あなたのiPhone、本当に安全ですか?
ある日突然、iPhoneが故障してしまったら……水没させてしまったら……すべての思い出の写真、大切な連絡先、何年も続けてきたチャットの履歴が一瞬で消えてしまうかもしれません。そんな悪夢を避けるために、今日こそ「バックアップ」の習慣を始めましょう。
iPhoneのバックアップは、実は思っているよりずっと簡単です。この記事では、Apple公式の情報をベースに、初心者の方でも確実に実行できる2つのバックアップ方法と、よくあるトラブルの解決策を、わかりやすく解説します。
iPhoneのバックアップはなぜ必要? その重要性を再確認
バックアップとは、iPhoneの中にあるすべてのデータを安全な場所にコピーしておくこと。これは「保険」のようなものです。保険は事故が起きてからでは加入できません。データも同じで、失ってからでは遅いのです。
次のような状況で、バックアップがあるかないかで人生が変わります。
- 端末の故障や水没、落下による破損
- 紛失や盗難に遭ったとき
- iphoneの新モデルに機種変更するとき
- OSのアップデートに失敗して初期化が必要になったとき
「写真や連絡先はクラウドに自動で保存されているから大丈夫」と思っていませんか? 確かにiCloud写真や連絡先の同期をONにしているデータはクラウドにあります。しかし、アプリのデータ(ゲームのセーブデータやログイン情報)、端末の設定(ホーム画面のアイコン配置やウィジェット)、メッセージ履歴(SMSやiMessage)など、多くの大切な情報はクラウドに自動では保存されていないのです。
だからこそ、「丸ごと」のバックアップが重要なのです。さっそく、その方法を見ていきましょう。
方法1:最も手軽な「iCloudバックアップ」の設定と手順
iCloudを使ったバックアップは、Wi-Fiさえあればどこでもでき、一度設定すれば毎日自動でバックアップを作成してくれる、とても便利な方法です。
iCloudバックアップを始めるための事前準備
まず、以下の3点を確認してください。
- 安定したWi-Fi環境:バックアップは大量のデータを送信するので、自宅やオフィスなどの安定したWi-Fiネットワークに接続してください。携帯電話回線(5G/LTE)でも可能ですが、データ容量を大量に消費するため非推奨です。
- 十分なiCloudストレージ:無料で使えるiCloudストレージはたったの5GBです。ほとんどの方にとって、これでは全然足りません。iphoneに保存されているデータ量を確認し、必要に応じて有料プラン(月額130円〜)へのアップグレードを検討しましょう。
- 充電とロック状態:自動バックアップは、iPhoneが充電中で、ロックされた状態(画面が消えている状態)で、Wi-Fiに接続しているときに実行されます。就寝前など、この条件がそろいやすいタイミングを意識してみてください。
iCloudバックアップを有効にするステップバイステップ
では、実際に設定していきましょう。手順は驚くほど簡単です。
- 設定アプリを開き、一番上の「[あなたの名前]」(Apple ID)をタップします。
- 「iCloud」を選択します。
- 少し下にスクロールして 「iCloudバックアップ」 をタップします。
- ここで 「このiPhoneのバックアップ」 のトグルスイッチを ON(緑色) にします。
たったこれだけで、自動バックアップの設定は完了です。次回から、先ほどの条件(充電中・ロック中・Wi-Fi接続)が整うと、バックアップが自動的に行われます。
「今すぐバックアップを取りたい!」という方は、同じ画面内にある 「今すぐバックアップ」 という青色のボタンをタップしてください。手動でのバックアップが即座に開始されます。画面上部に進行状況が表示されるので、完了するまで待ちましょう。
iCloudバックアップで保存されるもの・されないもの
知っておきたいのは、iCloudバックアップが「全部」を保存するわけではないということです。主な例は以下の通りです。
保存されるものの例:
- アプリのデータ(ログイン情報やセーブデータ)
- iCloudに同期されていない写真・ビデオ(「写真」アプリ内の「マイフォトストリーム」など)
- 端末の設定(壁紙、ホーム画面のアイコン配置、キーボード辞書など)
- メッセージ(SMS、MMS、iMessage)の履歴
- 通話履歴
保存されないものの例:
- すでにiCloudに同期されているデータ:これが最大のポイントです。「iCloud写真」をONにしている写真・ビデオや、「iCloudメッセージ」をONにしているメッセージは、すでに別でクラウド上に存在するため、バックアップには含まれません。
- Apple Payの情報やFace ID/Touch IDのデータ(セキュリティのため)
- iCloud MusicやApp Storeからダウンロードした音楽、アプリ、書籍そのもの(復元時に再ダウンロードされます)
方法2:確実で容量無制限の「パソコン(iTunes/Finder)バックアップ」
「iCloudの容量が足りない!」「データは自分の手元に確実に保管したい」という方に強い味方が、パソコンを使ったバックアップです。パソコンのハードディスクの空き容量が許す限り、何回でも、何世代でもバックアップを保存できます。
事前準備:パソコン側の設定
まず、あなたが使っているパソコンとOSのバージョンを確認してください。手順が少し変わります。
- Windowsパソコン:最新版の「iTunes」をApple公式サイトからダウンロード・インストールしてください。
- Mac(macOS Catalina 10.15 以降):「Finder」を使用します。特別なソフトは必要ありません。
- Mac(macOS Mojave 10.14 以前):Windows同様、「iTunes」を使用します。
また、パソコンに十分な空き容量があるか確認し、付属のLightningケーブル(USB-Cケーブル)など、信頼できるケーブルを用意しましょう。接触不良がバックアップ失敗の原因になることがよくあります。
パソコンでバックアップを作成する手順
ここでは、現在主流の 「macOS Catalina以降のMac」 と 「Windows(iTunes使用)」 の手順を説明します。
