デスクの上にスッと置けて、しかも驚くほどパワフル。そんな理想を叶えるのが、近年注目を集めている「AYANEO MiniPC」シリーズです。ハンドヘルドゲーミングPCで知られるAYANEOが本格的に展開するミニPCラインは、レトロで可愛らしい見た目とは裏腹に、内部には本格的なPCパワーを秘めています。この記事では、その最新モデルを中心に、実際の性能や使用感、どんな人におすすめなのかをじっくり見ていきましょう。
AYANEO MiniPCとは？ブランドとシリーズの概要
AYANEOは中国発のPCメーカーで、もともとはWindows搭載の携帯型ゲーミングPCで注目されました。ポータブルながらデスクトップ級の性能を実現するその設計思想は、ミニPCにも受け継がれています。AYANEOのミニPCシリーズは「AYANEO ミニPC AM01」「AYANEO MiniPC AM02」、そして2025年には最新の「AYANEO MiniPC AM01S」などが登場し、小型PC市場の中でも独自の存在感を放っています。
特に注目されるのは、どのモデルも「見た目のデザイン性」と「実用的なパフォーマンス」のバランスが秀逸な点。クラシカルなMac風デザインや、デスク上に飾りたくなるようなミニ筐体が印象的です。外観のユニークさだけでなく、内部にはRyzenシリーズの高性能APUを搭載し、動画編集や軽めのゲーム、マルチタスクにも十分対応できるスペックを備えています。
AYANEO Retro MiniPC AM01：小型ながら万能なベーシックモデル
AYANEOのミニPCラインで最初に話題を呼んだのが「AYANEO ミニPC AM01」です。どこか懐かしいレトロMac風のデザインは、ただのガジェットではなく“インテリアの一部”としても楽しめます。しかし見た目に反して中身は本格派。
搭載CPUはRyzen 7 5700U（8コア16スレッド）を採用。高いマルチスレッド性能を誇り、Webブラウジングや動画編集、オフィス作業などを快適にこなします。メモリは最大32GBまで対応し、M.2 SSDスロットと2.5インチベイを備えており、ストレージの拡張性も十分。小さな筐体にここまで詰め込めるのは驚きです。
実際のベンチマークでは、CineBench R23でマルチ約8,600というスコアを記録。軽いゲームやエミュレーション、ストリーミングサーバー用途にも適しており、リビングPCとしても人気があります。静音性も高く、アイドル時はほぼ無音。負荷をかけるとファンが回りますが、耳障りな高音ではなく、快適な範囲に収まっています。
AYANEO MiniPC AM02：より本格的なハイパフォーマンスモデル
次に登場した「AYANEO MiniPC AM02」は、AYANEOのミニPCシリーズの中でも一気に性能を押し上げた存在です。搭載するのはAMD Ryzen 7 7840HS。これはノートPC向けとしてはトップクラスの性能を持つAPUで、AI処理やグラフィック性能にも優れています。
実際の使用感は、まさに“小さなゲーミングPC”。動画編集や3Dモデリングなどの重い作業もこなせる一方で、ファン音は控えめ。冷却設計がよく練られており、長時間稼働しても安定したパフォーマンスを維持します。
また、端子の豊富さも特徴的です。USB-C、HDMI、DisplayPort、有線LAN、3.5mmオーディオジャックなど、必要なものがほぼすべて揃っています。外付けGPUやモニターを複数接続すれば、コンパクトな筐体とは思えないほどの拡張性を発揮します。サイズは片手で持てるほどなのに、実力はミドルクラスデスクトップ並み。まさに“デスクトップを凝縮した1台”といえるでしょう。
最新モデル「AYANEO MiniPC AM01S」：AI対応とデザインの進化
2025年に登場した「AYANEO MiniPC AM01S」は、これまでのシリーズをさらに進化させた新世代ミニPCです。最大の特徴は、AI対応のRyzen AI 9 HX 370を搭載可能な点。AI推論や画像生成、クリエイティブ用途にも対応できる処理能力を備えています。
