イラスト制作をもっと快適にしたい——そんな人にとって、最近注目を集めているのが「ミニPC」。
コンパクトなのに高性能、机の上もすっきり使えて、液晶タブレット（液タブ）との相性も抜群。
この記事では、お絵描きに最適なミニPCを選ぶポイントと、実際におすすめできるモデルを5つ紹介していきます。
液タブとの接続方法や、実際に作業を快適にするためのコツもあわせて解説します。
なぜお絵描きにミニPCが向いているのか？
まず「ミニPCって小さいだけでしょ？」と思う人もいるかもしれません。
ですが、近年のミニPCは驚くほど進化しており、イラストやグラフィック制作に必要なスペックをしっかり備えています。
ポイントは以下の3つです。
- 省スペースで液タブと相性がいい
液タブを使うと机の上がどうしても狭くなります。ミニPCなら手のひらサイズで邪魔にならず、VESAマウント対応ならモニターの裏に設置も可能。
見た目もスッキリして作業スペースを広く使えます。 - ノートPCより拡張性が高い
USBポートや映像出力が豊富なモデルが多く、液タブや外部モニターを複数接続しやすいのが魅力。
SSDやメモリを後から増設できるモデルもあり、長く使いたい人にも安心です。 - 静音性と冷却性のバランスが優秀
最近のミニPCはファン制御や放熱設計が進化しており、静かに動作するものが多いです。
長時間のお絵描き作業でも集中を妨げません。
お絵描き用ミニPCに必要なスペックとは？
デジタルイラストはCPUよりも「メモリ」と「描画レスポンス」が重要です。
とはいえ、性能のバランスが取れていないと、ソフトの起動やレイヤー操作がもたつくことも。
ここでは、快適に描くために押さえておきたいポイントを紹介します。
CPU（プロセッサ）
最低でもRyzen 5またはCore i5クラス以上を選びたいところ。
複数レイヤーを扱うソフト（Clip Studio Paint、Photoshop、Kritaなど）を使うなら、6コア以上あると快適です。
Ryzen 7やCore i7搭載モデルなら、描きながら動画録画や配信も余裕です。
メモリ（RAM）
16GBが安心ライン。
8GBでも動作はしますが、レイヤーを多用すると一気に重くなります。
プロ用途や高解像度キャンバスを扱う人は32GB搭載、または増設できるモデルを選ぶのがおすすめです。
ストレージ（SSD）
NVMe M.2タイプのSSDが理想。
ファイルの読み書き速度が速く、作業途中の保存もスムーズです。
容量は最低でも500GB、素材やブラシを多く扱う人は1TB以上あると安心。
GPU（グラフィックス）
2Dイラストが中心なら、CPU内蔵グラフィックスでも十分。
ただし4Kモニターを使う人や、3D素材・3Dモデルを扱う人は、Radeon 780Mなどの高性能iGPU搭載モデルを選びましょう。
液タブ接続時のチェックポイント
お絵描きに使う人の多くは液タブやペンタブレットを利用します。
ここで意外に見落とされがちなのが「接続端子」と「出力数」です。
- HDMIまたはDisplayPortがあるか
液タブは映像出力を必要とするため、HDMIまたはDisplayPortが必須。
2画面で作業したい人は、2つ以上の出力を持つミニPCを選ぶと便利です。 - USBポートの数に余裕があるか
液タブ、マウス、キーボード、外付けストレージなど、意外とUSB機器は多くなります。
ポートが足りないとハブを使う必要が出るため、4ポート以上あるモデルが理想。 - ドライバやOSの互換性
HuionやWacomなどの液タブは、ドライバの相性が重要。
Windows 11対応モデルを選んでおけば、今後のアップデートでも安心して使えます。
お絵描きにおすすめのミニPC5選
ここからは、液タブ接続も快適で、描画作業に適したミニPCを5つピックアップして紹介します。
価格や性能のバランスを考慮しており、初心者から中上級者まで幅広くおすすめできます。
1. MINISFORUM UM870Slim（Ryzen 7 8745H）
最新のRyzen 7とRadeon 780Mを搭載した高性能ミニPC。
HDMI、USB4、DisplayPortを備え、液タブ＋モニターの2画面構成もスムーズ。
静音性が高く、長時間作業でも安定。約8万円前後で、コストパフォーマンスも抜群です。
お絵描きだけでなく、動画編集や配信にも耐える万能モデル。
2. GEEKOM Mini PC A5（Ryzen 7 5825U）
コスパ重視ならこれ。
ミドルレンジながら性能は十分で、液タブ接続やレイヤーの多いイラスト制作もサクサク。
メモリ増設にも対応しており、後から32GBまで強化可能。
静かで発熱も少なく、クリエイティブ作業向きの安定感があります。
3. HP Elite Mini 805 G8（Ryzen 5 5600GE）
ビジネス用途でも人気のモデルですが、イラスト制作にも適しています。
高い安定性と冷却性能を備え、長時間作業に向いています。
液タブ＋外部モニター構成でもストレスが少なく、オフィスや自宅どちらでも使いやすい一台です。
4. ASUS NUC 14 Essential（N150）
軽作業や趣味でのお絵描きにちょうどいいエントリーモデル。
消費電力が低く静音性が高いため、夜間作業でも気になりません。
ただし重いファイルや複雑なレイヤー構成を扱う場合は少し余裕が足りないかも。
入門用としては非常に扱いやすい価格帯です。
5. LattePanda Mini PC（開発ボードタイプ）
超小型で、ちょっと変わり種の一台。
性能は控えめですが、スケッチや小規模なイラスト制作には十分。
カスタマイズ性が高く、ガジェット好きや自作派にも人気です。
机上を極限までミニマルにしたい人には最適。
快適な作業環境を作るコツ
性能の良いPCを選んでも、作業環境が整っていなければ実力を発揮できません。
ここではお絵描きをより快適にするための工夫を紹介します。
- ミニPCはモニターの裏に設置
VESAマウント対応モデルなら、モニター背面に固定して机上を広く使えます。
液タブのケーブルも邪魔にならず、配線がスッキリ。 - USB-C一本で接続をまとめる
USB4やThunderbolt対応なら、液タブへの映像出力・給電・データ通信を一本で済ませられます。
配線の手間が減り、作業開始までのストレスも軽減。 - 静音性を優先する
長時間描く人ほど、ファンの音が気になることがあります。
静音設計のミニPCを選ぶだけで集中力が上がり、作業の没入感も違います。 - ストレージを分けて管理する
作業用SSDとは別に、外付けSSDを素材保存用にするとバックアップも簡単。
万が一のデータトラブルにも備えられます。
ミニPCで快適にお絵描きを楽しもう
お絵描きに使うPCは「大きい＝快適」とは限りません。
ミニPCでも十分な性能を発揮し、省スペースで静かな作業環境を作ることができます。
液タブとの接続性、CPU・メモリのバランス、拡張性を意識して選べば、
コンパクトなデスクでもストレスのない制作が可能です。
今回紹介した5つのミニPCは、それぞれ異なる価格帯と特徴を持っています。
自分の描き方や作業スタイルに合った一台を選び、快適なお絵描きライフを始めてみてください。
お絵描きに最適なミニPCを選ぶことで、描くことそのものがもっと楽しく、
もっと自由になります。液タブ接続も快適な高性能ミニPCで、あなただけの作品づくりを存分に楽しんでください。
