デスクの上をすっきりさせたい、でもノートPCよりパワーが欲しい──そんな人に今注目されているのが「ミニPC」。最近は性能もぐっと上がり、動画編集やリモートワークにも十分使えるモデルが増えています。
とはいえ、価格帯が広く「どのくらいの予算を考えればいいの？」と迷う人も多いはず。この記事では、最新の価格相場をもとに、予算別の選び方とおすすめモデルをわかりやすく紹介します。
ミニPCの価格相場をざっくり把握しよう
まず、現在のミニPC市場をざっくり見ると、価格帯は主に3つに分かれています。
- 低価格帯：〜3万円前後
Web閲覧や文書作成など軽作業が中心。いわゆる“入門機”がこのゾーンです。 - 中価格帯：4〜7万円程度
リモートワークや写真編集など、日常の作業を快適にこなせる「コスパ重視層」。 - 高価格帯：8万円〜10万円以上
最新CPUや大容量メモリを備え、動画編集やマルチディスプレイ運用などにも耐える上級機です。
価格差は性能や拡張性、筐体の設計などによるもので、「自分の使い方にどこまでの性能が必要か」で選ぶのがポイントです。
低価格帯（〜3万円）の特徴とおすすめ層
このゾーンの魅力はなんといっても導入コストの安さ。
Intel N100／N150などの省電力CPUを搭載したミニPCが多く、Webブラウジングや動画視聴、Officeソフトの使用など軽い用途なら十分こなせます。
こんな人におすすめ
- 家族共用や子どもの学習用PCが欲しい
- サブマシンとしてリビングや寝室に置きたい
- とにかくコスパ重視で試してみたい
注意点
ただし、この価格帯はメモリやストレージが少なめなモデルが多く、複数アプリを開くと動作が重く感じることもあります。
また、USBポートや映像出力の数も限られている場合があるため、接続したい周辺機器が多い人は注意が必要です。
代表的なモデル例
- GMKtec G3（Intel N100搭載）
約1.9万円〜。省電力で静音性が高く、サブPCとして人気。
低価格帯は「割り切って使う」ことが大切。メールや動画視聴など限定した用途なら、コストパフォーマンスは抜群です。
中価格帯（4〜7万円）のミニPCは“ちょうどいい”バランス
もっとも人気が高いのがこの中間層。
CPUはCore i5／Ryzen 5クラスを搭載し、メモリ16GB・SSD512GBといった構成が主流です。軽い画像編集やリモートワーク、マルチウィンドウでの作業も快適にこなせます。
こんな人におすすめ
- 在宅勤務・オンライン会議が多い
- 長く使える性能を求めたい
- ノートPCより高性能・省スペースな環境を作りたい
メリットと注意点
この価格帯になると拡張性や静音設計がしっかりしており、筐体も高品質。
一方で、グラフィック性能を重視する作業（3Dモデリングや重めの動画編集）はまだ少し力不足に感じることもあります。
代表的なモデル例
- ASUS Mini PC PN42（約4.6万円〜）
手のひらサイズながら信頼性の高い設計で、ビジネス用途にも◎。 - HP Elite Mini 805 G8（約6.3万円〜）
Ryzen搭載で、オフィスワークや動画閲覧がサクサク。静音性にも定評あり。
この層のミニPCは「快適さ」と「価格」のバランスが取れており、はじめて購入する人にもおすすめのゾーンです。
高価格帯（8万円以上）のミニPCは“フルスペック志向”に
8万円を超えるミニPCは、もはや小型デスクトップといってもいいほど高性能です。
最新世代のCore i7／Ryzen 7や、32GBメモリ・1TB SSDを備えたモデルも多く、動画編集やプログラミング、クリエイティブ作業にもしっかり対応します。
こんな人におすすめ
- 動画編集・写真現像などクリエイティブ用途
- 複数モニターを使うマルチタスク作業
- 長期的にメインPCとして使いたい
注目モデル
- GEEKOM A6（Ryzen 7 6800H搭載）
約6.8万円〜。グラフィックス性能が高く、軽い動画編集なら余裕。 - Minisforum UM790 Pro（Ryzen 9 7940HS搭載）
約10万円超。ハイスペック志向の代表格で、静音性と冷却性能のバランスも秀逸。
注意点
高性能なぶん発熱も多く、冷却ファンの音が気になる場合があります。また、ミニPCは内部がコンパクトなため、パーツ交換や拡張が難しいモデルもあります。
とはいえ、設置スペースを取らずにハイエンド性能を求めるなら、デスクトップ代替として非常に魅力的です。
ミニPCを選ぶときに見るべき5つのポイント
1. CPUの性能をチェック
Intel Nシリーズは省電力で軽作業向け。
Core i5／i7やRyzen 5／7はマルチタスクやクリエイティブ用途におすすめです。用途に合わせて無理のないグレードを選びましょう。
2. メモリは16GBが快適ライン
8GBでも動作はしますが、ブラウザやOfficeを同時に使うなら16GBあるとストレスが減ります。32GB対応機なら、後から増設できる安心感も。
3. SSD容量と拡張性
512GBあれば日常使いに十分。
データ保存や動画編集をするなら1TB以上を検討しましょう。M.2スロットが空いていれば後から増設も可能です。
4. 接続ポート・通信性能
USB-CやHDMI、DisplayPortなど必要な端子が揃っているか確認を。
Wi-Fi 6対応や2.5Gbps有線LAN付きなら通信も安定します。
5. 静音性と冷却
コンパクトな筐体は熱がこもりやすいため、冷却設計は重要です。
レビューで「静か」「熱くならない」といった評価のあるモデルを選ぶと安心です。
ミニPC購入前にチェックしておきたいこと
- 保証とサポート体制
国内メーカーや公式販売店で購入すると、初期不良時の対応がスムーズです。 - 設置環境
モニター裏に取り付けられるVESA対応モデルなら、デスク周りがさらにスッキリします。 - 電源と発熱
ACアダプタのサイズやファンの音も、使い勝手を左右します。静音性重視なら口コミも確認を。 - 価格変動
ミニPCはセール時期に価格が大きく動くことがあります。Amazonや公式ストアのキャンペーンをチェックするとお得です。
まとめ｜ミニPCの価格相場と自分に合った選び方
ミニPCの価格相場は、エントリーモデルなら2〜3万円台、中堅クラスで5〜7万円、高性能モデルで8万円以上が目安です。
軽作業中心なら低価格帯で十分ですが、長く快適に使いたいなら中価格帯以上を検討するのが賢明です。
性能だけでなく、静音性や拡張性、設置スペースも重要な比較ポイント。
「自分の使い方にちょうどいい性能」を見極めれば、コンパクトでも頼れる一台がきっと見つかります。
最後にもう一度。
ミニPCの価格相場はどれくらい？――答えは、使い方と期待する快適さによって変わります。
あなたにぴったりの1台を選んで、スマートで快適なデスク環境を手に入れてください。