<macOS Catalina 10.15以降の場合>
- MacとiphoneをUSBケーブルで接続します。
- Macで「Finder」を起動します。左側のサイドバーに、接続したiPhoneの名前が表示されるのでクリックします。
- Finderウィンドウの上部にある「一般」タブをクリックします。
- 「バックアップ」セクションで、 「Macにバックアップを作成」 を選択します。
- さらに、 「バックアップを暗号化」 にチェックを入れることを強くお勧めします。こうすると、パスワードや健康データなど、より多くの大切な情報がバックアップに含まれられます。チェックを入れるとパスワードの設定を求められるので、忘れないパスワードを入力してください。
- 最後に、 「今すぐバックアップ」 ボタンをクリックします。進捗バーが表示され、完了まで待ちます。
<Windows または macOS Mojave以前の場合(iTunes使用)>
- パソコンとiPhoneをUSBケーブルで接続します。
- パソコンで「iTunes」を起動します。画面上部または左側にiPhoneのアイコンが表示されるのでクリックします。
- 「概要」画面の「バックアップ」セクションで、 「このコンピュータ」 を選択します。
- 同様に、 「バックアップを暗号化」 にチェックを入れてパスワードを設定しましょう。
- 「今すぐバックアップ」 ボタンをクリックして開始します。
バックアップがうまくいかない! よくあるトラブルと解決策
せっかくバックアップを試みても、エラーで止まってしまうことがあります。ここでは、頻繁に起こる問題とその対処法を紹介します。
問題1:iCloudの「ストレージ容量が不足しています」
原因と解決策:
無料の5GBはすぐにいっぱいになります。まずは不要なデータを削除しましょう。
- 設定 > [あなたの名前] > iCloud > 「アカウントのストレージを管理」 を開きます。
- ここで、バックアップに含まれるアプリのリストが表示されます。使っていないアプリのバックアップをオフにしたり、古い端末のバックアップデータを削除したりできます。
- 写真を整理する:iCloud写真の中で、スクリーンショットや重複写真、不要な写真を削除するだけで、大幅に容量を空けられることがあります。
それでも足りない場合は、iCloud+の有料プランへのアップグレードが現実的です。月額130円で50GBから始められます。大切なデータの保険と思えば、十分な価値があります。
問題2:バックアップが「遅い」「途中で止まる」
原因と解決策:
- Wi-Fi環境を見直す:他のデバイスで動画がスムーズに再生できるか確認しましょう。ルーターの近くで実行したり、一度ルーターを再起動したりしてみてください。
- iOSとソフトウェアを最新版に更新する:iPhone自体(設定 > 一般 > ソフトウェアアップデート)と、パソコンを使う場合はiTunesやmacOSを最新版にします。不具合が修正されていることが多いです。
- 古いバックアップを削除する:過去に失敗した不完全なバックアップデータがあると、それに引っかかることがあります。iCloudの「アカウントのストレージを管理」画面や、パソコンのバックアップフォルダから古いデータを削除してから、再度試してみましょう。
問題3:パソコンがiPhoneを認識しない
原因と解決策:
- 基本的な接続の確認:これが一番多いです。USBケーブルを抜き差しし、別のUSBポートに挿してみてください。また、iPhoneの画面をタップして「このコンピュータを信頼しますか?」というメッセージが表示されていないか確認しましょう。
- パソコンを再起動:シンプルですが、多くのソフトウェア的問題がこれで解決します。
- Appleモバイルデバイスサポート(Windows)の更新:WindowsでiTunesを使っている場合、このドライバーに問題がある可能性があります。iTunesを再インストールすることで修正できます。
あなたに合ったバックアップ戦略の選び方とアドバイス
2つの方法を説明しましたが、結局どちらを選べばいいのでしょうか? あなたの生活スタイルに合わせて、最適な方法を選び、場合によっては「併用」するのがベストです。
「iCloudバックアップ」が向いている人
- パソコンを日常的に使わない人。
- 「自動化」でこまめなバックアップを確実に行いたい人。
- 保存するデータの総量が比較的少ない人。
「パソコン(iTunes/Finder)バックアップ」が向いている人
- iCloudの5GBでは明らかに足りない大容量ユーザー(動画撮影が趣味など)。
- バックアップデータを自分の管理下に置きたい人。
- パスワードや健康データなども含めた、完全な暗号化バックアップを取りたい人。
実は、この2つは組み合わせることができます。おすすめの戦略はこちらです。
日常はiCloud自動バックアップ + 月1回はパソコンで完全バックアップ
iCloudで毎日、アプリのデータや新しい写真などを自動で守りつつ、月末や記念日などにパソコンで「完全版」のバックアップを取る習慣を作れば、これ以上に心強いデータ保護はありません。
もう一つ、バックアップから復元するときに覚えておいてほしいのは、復元先のiPhoneのiOSバージョンが、バックアップを作った時のバージョンより古いと、復元に失敗することがあるということです。機種変更時などは、必ず先に新しいiPhoneを最新のiOSに更新してから復元作業を始めてください。
今日から始める! 確実なiPhoneのバックアップの取り方
いかがでしたか? iPhoneのバックアップの取り方は、一度理解して設定してしまえば、あとはほとんど自動で、あるいは簡単な手順で実行できます。
この記事でご紹介した方法は、すべてAppleが公式に提供する信頼できる方法です。怪しいサードパーティ製アプリに頼る必要は全くありません。
「データを失ってから後悔する」前に、ぜひ今日、今この瞬間から行動を起こしてください。まずは「設定」アプリを開き、iCloudバックアップがONになっているか確認するだけでも、大きな一歩です。あなたの大切な思い出とデータを、確実に守っていきましょう。
