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単純に「2015年9月25日」という日付を知りたいだけかもしれない。でも、ちょっと待ってほしい。
iPhone6sは、ただの「昔のiPhone」ではない。Appleの歴史の中でも異彩を放つ、ある意味で最後の「尖った」モデルだ。
3D Touchという、後に消えてしまう革新的な機能。7000系アルミニウムという、強度へのこだわり。そしてローズゴールドという、新しいカラーバリエーションの衝撃。
発売日から約10年が経とうとしている今、このモデルは「中古で買うべきか迷っている人」と「懐かしさを感じている人」、まったく異なる二つの層から再注目されている。
今回は、iPhone6sの発売日を出発点に、このモデルの本当の価値と、2025年現在の「使えるor使えない」のリアルな境界線を徹底的に解説する。
そもそもiPhone6sってどんなモデルだった?発売日の衝撃を振り返る
2015年9月9日(現地時間)。Appleの公式発表の場で、iPhone6sは姿を現した。
当時の日本はまだ「平成」。スマホ決済なんて一部の先進的な人がやるもので、LINEがようやく「無料通話」で一般家庭の固定電話を置き換え始めた頃だ。
予約開始は2015年9月12日、そして発売日は2015年9月25日。
この日、世界各国のApple Storeには長蛇の列ができた。ローズゴールドという新色を求めて、多くの人が早朝から並んだ光景を覚えている人もいるだろう。
当時の価格は16GBモデルで86,800円(税別)。今のiPhoneと比較すると「安い」と感じるかもしれないが、当時の為替や物価を考えれば、決して安くはなかった。
このモデルの何が凄かったのか。それは「S」モデルでありながら、外見以上に中身を劇的に変えてきたことだ。
3D Touchという「幻の革命」—なぜiPhone6sだけが特別なのか
iPhone6sの最大の特徴。それは間違いなく3D Touchだ。
画面の押し込み具合を感知するこの技術は、今振り返っても「よく実装したな」と思うレベルで尖っている。
軽く押すと「Peek」、強く押すと「Pop」。メールのリンクを押し込めば内容だけをプレビューでき、カメラアプリのアイコンを強く押せば「自撮り」や「ビデオ撮影」へのショートカットが表示される。
当時のAppleは「これが次の10年のUIだ」と本気で信じていた節がある。
でも結果はどうだ?現在のiPhoneから3D Touchは消え、代わりに「Haptic Touch」が搭載されている。これは長押しで同様の機能を呼び出すもので、物理的な「押し込み」ではない。
つまり、iPhone6sは3D Touchを搭載した最後から2番目のモデル(iPhone XSまで搭載)であり、この「押し込みフィーリング」を味わいたいなら、中古のiPhone6sを探すという選択肢もある。
キーボードを3D Touchで押し込めば、カーソルを自由に動かせる。この「トラックパッド化」機能は、現行のiPhoneでもHaptic Touchで再現されているが、あの「グッ」と押し込んだ感覚が好きだった人にとって、iPhone6sは特別な存在だ。
7000系アルミニウム採用の真実—折れ曲がり問題との闘い
iPhone6sをもう一つ特別にしているのが、筐体素材への執念だ。
先代のiPhone6 Plusでは、いわゆる「Bendgate(曲がる問題)」が発生した。ズボンのポケットに入れていると、気づかないうちに筐体が微妙に曲がってしまう。
Appleはこの問題を無視しなかった。
iPhone6sでは、なんと7000系アルミニウムを採用。これは宇宙航空産業でも使われる超々ジュラルミン系の合金で、強度がめちゃくちゃ高い。
実際に持ってみるとわかる。iPhone6sは、その後のiPhone XやiPhone 12などとは明らかに「重み」が違う。それは古さではなく、「頑丈さの証」だ。
画面が割れることはあっても、本体が曲がることはまずない。この「モノとしての誠実さ」は、今の薄型軽量化が進むiPhoneには少し薄れてしまった魅力かもしれない。
カメラの進化がすごかった。4KとRetina Flash
今となっては当たり前の「4K動画撮影」も、iPhone6sが初めて搭載した。
それまでのiPhoneはせいぜい1080pフルHD。4Kって何?画質良くなるの?程度の認識だった時代に、いきなり標準搭載してきた。
さらに前面カメラが500万画素になり、Retina Flashが登場。ディスプレイが一瞬で真っ白く光り、フラッシュ代わりになるというこの機能、当時の自撮り好きには革命的だった。
暗い居酒屋でも、友達とパッと自撮りできる。しかも画面全体が光るから、目が赤くならない。
この「遊び心」と「実用性」のバランスが、iPhone6sには確かにあった。
2025年現在、iPhone6sは「使える」のか?
