もう6年以上前の機種、iPhone XS。でも、今でもネットでは「デザインが一番好き」「まだ現役で使っている」という声がちらほら聞こえてきますよね。中古市場では手頃な価格で見かけることも増えてきました。
ふと、「今からiPhone XSを買っても、まだ使えるのかな?」と考えたことはありませんか? 確かにあのスタイリッシュなデザインと手に馴染むコンパクトさは魅力です。でも一方で、「サポートが終わったって聞くし、大丈夫?」という不安もあるはず。
この記事では、そんなあなたの疑問に、現実を正直にお伝えしながら答えていきます。購入を検討する前に知っておくべきメリットと、絶対に無視できないデメリットを、徹底的に整理しました。最後には、iPhone XSが「まだ買い」と言える人と、そうでない人の姿もはっきりと見えてくるはずです。
今さら聞けない、iPhone XSの基本性能をおさらい
まずは、おさらいから。iPhone XSは、2018年の秋に登場したモデルです。当時は「X」シリーズの進化形として、高い注目を集めました。その特徴を、今の目線で見直してみましょう。
一番の特徴は、やはりそのバランスの良いサイズ感と高級感あるデザインです。5.8インチの有機ELディスプレイは、当時としては最高峰の美しさで、今見ても色鮮やかです。画面はみっちりと埋まり、ステンレスのフレームとガラスの背面が、小さなボディにしっかりとした存在感を与えています。手の小さい人や、ポケットにすっと入れたい人には、今でも理想的な大きさと言えるでしょう。
性能のコアとなるA12 Bionicチップは、発売から時間が経っていますが、驚くほど息が長いです。普段の使い方、つまりメールやSNSのチェック、ウェブ閲覧、動画視聴、ちょっとしたゲームくらいなら、まだまだ「サクサク」という印象を与えてくれます。あの当時のハイエンドモデルとしての筋肉は、しっかりと残っているんですね。
カメラは、広角と2倍望遠の2レンズ構成。望遠レンズがあれば、被写体にぐっと寄った写真も撮れるので、今でも十分実用的です。日中などの明るい場所での写真は、その性能を存分に発揮して、色味も綺麗に写してくれます。
忘れてはいけない、最大の壁「公式サポート終了」
ここからが、とても重要な話です。iPhone XSを語る上で、絶対に避けて通れない現実があります。それは、Appleによる公式のソフトウェアサポートが終了しているということ。
具体的に何が変わるのか、そして何が心配なのかを、ひとつずつ見ていきましょう。
まず、セキュリティが心配になるのは当然です。 サポートが終わると、iOSの新しいバージョンはもちろん、セキュリティアップデートも提供されなくなります。インターネットの世界では日々新しい脅威が生まれていますが、それらからデバイスを守る「最新の盾」が手に入らなくなるのです。オンラインバンキングや、個人情報をたくさん扱うアプリを使うのが不安…というのは、当然の感覚です。
次に、アプリの将来が不透明になります。 今はまだ、多くの主要アプリは問題なく動きます。しかし、アプリの開発者が、より新しいiOSの機能を前提にアップデートを重ねていく未来を考えると、いつか「このアプリは使えません」と言われる日が来るかもしれません。特に、新しい技術を積極的に取り入れるゲームアプリなどは、早くに影響が出る可能性があります。
そして、修理の道がどんどん狭まります。 Appleは通常、発売から7年ほどでその機種の修理サービスを終了します。つまり、iPhone XSは、もうすぐ(あるいはすでに)公式の修理窓口で部品を交換してもらえなくなる時期に差し掛かっています。もし画面を割ってしまったり、バッテリーを交換したくなったりした時、選択肢は「非公式の修理店」に限られてきます。これは大きなデメリットです。
中古購入、その前にチェックすべき5つのポイント
「それでも、予算やデザイン的にiPhone XSがいい!」と考えるあなたへ。中古を購入する際には、通常のスマホ以上に注意深く状態を確認する必要があります。次の5点は、必ずチェックリストに入れておきましょう。
- バッテリーの健康状態は最優先事項
iPhoneの命はバッテリーです。設定から「バッテリーの状態」を確認し、「最大容量」が何%かを必ず確かめましょう。80%を切ると、日常生活で「充電がすぐ切れる」と感じるようになります。中古品の場合、多くの場合ここが課題です。購入直後にバッテリー交換が必要になる可能性が高いと覚悟し、その費用(数千円〜1万円程度)も予算に含めて考えてください。 - ストレージ容量は「余裕」を選ぶ
64GBモデルは、今のアプリのサイズや高画質な写真・動画を考えると、すぐに一杯になってしまいます。長く使おうと思うなら、最低でも128GB、できれば256GBのモデルを選ぶことで、ストレージ不足のストレスから解放されます。 - 画面の傷・焼き付きは入念に
画面に細かいキズはないか、特定の色が残像のように見える「焼き付き」が起きていないか、白い画面などでよく観察してください。また、液晶と筐体の隙間(浮き)がないかもチェックポイントです。 - Face IDは正常に動くか
iPhone XSのロック解除の要は、Face ID(顔認証)です。暗い場所でも、様々な角度でも、きちんと認証されるかをテストしましょう。不具合があると、毎日の使用がとても不便になります。 - 「水没歴」や大きな衝撃の痕跡がないか
