あの大きな画面と、なじみ深いホームボタン。懐かしいと感じる人も多いでしょう、iPhone 8 Plus。2017年に登場したこのモデルは、発売からすでに8年以上が経過しています。ふと中古市場で目にした時、「そろそろ値ごろ感が出てきたかも」「サブ機として使えそう」と思ったことはありませんか?でも、本当に今でも実用的に使えるのか、不安もあるはず。
結論からお伝えすると、「すべての使い方にオススメ」とは言えませんが、「条件と目的」が合えば、2026年現在でも非常に価値ある一台です。最新モデルにはない魅力と、知っておくべき限界がはっきりと共存している、そんなスマートフォンなんです。
この記事では、単なる「使える・使えない」論ではなく、あなたがiPhone 8 Plusを手にした時、それをどう最大限に活用し、どのような点に注意すればよいのか、現実的な視点でご紹介します。思い出の機種を蘇らせたい方、超低予算でiPhoneエクスペリエンスを手に入れたい方、必見です。
変わらぬ魅力:iPhone 8 Plusが今でも支持される5つの理由
なぜ発売からこれほど時間が経っても、iPhone 8 Plusが話題に上るのでしょうか。それは、最新機種が捨て去ってしまった、ある種の「完成形」だからです。
- 指紋認証(Touch ID)の確実性:マスク生活がまだ完全になくならない今、顔認証(Face ID)が苦手なシチュエーションで、Touch IDは本当に頼りになります。画面が少し濡れていても、暗闇でも、確実にロックを解除できる安心感は大きなメリットです。
- 5.5インチのバランスの良い大画面:フルHD解像度のRetinaディスプレイは、動画視聴やウェブブラウジングに十分な迫力と精細さがあります。最新の有機EL(OLED)のような深い黒は表現できませんが、目に優しい表示という点では今でも遜色ありません。
- ワイヤレス充電対応の高級感あるデザイン:背面がガラス張りになった初めてのiPhoneシリーズの一つです。これにより、当時は画期的だった「置くだけ充電」のQiワイヤレス充電に対応。デスクの上に置いておくだけで充電できる便利さは、今のスタンダードを先取りしていました。
- ポートレートモードを備えた実用的なデュアルカメラ:当時はプロ級と評判だったカメラ性能。2倍光学ズームが可能な望遠レンズと、「ポートレートモード」による美しいボケ味は、SNSに載せる日常のスナップや人物写真をぐっと引き立ててくれます。4K 60fpsの動画撮影能力も、今見ても高水準です。
- 圧倒的なコストパフォーマンス:これが最大の理由かもしれません。中古市場では、状態の良いものでも1万円台後半から2万円台で購入できるケースがほとんどです。最新のエントリーモデルiPhone SEの数分の一の価格で、「iPhone」の基本体験が手に入るのは、他に類を見ません。
これらの魅力は、技術の進歩とは別の次元で、私たちの「使いやすさ」や「予算」に直結する価値です。
2026年、購入前に知るべき「現実」と「限界」
魅力ばかりではありません。発売から8年、これはスマートフォンの世界では「太古」と言っても過言ではない時間です。iPhone 8 Plusと真剣に向き合うなら、以下の「現実」をしっかりと理解する必要があります。
- ソフトウェアサポートの終わり:Appleは公式に、最新のiOS 18へのアップデートをiPhone 8 Plusに提供していません。現在はセキュリティアップデートが継続されていますが、これはいつ終了するか分かりません。OSの更新が止まると、新しいアプリのインストールや、既存アプリの最新機能が使えなくなるリスクが高まります。
- パフォーマンスの限界:搭載されているA11 Bionicチップは当時最速でしたが、最新のチップと比べると処理能力に大きな差があります。重いモバイルゲームや、複雑な動画編集アプリを使うと、動作がもたついたり、発熱が気になったりするでしょう。あくまで「日常使い」の域を出ない性能であることを心得ておきましょう。
- バッテリー寿命の問題:ほとんどの機体は、バッテリーが著しく劣化しています。「充電が一気に減る」「80%で急にシャットダウンする」といった症状は日常茶飯事です。中古購入時には「バッテリー交換済み」かどうかを必ず確認し、交換されていない場合は購入後すぐに交換することを前提に予算を組むのが賢明です。
- 修理サポートの終了:AppleはiPhone 8 Plusを「ビンテージ製品」に指定しています。公式での修理は、在庫部品がある場合に限られ、将来的には完全に終了します。画面や背面ガラスの割れ、水没などのトラブルが起きた時、修理できる場所が限られ、コストがかかる可能性が高いです。
これらのリスクは、特にメインのスマートフォンとして、すべてをこの一台に託そうとする人には致命的です。銀行アプリや決済アプリなど、セキュリティが最重要のサービスを古いOSで使い続けることは、本来避けるべき行為と言えます。
差別化のカギ:iPhone 8 Plusが最高に輝く「3つの賢い使い方」とは?
