小型で省スペースな「ミニPC」。最近ではリモートワークや動画視聴、ホームサーバーとしても人気ですよね。ところが、いざ使ってみたら「音が出ない…?」というトラブルに悩む人も多いんです。
スピーカーを繋いでも反応しない、HDMI接続で映像は出るけど音が出ない──そんなとき、どこをチェックすればいいのかを一緒に整理していきましょう。
音が出ないとき、まず試すべき基本チェック
焦る前に、まずは基本的な部分から順に確認しましょう。意外と単純な設定ミスで解決するケースも少なくありません。
ミュートや音量設定を確認する
Windowsの右下、スピーカーアイコンをクリックして音量バーを見てみましょう。ミュート(×印)が付いていたら、クリックして解除します。
また、スピーカーやヘッドホン本体にも音量つまみやミュートボタンがある場合があります。どちらもゼロになっていないかチェックしてください。
出力デバイスが正しいかどうか
音が出ないときに一番多いのが「出力先の間違い」です。
設定 → システム → サウンド → 出力デバイスで、正しいスピーカーやヘッドホンが選ばれているか確認します。
たとえばHDMIでテレビに繋いでいる場合、モニター側にスピーカーがなければ、当然音は出ません。そのときは「スピーカー(Realtek Audio)」など、本体側出力に切り替えましょう。
ケーブルや接続を見直す
物理的な接触不良も意外と多いです。
・3.5mmジャックが奥まで刺さっていない
・HDMIケーブルが劣化している
・スピーカー電源が入っていない
このあたりを一度見直すだけで、音が戻ることもあります。
スピーカー設定とドライバの見直しで改善することも
基本的な確認で直らなければ、次はソフトウェア側を疑いましょう。Windowsの設定やドライバの不具合が原因のこともあります。
出力デバイスの「無効化」に注意
サウンド設定画面の「再生デバイス」を右クリックして「無効なデバイスを表示」にチェックを入れてみましょう。
使いたいスピーカーがグレーアウトして表示されたら、「有効にする」をクリック。
その後「既定のデバイスとして設定」を選ぶと、音の出力先が固定されます。
オーディオドライバを更新または再インストール
「デバイスマネージャー」を開き、「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」を確認します。
もし「!」マークが付いていたり、「オーディオ出力デバイスがインストールされていません」と表示されるなら、ドライバに問題があるかもしれません。
ドライバを右クリックして「アンインストール」→ 再起動、もしくはメーカー公式サイトから最新のドライバをダウンロードして再インストールしてみましょう。
オーディオサービスの状態を確認
Windowsの検索バーで「services.msc」と入力し、「Windows Audio」「Windows Audio Endpoint Builder」が「実行中」になっているか確認します。
もし停止していれば右クリック →「開始」を選択。これで音が復活することもあります。
HDMI接続で映像だけ出て音が出ないとき
ミニPCではHDMI接続を使う人も多いですが、このパターンのトラブルも非常に多いです。
HDMIが音声信号に対応しているか
HDMIケーブルは基本的に映像+音声対応ですが、まれに映像のみの仕様もあります。古いケーブルを使っている場合、念のため別のケーブルで試してみましょう。
モニターやテレビの設定を確認
テレビやモニターのスピーカーがミュートになっていないか、入力設定が正しいかも要チェックです。
AVアンプ経由で接続している場合は、アンプ側の入力設定が「HDMI音声」になっているか確認しましょう。
出力デバイスがHDMIに切り替わっているか
HDMI接続時、Windows側で出力先が「スピーカー」のままだと音が出ません。
設定画面から「出力デバイス」を「デジタルオーディオ(HDMI)」に切り替えて試してください。
ミニPC特有の原因と見落としポイント
ミニPCは小型化のために特殊な構造や端子を採用していることも多く、一般的なデスクトップとは違うトラブルが起きる場合があります。
コンボジャックに注意
最近のミニPCには、ヘッドホンとマイクを兼用する「3.5mmコンボジャック」が採用されているモデルもあります。
ヘッドホンだけを挿しても正しく認識されないことがあるため、「ヘッドセット用の変換アダプタ」を使うと解決するケースがあります。
BIOSでオーディオ機能が無効になっている
まれに、BIOS設定でオンボードオーディオが「Disabled」になっている場合も。
起動時にF2やDELキーでBIOSに入り、「Onboard Audio」や「HD Audio」を有効(Enabled)にして保存、再起動してみてください。
小型筐体ならではの熱・電源問題
ミニPCは内部スペースが狭く、熱がこもりやすい構造です。
熱によってサウンドチップが一時的に動作不良を起こすこともあります。ファンの回転や放熱を改善し、しばらく冷ましてから再起動してみましょう。
ドライバ更新後に音が出なくなった場合
Windowsやドライバを更新したあとに突然音が出なくなる、というのもよくあるトラブルです。
ドライバのロールバック
更新直後に問題が起きたなら、「デバイスマネージャー」→ オーディオデバイスを右クリック →「ドライバーのロールバック」で以前のバージョンに戻します。
これで正常動作に戻ることもあります。
再起動後に出力設定を再確認
更新によって出力デバイスが初期化されてしまうケースもあるため、再起動後に出力先を再確認しておきましょう。
メーカーサイトでの既知問題をチェック
特定のミニPCやWindowsのバージョンでは、ドライバ更新が原因で音が出なくなる既知の不具合が報告されていることもあります。
メーカー公式サイトの「サポート」「FAQ」を確認し、対応パッチやドライバ更新情報があれば適用してみましょう。
音響効果や空間音響の設定も確認してみよう
Windowsには「音響効果(Enhancements)」や「空間音響(Spatial Sound)」といった機能があります。
しかし、環境によってはこれが音を消してしまうことも。
「サウンドコントロールパネル」→再生デバイスを右クリック→「プロパティ」→「拡張」タブを開き、「すべての音響効果を無効にする」にチェックを入れてみてください。
これで音が戻るケースも多いです。
それでも音が出ない場合の最終手段
ここまで試してもダメな場合は、以下を順番に確認してみましょう。
・別のスピーカーやヘッドホンで試す(機器故障の切り分け)
・別の出力端子(HDMIやBluetooth)で音が出るか試す
・Windowsを再インストールまたは初期化する
・メーカーのサポート窓口に問い合わせる
特にハードウェア故障の可能性がある場合は、自己判断で分解せず、保証期間内なら修理依頼を検討してください。
ミニPCの音が出ないときは、順番にチェックすれば必ず道は開ける
「ミニPCの音が出ない」と一言で言っても、原因はソフトウェア設定から物理的な接触不良、BIOS設定までさまざまです。
ですが、慌てず一つずつ確認していけば、ほとんどのケースで解決します。
音が出た瞬間、「なんだ、こんなことだったのか」とホッとする人も多いはず。
今日紹介したチェック項目をメモしておけば、次に同じことが起きてもすぐ対応できるでしょう。
小さくても頼もしいミニPC。音のトラブルを解消して、快適なPCライフを楽しんでください。
