最近では、手のひらサイズの「ミニPC」が注目を集めています。省スペースで場所を取らず、見た目もスマート。しかも、使い方次第では高性能デスクトップにも負けないパワーを発揮します。
でも、「どんなパーツを選べばいいの？」「カスタマイズできるの？」と迷う人も多いはず。この記事では、ミニPCを自分好みにカスタマイズするための基本とコツを、CPU・メモリ・ストレージの観点からわかりやすく紹介します。
ミニPCの魅力とカスタマイズの考え方
ミニPCの魅力は、なんといっても「省スペース」と「静音性」。机の上に置いても邪魔にならず、リビングや寝室にも自然に溶け込みます。最近は、性能面でもノートPCを超えるモデルが多く、動画編集やゲームにも対応できるレベルです。
ただし、筐体が小さい分、拡張性や冷却性能には制約があります。
そのため、カスタマイズを考えるときは「どこまで自分で交換・追加できるか」を最初にチェックするのがポイント。
特に重要なのは次の3点です。
- メモリやストレージが交換・増設可能か
- 冷却ファンやヒートシンクの容量に余裕があるか
- 電源容量や端子構成（USB、HDMIなど）が用途に合っているか
この3つを把握しておけば、将来的にも長く快適に使えるミニPCを作れます。
用途に合ったCPUを選ぶコツ
ミニPCの心臓部となるのがCPU。性能の方向性を決める最重要パーツです。
選び方の基本は「用途に合わせる」こと。高性能＝正解ではありません。
軽い作業中心なら省電力CPUを
Web閲覧、Office作業、YouTube視聴などが中心なら、Intel Core i3／AMD Ryzen 3クラスでも十分。
これらのCPUは低消費電力で発熱も少なく、静音性を重視するミニPCにぴったりです。
クリエイティブ用途ならミドルレンジ以上を
画像処理や簡単な動画編集、音楽制作などをするなら、Intel Core i5／Ryzen 5以上がおすすめ。
このクラスになると、複数アプリを同時に開いてもサクサク動作します。
ゲーム・動画編集なら高性能モデルを
3Dゲームや4K動画編集をするなら、Core i7／Ryzen 7クラスを検討。
ただし、高性能CPUは発熱も増えるため、冷却性能がしっかりした筐体を選ぶのが必須です。
内蔵GPUの性能もチェック
ミニPCでは外付けグラフィックボードが使えない場合も多いため、CPU内蔵GPUの性能も重要です。
特にRyzenシリーズの「G付き」（例：Ryzen 5 5600G）は内蔵GPUが強力で、軽めのゲームなら快適に動作します。
快適さを左右するメモリ選び
ミニPCのカスタマイズで最も体感差が出るのがメモリ（RAM）です。
容量が足りないと、どんな高性能CPUでも動作がもたつくことがあります。
目安となる容量
- 基本的な作業：8GB
- クリエイティブ作業やマルチタスク：16GB
- 動画編集・仮想環境構築など：32GB以上
一般的には16GBあれば、数年は不満なく使えます。
メモリのタイプと増設の可否
ミニPCには「交換可能なSODIMMスロットタイプ」と「基板直付け（オンボード）」タイプがあります。
オンボードタイプは増設できないので、最初から余裕のある容量を選んでおきましょう。
また、**デュアルチャンネル構成（同容量メモリ2枚差し）**にすることで転送速度が向上します。特に内蔵GPU利用時には効果が大きいです。
メモリ速度にも注目
DDR4からDDR5に切り替わる流れの中で、速度の差も大きくなっています。
最新のDDR5対応モデルを選ぶと、より長く使える可能性が高いです。
ストレージ（SSD・HDD）の選び方と拡張性
ストレージは、OSやアプリの起動速度に直結する要素です。
最近のミニPCはほとんどがSSD搭載ですが、どのタイプを選ぶかで体感速度が変わります。
SSDの種類
- NVMe SSD（M.2スロット）：最も高速で、起動・読み込みが圧倒的に速い。
- SATA SSD：NVMeよりやや遅いが、価格が安く扱いやすい。
- HDD：大容量データ保存向き。速度は遅いがコストパフォーマンスが高い。
容量の目安
OSとアプリだけなら256GBでも足りますが、写真・動画・ゲームを扱うなら512GB〜1TBは欲しいところ。
将来の拡張を考え、M.2スロットが2つ以上あるモデルだと安心です。
発熱対策も大事
NVMe SSDは高温になりやすいため、冷却設計がしっかりしているかを確認しましょう。
ヒートシンク付きモデルを選ぶと安心です。
カスタマイズしやすいミニPCのおすすめ例
実際にカスタマイズが楽しめるミニPCをいくつか紹介します。
ここでは「自分でメモリやストレージを交換できるモデル」を中心にピックアップします。
- ASRock DeskMini X600
ベアボーンタイプで、CPU・メモリ・SSDをすべて自分で選べる。パーツを組み替えて遊べる自作派向け。 - GMKtec K8 Plus
Ryzen 7搭載ながら小型・静音。メモリやSSDの交換も簡単で、バランスの取れた万能モデル。 - ASUS NUC 14 Essential
安定性重視の定番NUCシリーズ。初心者でも扱いやすく、仕事・趣味どちらにも使える。 - Shuttle XPC DH170
昔ながらのベアボーンスタイル。用途に合わせてCPUやストレージを自由に選べる自由度が魅力。
これらのモデルは、カスタマイズの自由度が高く、将来的な拡張にも向いています。
特にベアボーン型は「自分の好きなパーツを選ぶ」楽しさを味わえるでしょう。
カスタマイズのポイントと注意点
カスタマイズを成功させるコツは、「全体のバランスを取る」ことです。
CPUだけハイスペックにしても、メモリが足りなければ性能を発揮できません。
ストレージの速度も体感に影響するため、どの要素も偏りなく考えることが大切です。
また、ミニPCはスペースの制約があるため、発熱と冷却が大きな課題。
パーツ交換時は、エアフローの確保や放熱シートの有無にも注意しましょう。
静音性を重視したい場合は、低TDPのCPUや静音ファンを選ぶのがおすすめです。
まとめ：ミニPCを自分好みにカスタマイズして楽しもう
ミニPCは、単なる小型PCではありません。
限られたスペースの中で「性能・静音・デザイン・拡張性」のバランスを取る、まさに“自分仕様のガジェット”です。
カスタマイズの第一歩は、用途を明確にすること。
そこから、CPU・メモリ・ストレージのバランスを考え、自分のスタイルに合った構成を選びましょう。
そして、最後にもう一度。
小さな筐体の中には無限の可能性があります。
あなたのライフスタイルにぴったりのミニPCを、自分の手でカスタマイズしてみませんか？
ミニPCを自分好みにカスタマイズする方法！CPU・メモリ・ストレージ選びのコツを解説
自分に最適なパーツを選び、手軽にパワーアップできるのがミニPCの魅力。
この記事を参考に、理想の一台を組み上げてください。
