自分で購入したDVDを私的に楽しむ範囲なら問題ありませんが、コピーガードを解除して配布・公開するのは違法です。
リッピングソフトの利用も、販売元の利用規約を確認してから使いましょう。
つまり、「自分の観賞用として保存しておく」範囲に留めることが大切です。
取り込みがうまくいかないときの対処法
よくあるトラブルと解決のヒントを紹介します。
- 動画が再生できない
→ 出力形式が非対応かも。MP4形式に再変換してみましょう。 - 字幕が出ない
→ ソフトの設定で「字幕を焼き込む」または「外部SRTファイルを作成」を選びます。 - 変換が遅い・途中で止まる
→ 他のアプリを閉じてメモリを確保。高速エンコード設定に変更。 - 画質が荒い
→ ビットレートを上げて再変換。容量とのバランスを考えると、720p前後が快適です。
タブレットでDVDを取り込む方法のまとめ
DVDをタブレットで観るには、
「パソコンでリッピング → MP4に変換 → 転送 → 再生」
という流れが王道です。
手間は少しかかりますが、一度やり方を覚えれば誰でも簡単にできます。
お気に入りの映画やライブ映像を持ち歩けるのはやっぱり嬉しいもの。
オフラインでもデータ通信を気にせず、いつでもどこでも好きな作品を楽しめます。
大切なのは、安全で合法的な範囲で行うこと。
自分だけの動画ライブラリを作る感覚で、タブレットでDVDを取り込む方法をぜひ試してみてください。