筐体デザインも進化し、4インチの小型ディスプレイを搭載。ステータス表示やシステムモニタとして機能し、遊び心と実用性を両立。CNC加工のアルミボディは高級感があり、デスク上の存在感も抜群です。USB4やデュアル2.5Gイーサネットなど最新のインターフェースにも対応し、通信速度やデータ転送も高速。
ここまでくると、もはや“ミニPC”というより“コンパクトワークステーション”。小型サイズにこれだけの性能を詰め込んでいるのは、AYANEOならではの技術力の証といえます。
実際の使用感：静音・冷却・使い勝手のバランス
レビューでは、AYANEOのミニPCはいずれも「静か」「熱設計が優秀」と高評価を得ています。特にAM02では、最大45Wの負荷をかけても温度は80℃前後で安定し、ファンノイズも最小限。高負荷時でも不快な騒音になりにくい点が好評です。
小型PCでは排熱が課題になりがちですが、AYANEOはハンドヘルド機開発で培った冷却技術を流用しており、筐体内の気流設計が非常に巧みです。熱を効率よく逃がすため、CPUのサーマルスロットリング（性能抑制）も起きにくく、安定したパフォーマンスを維持します。
加えて、Windows 11環境での快適さも魅力。初期設定後は一般的なPCとしてすぐに使え、ドライバの整合性も良好。USB-Cドックや外付けGPUを併用すれば、用途の幅はさらに広がります。
AYANEO MiniPCが向いている人・用途
小型でも高性能なAYANEO MiniPCは、どんな人に向いているのでしょうか。特徴から考えると、次のようなユーザーに特におすすめです。
- 省スペースを重視する人
デスクや棚の上に設置できるコンパクトサイズ。ケーブル整理も簡単で、ミニマルな作業環境にぴったり。 - 静音性を求める人
一般的なデスクトップPCより圧倒的に静か。動画視聴や音楽制作など、集中したい作業にも適しています。 - クリエイティブな作業をする人
Ryzen APUの高いグラフィック性能で、画像編集や動画編集も快適。特にAYANEO MiniPC AM02やAYANEO MiniPC AM01Sは本格的な制作環境にも対応。 - レトロデザイン好き・ガジェット愛好家
AYANEOの筐体デザインは他にはない魅力。AYANEO ミニPC AM01のクラシカルな雰囲気は所有欲を刺激します。 - 家庭用メディアサーバー用途
消費電力が低く、常時稼働しても負担が少ないため、NASやストリーミングサーバーにも最適。
一方で、4K解像度のAAAゲームを最高設定で遊びたい場合は、専用GPUを持つデスクトップPCに軍配が上がります。とはいえ、1080pで設定を調整すれば多くのタイトルがプレイ可能。ミニPCとしては非常に優秀なバランスです。
AYANEO MiniPCの魅力を総括
AYANEO MiniPCシリーズは、「小さくても本格派」を地で行く存在です。AYANEO ミニPC AM01の親しみやすいデザインから、AYANEO MiniPC AM02のハイパフォーマンス、そしてAYANEO MiniPC AM01SのAI対応と進化を続けるラインナップは、まさに“ミニPCの未来像”を体現しています。
デスクを広く使いたい人、静かで高性能なPCを求める人、そして“見せるガジェット”が好きな人には、このシリーズがぴったりです。使うほどに魅力が増していく小型PC、それがAYANEO MiniPCの真価です。
最新モデルではAI処理にも対応し、これからのクリエイティブ作業やスマートホーム環境にも活躍の場が広がるでしょう。小さなボディに無限の可能性を詰め込んだこのシリーズは、2025年のミニPC市場でも間違いなく注目の存在です。
AYANEO MiniPCの性能を徹底検証！小型でも高性能な最新モデルを紹介（まとめ）
AYANEO MiniPCは、単なる「小さいパソコン」ではありません。コンパクトさ、静音性、デザイン性、そしてRyzen搭載による確かな性能。これらすべてを両立した、完成度の高いミニPCシリーズです。
モデルごとに個性があり、どれを選んでも“使っていて楽しい”という共通点があります。限られたスペースでも、妥協せずに快適なPC体験を求めるなら、AYANEO MiniPCはまさに理想的な選択肢。これからの小型PCの基準を変える存在として、今後の展開にも期待が高まります。