充電端子の中やSIMトレイの隙間にある「液体侵入インジケーター」が赤くなっていないか確認しましょう。また、筐体が曲がっていたり、角に大きなへこみがないかも、内部にダメージを与えている可能性があるので要注意です。
ユーザーの本音から見える、iPhone XSのいま
スペック表や注意点だけではわからない、実際の使い心地はどうなのでしょう。長く使い続けている人や、最近中古で購入した人の声を集めてみると、その「いま」の姿が浮かび上がります。
良い評価として多いのは…
- 「とにかく軽くて持ちやすい!最新の大型モデルから戻ってきたら、その軽さに感動した」
- 「デザインの完成度が高く、今見ても古さを感じない。この手触りと質感がたまらない」
- 「普段使いはSNSと動画視聴が中心だけど、全くストレスなく使える。A12チップはまだまだ現役」
- 「Appleのエコシステム(iCloudやAirDrop)に安価に入れる最安のゲートウェイとして最高」
一方で、こんな不満や不便さも挙がっています…
- 「バッテリーの持ちがネック。新しい時から容量が大きい方ではなかったので、交換しても満足できないかも」
- 「充電しながら使うと、やけに発熱することがある」
- 「iOS 15以降で導入された『マスクをしたままのFace ID』に対応していない。今の時代、これはちょっと面倒」
- 「欲しいデザインのケースや保護フィルムが、新品ではほとんど見つからなくなった」
あなたに合っている?iPhone XS以外の選択肢も考えよう
iPhone XSの良さはわかったけれど、やっぱりサポート終了のリスクが気になる…。そんな時は、少し視野を広げて、他の選択肢と比較してみることをおすすめします。同じ予算帯、あるいは少しだけ上乗せすることで、得られる安心感が全く変わってくるからです。
「とにかく最新のOSとセキュリティが欲しい!でも予算は抑えたい」というあなたへ。
iPhone SE(第3世代) は、非常に有力な選択肢です。2022年発売で、最新のA15 Bionicチップを搭載しているため、少なくともあと数年は確実に公式サポートが続きます。性能面では圧倒的に安心です。ただし、デザインは昔ながらのホームボタン付きで、画面も小さいため、iPhone XSのモダンな全画面デザインを好む人には物足りないかもしれません。
「サポートも、ある程度の現代的なデザインも両方欲しい」というあなたへ。
中古市場で、もう数世代新しい 「iPhone 13」や「iPhone 13 mini」 を探してみてはいかがでしょうか。デザインは現在のフラットデザインに変わっていますが、サイズ感は近く、A15チップとより長いサポート期間という大きなメリットがあります。カメラ性能、特に暗い場所での撮影能力も格段に向上しています。中古価格はiPhone XSより少し高くなりますが、その差額は「将来への投資」と考える価値は十分にあるでしょう。
「子どもに持たせる初めてのスマホとして、できるだけ安く、でも安心なものがいい」というあなたへ。
最新のエントリーモデル、例えば iPhone 16e の検討をおすすめします。新機種なのでもちろんサポートは長く、バッテリーの持ちも大幅に改善されています。確かにデザインやカメラレンズ数では妥協点がありますが、「長く安定して、安全に使わせられる」 という最大の目的を考えると、最適な解になることが多いのです。
結論:iPhone XSを今あえて選ぶ意味とは?
さて、ここまでiPhone XSの光と影を見てきました。最終的に、このスマートフォンは今、どんな人にとっての「名機」となり得るのでしょうか?
それは、「リスクを十分に理解した上で、限られた予算で、高級感と基本性能のバランスを最優先する人」 です。
具体的に言えば、こんな条件をすべて満たすあなたです。
- 予算をどうしても3〜5万円台に抑えたい。
- 最新のカメラ機能やゲーム性能には興味がなく、SNS、ネット、動画、通話・メールが快適にできれば満足。
- セキュリティアップデートが止まるリスクを理解し、重要な作業はパソコンなど他の手段でカバーできる。
- 「いつ壊れてもおかしくない」「いつか使えなくなる」ということを、最初から受け入れている。
- 何よりも、あの手にしっくりくるサイズと、金属とガラスの質感を愛している。
逆に、以下のことに一つでも当てはまるなら、iPhone XSよりも、先に挙げたようなもう少し新しいモデルを選んだ方が、長い目で見て後悔しない選択になるでしょう。
- スマホでオンライン決済や銀行取引を頻繁にする。
- これ一台を、あと3〜4年は問題なく使い続けたい。
- 夜景や動画など、ある程度本格的な写真・動画を撮りたい。
- 公式の修理サポートが受けられる安心感が欲しい。
スマホ選びは、スペックの羅列ではなく、自分の生活と価値観に照らし合わせる作業です。iPhone XSは、最新を追うことをやめた時、その美しい佇まいと、まだまだ現役で頑張れる実力で、特定のユーザーを今でも満足させてくれる、一種の「ツール」としての輝きを保っています。
iPhone XS を今、買う?買わない? その答えは、あなたの毎日の使い方と、スマホに何を求めるかという一番深いところにあるのです。
