最近、机の上をスッキリさせたい人や、コスパ重視でPCを選びたい人の間で「ミニPC」が急速に注目されています。手のひらサイズなのに、動画編集やビジネス用途でも十分使える性能を持つモデルが続々登場。2025年はまさに“ミニPC元年”といってもいい年になりそうです。ここでは、最新の販売動向や人気モデル、選び方のポイントをわかりやすく紹介します。
国内外で拡大するミニPC市場の今
2025年のPC市場は、Windows 10サポート終了を控えた買い替え需要で全体的に盛り上がりを見せています。日本電子情報技術産業協会(JEITA)の調査では、国内PC出荷台数が前年比40%以上増加すると予測されており、その中でもミニPCの伸びが特に目立ちます。
小型で省スペースな設計は、テレワークやコンパクトなワークスペースにぴったり。従来のデスクトップPCと比べて消費電力が低く、騒音も少ないため、家庭用・オフィス用の両方で需要が広がっています。
一方、海外でもAI対応PCや省電力チップを搭載したモデルが増加。Gartnerの予測によると、2025年にはAI機能を備えたPCが市場全体の3割を超える見通しです。ミニPCもその潮流に乗り、AI処理やクリエイティブ用途に対応するモデルが増えています。
2025年に売れている人気ミニPCたち
最新の売れ筋ランキングを見ると、上位にはApple、ASUSなどの大手に加え、中国ブランドの急成長が目立ちます。
- Apple Mac mini
M4チップを搭載した定番モデル。高速処理とmacOSとの親和性でクリエイターから支持を集めています。省電力性にも優れ、長時間稼働にも強い一台です。 - GMKtec NucBox M7
コスパ重視派から絶大な人気を得ているモデル。RyzenやIntelの高効率CPUを搭載しつつ、5万円前後で入手できる点が魅力。静音性と発熱対策もしっかりしています。 - GEEKOM A5
8コア16スレッドのRyzen 7を採用し、動画編集やゲームもこなせるパワフル機。4画面出力や8K映像対応など、上位PC顔負けの機能を備えています。 - ASUS Mini PC PN42
安定性重視の定番モデル。インテルN100を搭載し、ビジネス利用や教育機関向けに最適です。省エネ性能と拡張性のバランスが取れています。
こうした人気モデルの共通点は、「省スペース」「静音」「拡張性」「高コスパ」。用途に応じて、低価格モデルから高性能モデルまで選択肢が広がっています。
価格帯ごとに見るトレンド
ミニPC市場では価格帯によって性能と用途が明確に分かれます。
- 3万円以下:エントリーモデル
Intel N100/N95やCeleronなどを搭載し、書類作成やWeb会議、動画視聴などの日常用途にぴったり。NiPoGiやBeelinkなどの中華ブランドが中心で、コストパフォーマンスに優れています。 - 5~7万円前後:ミドルクラス
Core i5/Ryzen 5を搭載し、画像処理やマルチモニター環境にも対応。冷却性能や拡張スロットも充実しており、メインPCとして十分な性能を備えます。 - 10万円前後:ハイエンドモデル
Ryzen 7/Core i7クラスやM4チップ搭載モデル。AI処理や動画編集など負荷の高い作業にも対応し、Apple Mac miniやGEEKOM A5などがこのクラスに位置します。
2025年はミドル帯の性能向上が特に顕著で、5万円台でも軽作業からクリエイティブまでこなせる製品が増えました。
ミニPCを選ぶときにチェックしたいポイント
ミニPCは小型ながら個性が強いジャンルです。購入前に確認しておきたいポイントを整理します。
1. 用途を明確にする
まず、何に使うかを決めましょう。動画編集やゲームをしたいのか、オフィス作業中心なのかで必要なスペックが変わります。軽作業ならN100でも十分、高負荷用途ならRyzen 7やCore i7クラスを選ぶのが安心です。
2. CPUとメモリ容量
8GBメモリでは複数タブのブラウジングやZoomで重くなる場合もあります。2025年モデルなら16GBを標準に、余裕があれば32GB搭載モデルが理想です。CPUは第12世代以降のIntelやRyzen 7000番台が主流です。
3. ストレージと拡張性
SSD 512GB以上を目安に。将来的に容量を増やしたいなら、M.2スロットが2基以上あるモデルを選ぶと安心。中には2TBや3TBまで増設できる製品も登場しています。
4. ポートの種類と数
USB-C(またはUSB4)、HDMI×2、DisplayPort、LANポートが複数あると便利。4Kや8K映像を複数モニターに出力できるモデルも増えています。
5. 静音性と冷却性能
ミニPCは小さいぶん熱がこもりやすいので、冷却設計が重要です。最新モデルでは「IceBlast 2.0」など独自の冷却機構を備えたものもあります。
6. サポート体制
海外ブランドを選ぶ際は、国内販売代理店があるか、保証期間や修理対応を確認しましょう。特に長期使用を考えるならここが大事です。
海外ブランドVS国内ブランド
ミニPC市場では、ここ数年で海外ブランドの存在感が急上昇しています。
中国系ブランドの台頭
GMKtec、GEEKOM、NiPoGiなど、いずれも深圳を拠点とするブランドが勢力を拡大。製造技術の向上とコスト圧縮で、3万円台でも実用レベルの性能を実現しています。AI対応チップを採用したモデルも登場し、機能面では大手に劣りません。
国内・大手ブランドの強み
一方で、AppleやASUS、HPなどは品質管理やサポート面での安心感が強み。特にAppleのMac miniは、macOSとiPhone・iPadとの連携性が高く、クリエイティブ職の定番機として根強い人気があります。
結果的に、ユーザーは「価格重視で海外製」「信頼性重視で国内製」という選び方をする傾向が強まっています。
2025年の注目トレンドと今後の展望
これからのミニPC市場では、次のような動きが加速すると考えられます。
- AI対応PCの普及
Intel、AMD、QualcommがAI処理を強化した新チップを発表。今後はミニPCでもAIアシスタントや画像生成などをスムーズに扱える時代が来ます。 - 省エネ化と静音化の進化
各社が冷却構造を改良し、消費電力と騒音を抑えた設計を進化させています。リビングや会議室での常時稼働にも適したモデルが増えています。 - マルチモニター・8K対応の一般化
2025年の新モデルでは、3~4画面出力や8K映像対応が標準装備になりつつあります。コンテンツ制作や株式トレードなど、プロ用途にも広がるでしょう。 - デザイン性とエコ素材の採用
コンパクトでスタイリッシュな筐体に加え、リサイクル素材を使った環境配慮型モデルも増えています。
こうしたトレンドからも、ミニPCが「サブ機」ではなく「主力マシン」としての地位を確立しつつあることがわかります。
まとめ:ミニPCの販売動向2025年版!今注目される人気モデルと購入ポイント
2025年のミニPC市場は、これまでにないほど多様で魅力的になっています。
AppleやASUSといった大手の信頼感あるモデルから、GEEKOMやGMKtecなどの高コスパ機まで、選択肢は豊富。
「省スペース・静音・高性能」を兼ね備えたミニPCは、仕事でも趣味でも活躍の場を広げています。
これから購入を検討するなら、まず自分の用途を明確にし、必要な性能と拡張性を整理しておきましょう。ミニPCは小さいながらも進化のスピードが速く、2025年はまさに“次世代デスクトップ”への転換期。
あなたの作業環境にぴったりの一台を見つけて、快適なPCライフを手に入れてください。
