通勤や通学、リモートワークや運動中まで、いまや手放せない存在になったワイヤレスイヤホン。
ただし便利な反面、「バッテリー持ちって実際どれくらい?」「もっと長く使うには?」という疑問を持つ人も多いはずです。
今回は、人気モデルをもとにしたバッテリー持ちの実情と、日常で役立つ節電テクニックを紹介します。数値だけでなく、“使い方次第で変わる”ポイントもあわせて見ていきましょう。
ワイヤレスイヤホンのバッテリー持ちの平均
まずはざっくりとした目安をつかんでおきましょう。
現在販売されているワイヤレスイヤホンの多くは、以下のようなバッテリー性能になっています。
- イヤホン単体で6〜10時間前後
- 充電ケースを併用すると合計20〜30時間前後
- ハイエンド機や省電力設計のモデルでは40時間以上も可能
たとえば、ソニーの「Sony WF-1000XM5」ではノイズキャンセリングON時で約8時間、OFF時で約12時間。ケース込みで最大24時間程度が目安です。
一方、軽量なエントリーモデルでは6時間前後でバッテリーが切れるケースもあります。
つまり、「通勤・通学で毎日1〜2時間使う程度なら数日充電いらず」「長時間の出張や旅行ならケース込みで1〜2日が限界」といった感覚が現実的です。
人気モデルのバッテリー持ちを比較してみよう
数あるモデルの中から、代表的な製品をピックアップしてみましょう。
● Sony WF-1000XM5
ノイズキャンセリング性能で人気の高いモデル。
バッテリー持ちはANCオンで約8時間、オフなら約12時間。ケース込みで24時間前後が目安です。
高音質コーデック「LDAC」にも対応していますが、その分バッテリー消費はやや増える傾向にあります。
● Apple AirPods Pro(第2世代)
こちらもノイズキャンセリング搭載モデル。
ANCオンで約6時間、ケース込みで30時間前後。
Apple製品との連携性が高く、ワイヤレス充電にも対応しているのが特徴です。
● Anker Soundcore Liberty 4
コスパの良さで定評があるシリーズ。
単体で約9時間、ケース込みで最大28時間と、価格帯の割に優秀なバッテリー性能。
急速充電にも対応し、10分充電で約2時間再生が可能です。
● Jabra Elite 8 Active
スポーツ向けモデルで、耐水性とフィット感が魅力。
単体で約8時間、ケース込みで32時間。
アウトドアやジムでも安心して使える堅牢設計です。
こうして比べると、バッテリー持ちは「ブランドよりも用途」で選ぶのが賢い選択。
外出時間が長い人はケース込み30時間以上のモデルを、短時間利用中心の人は軽量モデルを選ぶのがおすすめです。
バッテリー持ちが変わる意外な要因
カタログスペック通りに使えるとは限らないのがイヤホンのバッテリー。
その理由は、使用環境や設定にあります。主な要因を見ていきましょう。
1. 音量
高音量ほどアンプの出力が増え、バッテリー消費も加速します。
50〜70%程度の音量で使うのが理想的。耳にも優しく、音質も安定します。
2. ノイズキャンセリング(ANC)機能
ANCをオンにすると、常時マイクとチップが動作し続けるため電力消費が増加します。
静かな屋内ではOFFにして節電しましょう。
3. Bluetoothコーデック
高音質コーデック(LDACやaptXなど)はデータ転送量が多く、バッテリーを多く使います。
AACやSBCに設定を変えるだけで持ちが伸びることも。
4. 接続環境
スマホとの距離が遠い、障害物が多いなど通信が不安定な状況では、再接続処理が増えてバッテリーを消耗します。
なるべく近距離・見通しの良い環境で使うのがポイントです。
5. バッテリー劣化
リチウムイオン電池は経年劣化します。
1〜2年ほど使うと、再生時間が購入時より1〜2割短くなるのは自然な現象です。
バッテリーを長持ちさせる節電術
ここからは、実際にできる「今日から試せる節電術」を紹介します。
小さな積み重ねで、再生時間も寿命も大きく変わります。
● 使わないときは必ずケースへ戻す
ポケットに入れたままだとBluetooth接続が生きた状態になり、無駄に電力を消費します。
使い終わったら即ケースに戻す習慣を。
● 高音量を避ける
音量が高いほどアンプへの負荷が増え、消費電力も上がります。
イヤーピースを耳にフィットさせ、遮音性を高めることで小音量でも満足な音が得られます。
● ANC/外音取り込みを必要なときだけON
通勤電車やカフェでは便利ですが、自宅ではオフでも十分。
使う環境を選べば体感で1〜2時間は持ちが伸びます。
● マルチペアリングや高音質コーデックを切る
複数デバイス接続やLDAC・aptXモードは便利ですが、常時オンはバッテリー負担。
必要なときだけ有効にするのがコツです。
● 充電は満充電・放電しすぎを避ける
長時間100%充電のまま放置したり、完全に0%まで使い切るのは劣化のもと。
50〜80%の範囲を維持するような使い方が理想です。
● 高温環境に注意
真夏の車内や直射日光下ではバッテリーが傷みます。
保管はできるだけ涼しい場所で。
● ファームウェアを最新に
メーカーが省電力アルゴリズムを改善していることもあるため、定期的なアップデートも忘れずに。
長時間再生モデルを選ぶコツ
「節電してもまだ物足りない」と感じる人は、そもそも長時間再生モデルを選ぶのが近道です。
選び方のポイントは次の通りです。
- 本体で8時間以上再生できるか
- ケース込みで30時間以上が目安
- 10分充電で1〜2時間再生できる急速充電機能
- ワイヤレス充電対応かどうか
- ケース自体のバッテリー容量
また、ANC搭載モデルは音質・機能面が優れる分だけバッテリー消費が増える傾向にあるため、スペックの「再生時間(ANCオフ時)」にも注目すると良いでしょう。
バッテリーをいたわりながら長く使う
どんなに性能の良いイヤホンでも、バッテリーは消耗品です。
だからこそ、日常のちょっとした使い方が寿命を左右します。
・充電しっぱなしにしない
・使わないときはケースに戻す
・極端な温度を避ける
・時々リセットや再起動を行う
これだけでも1年後のバッテリー状態が大きく変わります。
そして寿命が来たら、無理に使い続けず新モデルへの買い替えを検討するのも大切。
最近ではバッテリー性能が大幅に改善されたモデルも増えています。
ワイヤレスイヤホンのバッテリー持ちはどれくらい?人気モデルの比較と節電術
ワイヤレスイヤホンのバッテリー持ちは、
「イヤホン単体で6〜10時間」「ケース込みで20〜40時間前後」が今のスタンダード。
しかし実際の持ちは使い方次第で大きく変わります。
音量を控えめにする、ANCを必要なときだけ使う、ケースに戻す──。
この基本を守るだけで、1回の充電でもっと長く音楽を楽しめるようになります。
バッテリーを気にせず、自分のペースで音を楽しむために。
今日から少しだけ、イヤホンに優しい使い方を意識してみてください。
