ワイヤレスイヤホンで音楽を聴いていて、「なんだか音がこもってるな」と感じたこと、ありませんか?
特にiPhoneを使っていると、イヤホンとの相性や設定が原因で音がこもることがあります。
この記事では、その「こもり音」の原因と、すぐにできる設定・対策をわかりやすく紹介します。
ワイヤレスイヤホンがこもって聞こえる主な原因
「音がこもる」とは、高音が抜けず、全体的にモヤっとした印象になる状態のこと。
ワイヤレスイヤホンの場合、次のような原因が多いです。
音声データの圧縮やコーデックの違い
Bluetoothで音を飛ばすとき、音声データは圧縮されます。
iPhoneでは「AAC」というコーデックが使われるのが一般的ですが、イヤホンがAACに対応していないと自動的に「SBC」という低音質モードに切り替わります。
これが原因で音が曇ったり、こもったりすることがあります。
Bluetooth通信の不安定さ
周囲にWi-Fiルーターや電子レンジなどの電波があると、Bluetooth通信が干渉を受けて音質が低下します。
また、スマホとイヤホンの距離が遠いと、データが途切れがちになり、結果的に音がこもることも。
イヤーピースのフィット感
カナル型イヤホンのイヤーピースが耳に合っていないと、低音が過剰に響き、高音が抜けなくなることがあります。
「耳にピッタリ密着しているのにこもる」場合は、サイズが大きすぎるかもしれません。逆に隙間があると低音が抜け落ちてスカスカになります。
ソフトウェアや設定の影響
iPhoneの設定やiOSのバージョンも音質に影響します。
アクセシビリティ機能のオーディオ設定や、イコライザのプリセットが合っていない場合、全体的にこもった印象になることがあります。
iPhoneの設定でできる“こもり”音の解消法
ここからは、iPhoneの設定を見直して音のこもりを解消する具体的な手順を紹介します。
どれも難しくないので、順番に試してみてください。
1. iOSを最新バージョンにアップデート
古いiOSでは、Bluetooth関連の不具合が残っている場合があります。
「設定 → 一般 → ソフトウェア・アップデート」から最新版にしておきましょう。
特にイヤホンの音飛びやノイズが気になる場合、アップデートで改善されるケースが多いです。
2. アクセシビリティ設定を確認
「設定 → アクセシビリティ → オーディオとビジュアル」を開きます。
ここで注目するのは次の3つ。
- モノラルオーディオ:通常はオフ。オンにすると左右の音が同じになり、立体感が失われます。
- バランス:スライダーが中央になっているか確認。偏ると片方がこもって聞こえることがあります。
- ヘッドフォン調整:オンにして、自分の聞きやすい音域に微調整。中音域がこもる人は「明るい」に寄せると改善しやすいです。
3. イコライザ設定を見直す
「設定 → ミュージック → イコライザ」では、音の特性をプリセットで調整できます。
こもりを感じるときは一度「オフ」または「Late Night」に設定してみてください。
特に「低音ブースト」「ヒップホップ」などは低音が強調されすぎてこもる傾向があります。
4. Bluetooth接続をリセットする
イヤホンとiPhoneのペアリング情報が古いと、通信が不安定になることも。
「設定 → Bluetooth」からイヤホン名の右にある“i”をタップし、「このデバイスの登録を解除」を選択。
その後、iPhoneを再起動し、再ペアリングしてください。
この工程で改善するケースは非常に多いです。
5. ネットワーク設定をリセットする
どうしても改善しない場合、「設定 → 一般 → 転送またはiPhoneをリセット → リセット → ネットワーク設定をリセット」を試すのも手。
Wi-FiやBluetoothの設定が初期化されるため、通信関連のトラブルを解消できます。
イヤホン側で試したい3つの対策
iPhoneだけでなく、イヤホン側にも見直すポイントがあります。
1. イヤーピースを交換する
サイズ違いや素材の違うイヤーピースを試すことで、音の抜けが変わります。
シリコン製よりもフォームタイプ(低反発)のほうが密閉性が高く、こもりが減ることもあります。
音がこもる=高音が出にくいので、通気性のよいタイプを選ぶのもおすすめです。
2. イヤホンの汚れをチェック
メッシュ部分や音の出口にホコリや耳垢が付着していないか確認しましょう。
汚れが音の通り道を塞ぐと、どんな高級イヤホンでもこもります。
掃除する際は乾いた綿棒か柔らかいブラシで優しく。
3. ファームウェアを更新する
一部のワイヤレスイヤホン(特にAirPodsやSONY製など)は、専用アプリや接続中に自動でアップデートされます。
音質改善や通信安定化のアップデートが行われていることもあるので、常に最新状態に保ちましょう。
通話中や動画視聴での“こもり”を防ぐコツ
音楽再生だけでなく、通話や動画で声がこもるケースもあります。
これはBluetoothの通信モードが関係しています。
通話中は、音楽再生時と違って「ハンズフリーモード(HFP)」が使われるため、音質が下がります。
改善策としては:
- 通話時にイヤホンマイクを使わず、iPhone本体マイクを使う
- マイク部分を覆わないように装着する
- ノイズキャンセリング機能をオフにしてみる
特にAirPodsなどノイズキャンセリング搭載機は、環境によって声の抜けが変わるので、状況に合わせて調整しましょう。
“こもり”を防ぐ環境の整え方
室内での使い方も、音質に影響します。
- Wi-Fiルーターや電子レンジから離れる
Bluetoothと同じ2.4GHz帯を使っているため、干渉しやすいです。 - iPhoneとイヤホンの距離を1m以内に保つ
ポケットやバッグの中でも、金属製のケースなどに入れると電波が弱まります。 - 電池残量を常に50%以上に保つ
バッテリーが少ないと音飛びや音質劣化が起こりやすいです。
こうした環境改善だけでも、驚くほどクリアに聴こえることがあります。
買い替えを検討するタイミング
設定を見直しても改善しない場合、イヤホン自体の性能や劣化も考えられます。
- 長期間使っていてバッテリーが弱っている
- Bluetoothのバージョンが古い(4.x以前)
- iPhoneとコーデックの相性が悪い(SBCしか対応していないなど)
このような場合は、AAC対応のBluetooth 5.0以上のイヤホンに買い替えることで、こもりが劇的に改善します。
ただし「高価=高音質」とは限らないので、必ず試聴やレビュー確認をおすすめします。
iPhoneでワイヤレスイヤホンのこもりを解消するまとめ
ここまで紹介した内容をまとめると、こもり音の原因は大きく4つです。
- 音声圧縮やコーデックの違い
- Bluetooth通信の不安定さ
- イヤーピースのフィット
- iPhone側の設定ミスやソフトウェア不具合
そして、対策としては
- iOSアップデート
- アクセシビリティ・イコライザ調整
- Bluetooth再設定
- 環境改善とイヤーピース見直し
この順番で試していくのがおすすめです。
「こもり音」は、ちょっとした設定や工夫で簡単に改善できることが多いもの。
あなたのiPhoneとワイヤレスイヤホンの組み合わせを最適化して、スッキリしたクリアなサウンドを取り戻しましょう。