さて、ここからが本題だ。発売日から約10年。あなたがもし「サブ機が欲しい」「子供の初めてのスマホに」と考えているなら、この情報は必須だ。
結論から言う。使い方次第では「使える」。ただし、限界がある。
iOSアップデートの終了という現実
iPhone6sの最終サポートOSはiOS 15だ。正確にはiOS 15.8.3あたりで止まっている。
iOS 16、17、18……と進化を続けるアプリの世界では、iPhone6sは取り残され始めている。
例えば最新の銀行アプリ。セキュリティ強化のため「iOS 16以上必須」としているところが増えてきた。つまり、iPhone6sではネットバンキングができなくなる可能性が高い。
同じように、最新のゲームアプリもほぼ動かない。原神なんて論外。パズル系の軽いゲームならギリギリ動くが、読み込みに時間がかかる。
バッテリー問題は避けて通れない
これはどんな中古iPhoneにも言えることだが、発売から9年経っている。バッテリーはほぼ確実にへたっている。
「バッテリー最大容量」を確認すると、80%台後半なら奇跡。70%台が当たり前で、60%台も珍しくない。
つまり、買ったらすぐにバッテリー交換を前提に考えたほうがいい。
ただ、ここで落とし穴。Apple正規サービスでのiPhone6sのバッテリー交換は、既に終了している可能性が高い(部品の保有期間は製品販売終了から5年程度)。となると、非正規修理店に頼むことになる。
価格は4,000円〜6,000円くらい。中古本体が5,000円なら、バッテリー交換で合計1万円。それでも「激安スマホ」ではある。
アプリの動作状況・リアルな反応
実際に使っている人の声を拾ってみると、こんな感じだ。
LINE: ギリギリ動く。トークも通話もできる。ただ、スタンプ読み込みにワンテンポ遅れる。
YouTube: 動く。広告が重いときがある。
Safari: ページ読み込みは最新機種より遅い。広告が多いサイトはカクつく。
Twitter(X): 動くが、動画再生がカクつくことがある。
音楽アプリ: 全然問題なし。
「サクサク」とは言えない。「もっさり」に近い「ゆっくり」。でも、電話とLINEと音楽プレーヤーとして使うなら、十分現役だ。
こんな人にはおすすめできる。こんな人はやめたほうがいい
おすすめできる人
- 子供の初めてのスマホ
高価な最新機種を持たせるのが心配な親にとって、壊れても1万円以下のiPhone6sは理想的。ゲームも重いのはできないから、勉強の邪魔になりにくいという副次的メリットも。 - 音楽プレーヤー代わり
イヤホンジャックが付いている!これ、実はけっこう大きい。最新のiPhoneからイヤホンジャックは消えたけど、iPhone6sなら有線イヤホンをそのまま使える。通勤専用のiPod代わりに最適。 - デジタルデトックス端末
あえてサクサク動かないスマホをメインから外す。通知も少なく、ゲームも動かない。気づいたらスマホを見てた……という依存状態から解放される、という逆転の発想。 - 3D Touchマニア
この感覚は今しか味わえない。押し込み操作に慣れると、Haptic Touchの「長押し」が物足りなくなること間違いなし。
おすすめできない人
- 最新アプリやゲームを楽しみたい人
論外。素直に最新のiPhoneを買おう。 - モバイル決済をよく使う人
セキュリティアップデートが終了している端末で、Apple Payやクレジットカード情報を扱うのはリスクがある。銀行アプリも使えなくなる可能性を考えておくべき。 - バッテリー持ちを重視する人
どんなにバッテリー交換しても、最新機種の省電力設計には勝てない。朝満充電でも、夕方には危ういと思ったほうがいい。
中古で買うときのチェックポイント
もし「わかった、俺はiPhone6sを買う」と決めたなら、以下のポイントを絶対にチェックしてほしい。
- バッテリー最大容量を必ず確認する
設定 → バッテリー → バッテリーの状態 で確認できる。80%以下は「もう交換時期」と思え。 - SIMロックの有無
「ドコモ版」を買って、楽天モバイルで使おうとすると、使えない場合がある。自分の使っているキャリアの対応周波数を軽く調べてから買おう。 - ホームボタンの感触
物理ボタンなので、経年劣化で「カチッ」感が弱くなっている個体もある。押した感じが変だったら、別の個体を探したほうが無難。 - 価格相場(2025年現在)
- ジャンク品(画面割れなど): 3,000円〜5,000円
- 中古並品: 6,000円〜9,000円
- 美品: 10,000円〜15,000円
「美品で1万円」なら、まあ妥当。でもそれ以上出すなら、もう少し頑張ってiPhone SE 第2世代を検討したほうが幸せになれるかもしれない。
まとめ:iPhone6sは「思い出の詰まった実用端末」
iPhone6sの発売日から約10年。
このモデルは、Appleがまだ「実験的」だった時代の最後の輝きを放っている。3D Touchという無謀な挑戦。筐体の強度へのこだわり。ローズゴールドという新色で世界中を驚かせたマーケティング力。
今、この端末を手に取ることは、単に「安いスマホ」を買うこととはちょっと違う。スマホがまだ「道具」でありながら「憧れ」だった時代の空気を、一緒に手に入れることかもしれない。
サブ機として、音楽プレーヤーとして、あるいは子供への最初の一台として。
もしあなたが「iPhone6s 発売日」を検索してこの記事にたどり着いたなら、ぜひ一度、中古ショップで実物を手に取ってみてほしい。あの頃の熱気が、ほんの少しだけ蘇ってくるから。
そして、もし買うならバッテリー交換は必須。それだけは忘れずに。
