最近、「画面付きワイヤレスイヤホン」という言葉を耳にすることが増えてきました。これまではイヤホンといえば“音を聴く”ためのツールでしたが、今は“操作や情報表示までできる”時代になっています。
今回は、そんな最新の画面付きワイヤレスイヤホンの機能や使い勝手、通話・音質の実力までを分かりやすくレビューしていきます。
画面付きワイヤレスイヤホンとは?
「画面付き」と聞くと少し不思議な感じがしますよね。実際には、イヤホン本体ではなく“充電ケース”に小型ディスプレイを備えたタイプが多く登場しています。
その画面では、バッテリー残量の確認、ノイズキャンセリング(ANC)の切り替え、曲送り、音量調整、通知の確認などが行えるようになっています。
つまり、スマホをわざわざ取り出さなくても、ケースだけで操作や情報確認ができる。これが「画面付きワイヤレスイヤホン」が注目される理由です。
なぜ今「画面付き」なのか
ここ数年、イヤホンは急速に進化しました。ANC、外音取り込み、ハイレゾ再生、マルチポイント接続など、機能面はすでに成熟期に入りつつあります。
そんな中でメーカー各社は「操作性」や「ユーザー体験(UX)」の差別化に注力し始めました。
画面付きケースの登場はまさにその流れの中で生まれたもの。
たとえば通勤中、スマホをカバンに入れたまま音楽を聴く人にとって、ちょっとした音量調整や曲のスキップのためにスマホを取り出すのは意外と面倒です。
ケースに画面があれば、視覚的に操作ができ、イヤホン生活がさらに“ストレスフリー”になるのです。
代表的なモデルと特徴
JBL Tour Pro 3
2024年に登場し、一気に注目を集めたのがこのモデル。1.57インチのタッチスクリーンをケースに搭載しています。
再生・停止・音量調整はもちろん、通知の確認まで可能。
音質面ではLDAC対応でハイレゾ再生にも対応。JBLらしい力強い低音と立体的なサウンドが特徴です。
AIによる通話ノイズキャンセリング機能も搭載しており、屋外でも声がクリアに届くと評判です。
Soundcore Liberty 4 Pro
Ankerの人気シリーズ「Soundcore」から登場した上位モデル。ケースにディスプレイとタッチバーを備え、ANCや外音取り込みの切り替えをケースで操作可能。
10.5mmドライバーとチタンコートツイーターを採用し、バランスの取れた音質を実現しています。
また、AIによる通話ノイズ除去機能を備え、6つのマイクで周囲の騒音をカット。
「コスパで選ぶならコレ」と言われるほど高機能ながら価格を抑えている点も人気の理由です。
エントリーモデル(液晶付きBluetooth 5.4タイプ)
最近は、1.47インチ液晶を搭載した低価格モデルも登場しています。
表示内容はバッテリー残量や曲情報などシンプルですが、「とにかく手軽に画面付きイヤホンを試してみたい」という人に向いています。
ただし、ブランドやサポート体制に差があるため、品質面は要チェックです。
実際の使い心地:操作性と実用性
画面付きの最大の魅力は、操作の“直感性”です。
たとえばJBL Tour Pro 3では、スマホを出さずに曲送りやANC切り替えができ、ちょっとした待ち時間でも手元だけで完結します。
Soundcore Liberty 4 Proのケースでは、イヤホンとケースそれぞれのバッテリー残量を表示。出かける前に一目で確認できるのは地味に便利です。
一方で、画面が小さいため、細かい文字やアイコンが見づらい場面もあります。
また、ケース自体がやや大きくなる傾向にあり、ポケットの中でかさばるという意見もあります。
このあたりは、利便性と携帯性のバランスをどう取るかがポイントになりそうです。
音質とノイズキャンセリング性能
画面付きイヤホンは単なる“ガジェット寄り”の製品ではありません。音質面もハイレベルです。
JBL Tour Pro 3はLDAC対応で、広がりのある高解像度サウンドを実現。
