コンパクトで高性能な「ミニPC」は、ここ数年で一気に人気が高まっています。省スペースでデスク周りがすっきりするだけでなく、在宅ワークや動画編集、ゲームなど、使い方の幅が広がっているのが魅力です。
でも、メーカーによって特徴や強みがまったく違うのも事実。この記事では、人気のミニPCメーカーを比較しながら、それぞれの特徴をわかりやすく紹介していきます。
ミニPCってどんなパソコン？まずは基本をおさらい
「ミニPC」とは、一般的なデスクトップPCをぐっと小型化したコンパクトタイプのパソコンのこと。手のひらサイズほどのモデルもあり、テレビの裏やモニターの背面などに取り付けて使えるのが特徴です。
もともとはオフィスや店舗などで、省スペースを重視する業務用として使われてきました。しかし、最近では個人ユーザーにも人気が拡大。
在宅ワークの普及や、静音・低消費電力化の進歩で、自宅用のメインPCとして選ぶ人が増えています。
主なメリットは次の通りです。
- 設置場所を選ばないコンパクト設計
- 消費電力が低く、静音性が高い
- ノートPCより拡張性が高いモデルも多い
- HDMIやUSBポートなどの接続が豊富
一方で、冷却性能やパーツ交換のしやすさは制限される場合もあるので、メーカー選びが重要になります。
ミニPCメーカーを比較するときのポイント
どのブランドのミニPCを選ぶか迷ったら、まず次の5つをチェックしましょう。
- 信頼性とサポート体制
長く使うなら、国内サポートや保証内容がしっかりしているメーカーを選びたいところ。 - 性能と用途のバランス
仕事用か、動画編集・ゲームもこなしたいかで必要な性能が変わります。 - 拡張性・端子構成
USBやHDMIの数、メモリ増設の可否も重要です。 - 静音性と冷却性能
小型ゆえに熱がこもりやすいので、冷却設計の工夫を確認しましょう。 - 価格とコストパフォーマンス
予算内でどこまで性能を引き出せるか。ブランドごとに得意分野があります。
では、具体的に人気のある主要メーカーを見ていきましょう。
ASUS（アスース）―信頼性と安定感のある定番ブランド
台湾の大手メーカーASUSは、ミニPC市場でも非常に評価が高いブランド。
ビジネス向けの「ExpertCenter」シリーズから、家庭向けの「PN」「PB」シリーズまでラインナップが幅広く、デザインもシンプルで扱いやすいです。
ASUSの魅力は、信頼性の高さと設置の自由度。
多くのモデルがVESAマウント対応で、モニターの裏に取り付けてスッキリ使えます。
また、静音性が高く、オフィスやリビングに置いても気にならない設計です。
一方で、ゲーミングなど高負荷な用途では上位モデルを選ばないとパワー不足を感じることも。
普段使い〜ビジネス用途で安定した動作を求める人に向いています。
HP（ヒューレット・パッカード）―法人向けノウハウが光る堅実派
HPは、法人向けPCでの実績が豊富なアメリカの大手メーカー。
そのノウハウを活かしたミニPCシリーズ「HP Pro Mini 400 G9」は、堅牢性と安定性が抜群です。
特に「HP Pro Mini 400 G9」は、わずか1リットルほどの小型筐体に高性能CPUを搭載し、ビジネスシーンでの快適な動作を実現。
モニター裏にマウントできるなど、省スペース性にも優れています。
サポート体制も整っており、長期保証や法人契約など、安心感のあるブランド。
価格帯はやや高めですが、安定性を重視する人には最適です。
Lenovo（レノボ）―コスパと信頼を両立する世界的ブランド
中国発のグローバルメーカーLenovoは、世界でもトップクラスのPC出荷台数を誇ります。
ミニPC分野では「ThinkCentre」や「IdeaCentre Mini」シリーズが人気です。
レノボの魅力は、コストパフォーマンスの高さ。
同等スペックの他社製品と比べて価格が抑えられていることが多く、手頃な価格で高性能を得られます。
特に「IdeaCentre Mini」はデザイン性も高く、電源を内蔵して配線がスッキリ。
オフィスにも家庭にも馴染む見た目です。
ただし、構成や保証内容はモデルごとに異なるため、購入前に国内正規モデルか確認しておくと安心です。
GEEKOM（ギーコム）―ミニPC専門ブランドの新星
GEEKOMは、近年急速に注目を集めているミニPC専門メーカー。
小型筐体にハイスペックCPUを詰め込んだモデルが多く、動画編集やマルチディスプレイ作業にも対応します。
最新機種では、USB4ポートやHDMI×2を備え、最大4画面出力も可能。
サイズの小ささと性能の高さを両立したブランドとして評価されています。
ただし、新興ブランドのためサポート体制や長期利用時の部品供給は、ASUSやHPほどの実績はまだありません。
それでも、コスパとデザイン性を両立したい人には有力な選択肢です。
MINISFORUM（ミニスフォーラム）―高性能と挑戦的デザインが魅力
中国・深圳発のMINISFORUMは、ミニPCの中でも特に性能重視のブランド。
AMD Ryzenシリーズを搭載したモデルが多く、コンパクトながらゲーミングや動画編集にも対応できます。
代表的な「UM760 Slim」は、Ryzen 5 7640HSを搭載しながら5万円台と高コスパ。
最新の通信規格Wi-Fi 6EやPCIe4.0 SSD対応など、技術面でも先進的です。
ただし、冷却性能や静音性にばらつきがあるとの声もあるため、使用環境に合わせて選びたいところ。
「小型でも性能を妥協したくない」というユーザーにおすすめです。
どのメーカーを選ぶ？用途別のおすすめ傾向
ここまで紹介したブランドの特徴をまとめると、それぞれに得意分野があります。
- 安定性重視・業務利用なら → HP・ASUS
- コスパ重視・普段使いなら → Lenovo
- 最新性能・小型高性能なら → GEEKOM・MINISFORUM
どのメーカーを選ぶかは、使い方と設置環境で決まります。
「動画視聴やオフィス作業メインなら静音・省電力モデル」、「クリエイティブや軽いゲームもやるならRyzen搭載モデル」など、目的に合ったスペックを意識して選びましょう。
ミニPC市場の最新トレンド
ミニPCの進化は止まりません。2025年現在、注目すべきトレンドは次の通りです。
- ハイスペック化の進行
最新CPU・GPUを搭載し、一般的なノートPCを超える性能のモデルも登場。 - 接続性の向上
USB4、Thunderbolt4、Wi-Fi7対応など、最新規格を積極的に採用。 - 設置の自由度アップ
縦置き・横置き・モニター裏固定など、多様なスタイルに対応。 - 低価格帯の充実
3万円台で普段使いに十分なモデルも増え、選択肢が拡大。
ミニPCは、もはや「サブ機」ではなく「メインPC」として使える時代になっています。
まとめ：ミニPCの主要メーカーを比較して、自分に合う1台を見つけよう
ミニPCは、設置の自由度・省エネ・静音性など、多くのメリットを持つ新しい形のデスクトップPCです。
ASUSやHPのような信頼ブランドから、GEEKOMやMINISFORUMといった新興メーカーまで、それぞれに個性があります。
選ぶときは「どんな用途で使うか」「どれくらいの期間使うか」を意識しながら、
信頼性・価格・性能のバランスを見極めることがポイントです。
小型でもパワフルに使えるミニPC。
自分のライフスタイルにぴったりの1台を見つけて、快適なデジタル環境を手に入れましょう。
