最近、コンパクトで省電力な「ミニPC」がどんどん進化しています。中でも注目を集めているのが「Intel N150」を搭載したモデルです。ただ、同じシリーズの「N100」や「N200」と何が違うのか、どれを選べばいいのか迷う人も多いはず。
この記事では、N150の特徴を軸に、N100やN200との違いをわかりやすく解説しながら、自分に合った選び方を紹介します。
N150とは?まずは基本スペックを押さえよう
N150は、Intelが開発した低消費電力CPU「Intel Processor」シリーズのひとつ。
4コア/4スレッド構成で、最大3.6GHzまで動作します。キャッシュ容量は6MBで、メモリはDDR4-3200やDDR5-4800、LPDDR5-4800などに対応。設計上のTDP(消費電力)は約6Wと非常に低く、ファンレスや小型筐体にも適しています。
つまり、「軽作業を静かに、電力を抑えてこなしたい人」にピッタリのチップです。
ベンチマーク上ではN100よりも約10%ほど性能が高いとされ、日常的なブラウジングやオフィスソフトの操作では動作が軽快に感じられる場面もあります。
また、N150を搭載したミニPCは、Beelink EQ14 N150やGMKtecといったメーカーから多く登場しており、コンパクトでおしゃれなデザインが多いのも特徴です。HDMIポートやLAN端子、USB-Cなども装備し、家庭用からビジネス利用まで幅広く対応できます。
N100との違い:性能差は「わずかだけど確実」
N100も同じく4コア/4スレッド構成で、最大3.4GHz。スペック上はN150とほぼ同じですが、細かい部分で改良が加えられています。
実際のレビューでは、N150はシングルスレッド性能が少し高く、Webページの読み込みやアプリ起動が若干スムーズになるという評価が多いです。
ただし体感できる差は「ほんの少し」。
YouTubeの4K動画再生やOffice作業、メール、SNS、Zoomなどの用途では、正直N100でも十分。
では、なぜN150が選ばれるのか? それは“より新しい世代”であり、省電力効率がわずかに改善されている点が魅力だからです。長く使いたい人や、より安定した動作を求める人にとっては「N150」という選択肢が安心感につながります。
N200との違い:より高性能だが価格とのバランスが鍵
N200は、同じIntel 7プロセス製造の上位モデル。最大3.7GHzとクロックが高く、内部チューニングも最適化されています。
ベンチマークではN150よりも数値上の性能がやや高く、マルチタスクや複数のアプリを同時に動かす場面で優位です。
ただし、N200搭載モデルは価格が1万円以上高くなるケースが多く、「そこまで性能を使い切れない人」にとってはコスパが下がります。
日常的な用途であれば、N150でもほぼ同等の快適さを感じられることが多く、負荷の大きい作業をするかどうかが選択の分かれ目です。
「軽作業中心ならN150」「動画編集や複数モニタ運用を考えているならN200」と覚えておくと分かりやすいでしょう。
実際のミニPCに見るN150の魅力
N150を搭載したミニPCの魅力は、なんといってもその小ささと静かさです。
たとえばBeelink EQ14 N150は、手のひらサイズながら12GBのメモリとM.2スロットを搭載。デュアルHDMIで4K出力にも対応しています。
しかも、ファンノイズが非常に少なく、リビングや寝室に置いても気になりません。
こうしたモデルは、Web会議用PC、動画ストリーミング端末、NASやホームサーバー用など、さまざまな使い方ができます。
省電力設計なので、24時間稼働させても電気代が抑えられるのもポイント。
また、Windows 11やLinuxなど複数OSに対応しているため、カスタマイズしたい人にも向いています。
N150を選ぶメリットと注意点
メリット
- N100より新しく、若干ながら性能が向上
- 省電力かつ静音性が高く、ファンレス設計も可能
- 小型筐体で設置場所を選ばない
- 一般的な作業やメディア再生には十分なパワー
- 長期サポートが見込める世代のCPU
注意点
- 性能差はわずかで、コスパ重視ならN100でも良い
- シングルチャネルメモリ構成のモデルが多く、内蔵GPU性能が制限される場合がある
- PCIeレーン数が限られるため、拡張性を求めると不便なことも
- 高負荷作業には不向きで、動画編集やゲームにはパワー不足
N150は、あくまで「軽作業用に最適化されたCPU」です。
性能を過信せず、自分の用途に合っているかを見極めることが大切です。
どれを選ぶ?N100・N150・N200の使い分け
ミニPCを選ぶ際は、CPUだけでなく構成全体を見て判断しましょう。
以下は、用途別のざっくりした目安です。
- N100搭載PC:動画視聴、Office作業、Webブラウジング、メール中心
- N150搭載PC:軽いマルチタスク、静音重視、長期利用を見据えたい人
- N200搭載PC:写真整理、軽めの動画編集、2画面出力など少し負荷がある作業
また、購入前にチェックしたいのは以下のポイントです。
- メモリがデュアルチャネル対応か
- ストレージがNVMe対応か
- HDMIやLANなど、必要なポートが揃っているか
- 冷却構造や静音性が自分の使い方に合うか
こうした要素を確認することで、同じCPUでも「使いやすさ」が大きく変わります。
まとめ:ミニPC N150は“静かに快適”を求める人にぴったり
ミニPC N150は、性能と省電力のバランスが非常に良いチップです。
N100よりもやや高性能で、N200ほど高価ではない“ちょうどいいポジション”。
小型で静音、消費電力も少ないため、家庭用やサブ機として理想的な選択肢と言えます。
一方で、N150はあくまでエントリー向け。
重い動画編集やゲームなどを想定するなら、N200やCore iシリーズなど上位CPUを検討するのが無難です。
もしあなたが、「小さくて静かで、必要十分な性能が欲しい」と思っているなら——
N150搭載のミニPCは、その期待にしっかり応えてくれるはずです。