低音の厚みと中高域の透明感のバランスが良く、ジャンルを問わず楽しめます。
Soundcore Liberty 4 Proは独自のACAA 3.0ドライバーを採用し、ボーカルが明瞭で音場の広がりも感じられます。
ANC(ノイズキャンセリング)は最大クラスの遮音性能を持ち、電車やカフェでも快適に音楽に集中できます。
外音取り込みモードも自然で、会話時にイヤホンを外す必要がないのもポイントです。
通話品質の進化
最近のワイヤレスイヤホンは、通話性能も大きく進化しています。
特に画面付きモデルは、通話中の操作がしやすいというメリットがあります。
ケース側からANCをオフにしたり、外音取り込みモードをオンにして相手の声を聞きやすくしたりと、ケースが“コントローラー”の役割を果たすのです。
JBL Tour Pro 3はAI通話アルゴリズムを搭載し、周囲の環境音を自動で抑制。
Soundcore Liberty 4 Proは6つのマイクとAIノイズリダクションで、風の強い屋外でもクリアに会話できます。
実際のレビューでも「オンライン会議でも問題なく使える」「電車の中でも相手に雑音が届かない」といった声が多く見られます。
バッテリーと携帯性
画面付きケースはバッテリー容量も大きめに設計されています。
JBL Tour Pro 3は最大44時間、Soundcore Liberty 4 Proは最大40時間の再生が可能。
急速充電にも対応しており、10分の充電で3〜4時間の再生ができます。
ワイヤレス充電にも対応しているため、机の上に置くだけで充電できるのも便利です。
ただし、ディスプレイ搭載によりケースの消費電力がやや増える傾向があります。
頻繁に画面を点灯させるとバッテリーが早く減ることもあるため、必要に応じて設定を調整するのが賢い使い方です。
購入時のチェックポイント
画面付きワイヤレスイヤホンを選ぶときは、次のポイントを意識してみましょう。
- 音質:ドライバー構成やコーデック(LDAC、AACなど)の対応状況
- 通話品質:マイク数、AIノイズキャンセリングの有無
- 操作性:画面の見やすさ、反応の速さ
- バッテリー:イヤホン単体・ケース込みの再生時間
- 防水性能:運動中に使うならIPX4以上が安心
- サイズと重さ:ケースの携帯性も意外と重要
特に画面付きは“見た目の便利さ”に目を奪われがちですが、最終的には音質と通話品質が満足度を左右します。
できれば家電量販店などで実機を触って、画面操作やサイズ感をチェックしておくと失敗しにくいです。
今後のトレンドと展望
画面付きワイヤレスイヤホンは、まだ新しいカテゴリですが確実に市場が広がっています。
今後は、ケースから直接ストリーミングアプリを操作できるようになるなど、よりスマートウォッチ的な進化も期待されています。
低価格モデルにも液晶搭載が広がっており、「画面付き=高級モデル」というイメージも少しずつ変わっていくでしょう。
一方で、画面が割れたり、操作に慣れるまで時間がかかるといった課題も残っています。
それでも「音を聴くだけのイヤホン」から「操作まで完結するイヤホン」への進化は、今後のワイヤレス市場を大きく変えていくはずです。
画面付きワイヤレスイヤホンの最新機能まとめ
最後にもう一度、画面付きワイヤレスイヤホンの魅力を整理します。
- ケースに液晶ディスプレイを搭載し、操作や情報確認が可能
- スマホを出さずにANC切り替えや曲送りができる
- ハイレゾ対応・AI通話ノイズ除去など、音質・通話性能も高レベル
- ケースサイズはやや大きめだが、利便性は抜群
- 今後は低価格帯にも普及が進む見込み
単なる“新機能”ではなく、日常の使い勝手を根本から変える可能性を秘めた画面付きワイヤレスイヤホン。
自分の使い方やライフスタイルに合ったモデルを選べば、音楽も通話もより快適に楽しめるはずです。