では、iPhone 8 Plusはもう無用の長物なのでしょうか? そんなことはありません。「最新のメイン機」としての役割から解放してあげる時、その真価が発揮されます。以下のような使い方を想定しているなら、それは非常に賢い選択です。
- シチュエーション別の「サブ機」として
- アウトドア・作業用のスポーツ機:キャンプや山登り、DIY作業など、どうしても端末が傷つくリスクが高い場面で活躍します。頑丈なケースに入れて、「万一壊れても仕方ない」と思える価格帯だからこそ、気兼ねなく使えます。
- ビジネスのセカンドライン:仕事用のメールアカウントやビジネスチャットツールだけを入れ、プライベートと完全に分離。退勤後は引き出しにしまえば、仕事の縁を切りやすくなるというメリットも。
- メディア消費専用端末:動画配信サービスや音楽ストリーミングアプリ、電子書籍リーダーだけをインストール。バッテリーを大量消費するSNSアプリを入れないことで、純粋にエンタメに没頭できる環境を作れます。
- 特定のユーザーに寄り添う「特化機」として
- 高齢のご家族へのプレゼント:操作が直感的なホームボタンとTouch IDは、スマートフォンに不慣れな方にとって最高のインターフェースです。大きな画面も読みやすさに貢献。ただし、セキュリティ設定やアプリの管理はご家族がサポートしてあげてください。
- お子様の「はじめてのスマホ」 :高価な最新機種を壊される心配が少なく、基本的な機能は全て揃っています。利用時間制限やアプリの制限(ペアレンタルコントロール)をかけることで、教育ツールとしても活用可能です。
- 趣味や生活を豊かにする「ツール」として
- 音楽プレーヤー兼ポッドキャスト受信機:高音質なステレオスピーカーを備えているため、ワイヤレススピーカー代わりにキッチンや作業場に置いておくのに最適です。
- デジタルフォトフレーム:美しい思い出の写真をスライドショーで表示させ、室内に飾る。充電器に刺しっぱなしにすれば、立派なインテリアになります。
- IoTのリモコン&監視カメラモニター:スマートホーム家電の操作盤として常設したり、ベビーモニターやホームセキュリティカメラの画面として専用に使ったり。
このように、役割と期待値を明確に限定してあげることが、古いiPhoneを蘇らせる最も重要なポイントなのです。
安全に長く使うための必須チェックリスト
もしiPhone 8 Plusの購入を決めたら、以下の点を必ず確認し、実践してください。これらは、快適さと安全性を保つための最低限のステップです。
- 購入時は「バッテリー最大容量」を絶対に確認:設定画面からバッテリーの状態をチェックし、最大容量が80%を切っているものは、即座に交換が必要です。「バッテリー交換済み」の記載がある商品を選ぶのが最も安全です。
- 最初に行うべきセキュリティ設定
- 購入後、すぐに工場出荷時の設定にリセット(初期化)を実行しましょう。前所有者のデータが残っている可能性があります。
- 「設定」→「ソフトウェア・アップデート」で、利用可能な最新のセキュリティアップデートを必ず適用します。
- 重要なサービス(メール、SNS、金融アプリ)には、可能な限り二段階認証を設定し、万が一に備えます。
- 日常運用で心がける3つの習慣
- アプリは必要最小限に:特に銀行や決済アプリは、どうしても必要でない限りインストールを避け、他の端末で利用することを検討します。アプリの更新も、評判や更新内容を確認してから行いましょう。
- バッテリーに優しい充電を:できるだけ20%〜80%の範囲で使用し、一晩中100%充電したままにするのは避けます。発熱する環境(直射日光の当たる車内など)での使用・充電も厳禁です。
- データのバックアップはこまめに:iCloudまたはパソコンへの定期的なバックアップを習慣化します。突然の故障や不具合に備え、思い出の写真や連絡先を守りましょう。
iPhone 8 Plusは「計画的な相棒」としてまだまだ現役です
いかがでしたか?iPhone 8 Plusは、最早「最新」でも「最強」でもありません。しかし、「安価で」「わかりやすく」「特定の役割に特化できる」 という、現代のスマートフォンが忘れがちな価値を、今でもしっかりと持ち続けている端末です。
最新機能を追い求めるのではなく、自分の生活や趣味の中に、ちょうどいいサイズのパズルピースのようにはめ込んでみてください。音楽を奏でる道具に、思い出を映し出すフォトフレームに、あるいは、大切な人への安心のツールに。
全てをこの一台に頼るのではなく、その長所と限界を理解した上で、計画的な相棒として迎え入れる。2026年の今、iPhone 8 Plusと付き合う最もスマートな方法は、きっとそこにあるのです。
