最近では「デスクをすっきりさせたい」「テレビ裏に隠したい」といった理由から、ミニPCを選ぶ人が増えています。でも実際に探してみると、同じ“ミニPC”でもサイズがバラバラ。100mm四方のものもあれば、200mm近いモデルもある。
――いったいどのサイズを選べばいいの?という疑問を感じた人も多いはずです。
この記事では、設置場所ごとに「どんなサイズのミニPCが最適なのか」を、実際の製品例や使い勝手の観点からわかりやすくまとめていきます。
ミニPCとは?サイズの目安を知ろう
まず、「ミニPC」とはどのくらいの大きさを指すのでしょうか。
一般的なデスクトップよりも小さいパソコン全般を指しますが、その中でもサイズの幅があります。
多くのメーカーが出しているミニPCは、おおむね
・幅・奥行:100〜150mm前後
・高さ:30〜50mm程度
が標準的なサイズ帯です。
例えば、GEEKOM A5のように112mm四方の超小型モデルもあれば、ASUS Mini PCのように150mmを超えるやや余裕のあるモデルもあります。中には200mm級で、冷却性能や拡張性を確保したタイプも存在します。
このように「ミニPC」と言っても、小型ノートのACアダプターほどのものから、手のひらを少し超える大きさまで幅広い。
そのため、設置場所との相性を基準に選ぶことが最も大切になります。
モニター裏や壁掛けに置くなら“超小型”がベスト
デスク上に何も置きたくない、配線も見せたくない。
そんな人に人気なのが「モニター裏に隠す」スタイルです。
この場合、選ぶべきは幅・奥行が100〜130mm、高さ30〜40mmほどの超小型モデル。
VESAマウント対応(モニター裏に取り付け可能)であれば、画面背面にぴったりと固定でき、見た目はモニター1台だけというミニマル環境を実現できます。
例えば、GEEKOM A5(112×112×37mm)や、117×111×30mmクラスのモデルなら理想的です。
ただし注意したいのが、通気性。
モニター裏は壁に近く、熱がこもりやすい場所です。小さければ良いというわけではなく、排気口の位置と冷却性能を必ず確認しましょう。
また、電源アダプターが外付けタイプの場合、ケーブルの取り回しがネックになりがち。USB-C給電対応モデルを選ぶと、配線が一本で済んで見た目もスッキリします。
デスクの上に置くなら“標準サイズ”が扱いやすい
在宅ワークや日常使いのサブPCとして、机の上に置いて使うなら、
150〜200mm角・高さ50〜100mmの“標準サイズ”が使いやすいです。
このサイズ帯のメリットは、拡張性と冷却性能のバランス。
メモリ増設やストレージ追加ができるモデルも多く、背面や側面にUSBやHDMIポートをしっかり備えています。
机の上に置く場合、あまり小さすぎるとケーブルの抜き差しがしづらくなったり、ファンが高回転でうるさく感じることもあります。
150mm以上ある筐体なら、静音性・放熱性・メンテナンス性の面で安心です。
ASUS NUC 14 Essential や HP Elite Mini 805 G8 のようなモデルは、ビジネス用途にも耐える高性能ながら、スペースを取りすぎない絶妙な大きさ。
デスク上で「ちょうどいい存在感」を保てます。
リビングやテレビ横なら“見せないデザイン”を意識
テレビ横に設置してホームシアターPCとして使う場合は、
100〜150mm角・高さ20〜50mm前後の「薄型タイプ」がおすすめです。
AVラックや棚の隙間にも収まり、ケーブル類を裏に隠しやすいのがポイント。
最近はブラックやシルバーなど、家電と調和するデザインのミニPCも増えています。
静音性が高く、電源ON時でもファンの音が気にならないモデルを選ぶと、映画や音楽鑑賞の邪魔になりません。
また、HDMIポートの位置や電源ボタンの向きも確認しておきましょう。棚の奥に置く場合はリモート起動対応モデルが便利です。
サイズを選ぶときのチェックポイント
「どのサイズが良いか」を決める際は、以下の5つを意識すると失敗しません。
- 実寸を測る
設置予定のスペース(机の端やテレビ棚の奥行き)をメジャーで測り、5cmほど余裕をもたせるのがコツ。 - 通気の確保
壁や棚の奥に置くときは、吸気口・排気口をふさがない位置を選ぶ。特にモニター裏は要注意です。 - 電源アダプターの位置
筐体が小さくてもアダプターが大きいと、結局場所を取ります。USB-C給電タイプはスマート。 - ポートの数と向き
小さいモデルほど端子が減ります。外付け機器をよく使うなら、USBが前面にもあるモデルが便利。 - 冷却と静音
超小型はファンが小さく、音が高めになりやすい。静音性重視なら、少し大きめの筐体を選ぶと快適です。
こうしてチェックしていくと、単なる「サイズの比較」ではなく、自分の生活空間との“フィット感”が見えてきます。
サイズで変わる使い勝手とトレードオフ
ミニPCを選ぶ上で、小さいことは確かに魅力です。
でも、サイズを小さくすればするほど、犠牲になる部分もあります。
小さいほど得られるメリット
- 省スペースで設置場所を選ばない
- ケーブル配線が少なく見た目がきれい
- 軽量で持ち運びがしやすい
小さいほど注意が必要な点
- 冷却能力が限界に近くなる
- ポート数・拡張性が少なくなる
- メモリやSSD交換が難しい
- ファン音が上がりやすい
記事で紹介したように、ミニPCは「どこに置きたいか」「何に使いたいか」で最適サイズが変わります。
つまり、“一番小さい”よりも“自分に合った大きさ”を選ぶのが正解です。
設置場所別おすすめのサイズ感まとめ
- モニター裏・壁掛け派:100〜130mm角、高さ30〜40mm
→ 見せない設置、完全な省スペース重視。 - デスク上派:150〜200mm角、高さ50〜100mm
→ 作業効率・冷却性能・拡張性のバランス型。 - リビング派:100〜150mm角、高さ20〜50mm
→ インテリアに溶け込むデザインと静音性を重視。
設置予定の空間を事前に測り、奥行・高さにゆとりを持って選ぶのがコツです。
特に棚の中やモニター裏に入れる場合は、ケーブル分も含めて余裕を確保しましょう。
ミニPCのサイズ選びは“生活スタイル”に合わせよう
ミニPCのサイズ比較をしていくと、「どこに置きたいか」「どう見せたいか」が自然と明確になります。
同じスペックでも、設置場所によって最適な形が変わる。
リビングで静かに動かしたい人は薄型モデルを。
仕事机に据え置きたい人は拡張性のある少し大きめを。
そして、ミニマルなデスクを追求するなら、モニター裏に隠せる超小型が最高の相棒です。
これからミニPCを選ぶ人は、まず自分の環境を見回してみてください。
限られたスペースでも、最適なサイズを見つけることで、作業効率も見た目もぐっと快適になります。
まとめ:ミニPCのサイズ比較ガイドで自分に最適な1台を見つけよう
ミニPCのサイズ比較を通じてわかるのは、「サイズ=使い心地」だということ。
数センチの差で、設置の自由度も、静音性も、メンテナンス性も変わります。
これから選ぶなら、ただ“コンパクト”という言葉に惑わされず、
自分の生活空間と用途にぴったり合うサイズを探してみてください。
最小限のスペースで最大限の快適さを――
それこそが、ミニPCが持つ本当の魅力です。
