ふと耳にした「香港のiPhoneが安い」という噂。ネットで検索する人も多いと思いますが、実際のところはどうなんでしょう? 本当にお得? それとも何か落とし穴がある?
私は実際に価格を調べ、情報を集め、現地で購入した人の話も聞いてみました。結論から言うと、「常に香港が安いとは限らないし、価格以外に考えるべき重要なポイントがある」んです。
この記事では、あなたがiphoneを購入する際に、「日本と香港、どちらが自分にとってベストな選択か」を判断できるよう、最新の価格比較、仕様の違い、保証の実態、そして現地購入のリアルなハードルまでを、まるっとまとめてお伝えします。単なる噂や昔の情報ではなく、今、知るべきことを整理していきましょう。
気になる価格比較:2024年現在、本当に安いのはどっち?
「香港のiphoneは安い」というイメージは根強いですが、実は最新のモデルでは状況が変わっています。為替レートの影響は大きく、モデルと容量によって、日本が安い場合と香港が安い場合がはっきり分かれているんです。
最新の調査データを基に、具体的に見ていきましょう。
まず、最新のiphoneモデルでは、日本の価格は世界でも非常に競争力があることが分かっています。例えば、基本的なモデルでは日本の定価が調査対象の国々の中でも安い水準にあります。ある大規模比較では、あるエントリーモデル(256GB)が日本では12万円台なのに対し、香港では為替換算で16万円を超えるという結果も出ていて、日本が3万円以上安いケースもあります。
一方、少し前のモデルや、特定の高容量モデルに限ると、話が変わります。過去のシリーズのプロモデル(512GB)では、香港の価格が日本やアメリカをわずかに下回り、「世界最安」と報じられたこともありました。
ここで押さえるべきポイントは3つです。
- 一概に「香港が安い」とは言えない:購入を検討する時点での最新の為替レートと、あなたが欲しい特定のモデルで価格をチェックすることがすべてです。
- 公式価格と実売価格:香港の街中の量販店では、人気色やモデルは公式定価より高く売られていることも珍しくありません。逆に日本ではキャリアや家電量販店のキャンペーンで実質的な値引きがされることがあります。
- 消費税還元:旅行者であれば、香港では条件付きで消費税(GST)の還元を受けられる可能性があります。これは購入総額が一定額以上の場合などに適用される制度で、手続きが必要です。計算が複雑になるので、事前によく調べてください。
価格だけを抜き出して比較するのは、実はとても難しいのです。次に、もっと大きな違いである「仕様」を見ていきましょう。
日本版と香港版の決定的な違い:シャッター音とSIMカード
価格以上に、あなたの使い心地を大きく左右するのが「仕様の違い」です。ここを理解せずに買うと、「思ってたのと違う!」となりかねません。主な違いは2点、カメラのシャッター音とSIMカードスロットです。
シャッター音は消せる?消せない?
日本国内で販売されるスマートフォンには、法律に基づき、カメラを撮影する時に必ずシャッター音が鳴るようになっています。静音モードにしても、ミュートにしても、音は鳴ります。これが当たり前だと思っている方も多いでしょう。
しかし、香港版のiphoneでは、このシャッター音を消すことが可能です。ミュートスイッチを切り替えるか、ボリュームを下げることで、完全に無音で写真や動画を撮影できます。これが香港版を選ぶ最大の理由、というユーザーも少なくありません。図書館や美術館、会議中など、周囲に気を遣いたいシーンでの利便性は高いでしょう。
物理SIMスロットの有無:旅行好きなら要チェック
もう一つの大きな違いが、SIMカードです。近年の日本版iphoneは、eSIMのみのモデルが主流になってきています。物理的なプラスチック製のSIMカードを挿すスロットがありません。
対して、香港版の最新モデルでも、物理SIMカードを1枚挿入できるスロットを備えたモデルが存在します。これは、海外旅行が多い人にとっては非常に大きなメリットです。現地に着いた空港で、簡単にプリペイドSIMを買って挿し替えるだけで使えるので、eSIMの設定手続きに悩む必要がありません。
この「物理SIM1枚 + eSIM」の構成は、グローバルなユーザーにとってまだまだ需要が高い仕様です。あなたが頻繁に海外に行くなら、これは検討する価値が十分にある違いです。
香港でiPhoneを買うということ:保証、電波、そして実際の買い方
仕様の違いを理解し、「やっぱり香港版がいいかも」と思ったら、次に考えるのは「実際にどうやって買うのか?」そして「日本で使うのに問題はないのか?」という現実的な部分です。
日本国内での使用感と「技適マーク」の話
気になる電波状況ですが、香港版iphoneは、日本の主要な携帯電話会社が使っている周波数帯(バンド)にはほぼ対応しています。多くのユーザーレポートでも、日常の通話やデータ通信、4G/5Gの利用に特に支障はなかったという声がほとんどです。Apple Pay(Suicaなどの交通系電子マネーを含む)も利用できます。
ただし、一つだけ重要な法的なポイントがあります。それは「技適マーク」(技術基準適合証明の標章)です。日本国内で利用する無線機器には、このマークの取得が義務付けられています。香港で販売されるiphoneには、この日本の技適マークはついていません。
法的には、技適マークのない機器を日本国内で使用することは電波法に抵触する可能性があります。実際の所、個人が1台を日常使用する分で問題になるケースは極めて稀ですが、購入する以上はこのリスクを認識しておくべき事実です。
国際保証は使える?修理はどうなる?
次に保証です。「海外で買ったら保証がきかないのでは?」と心配になるかもしれませんが、Appleの製品は「限定保証」がグローバルで適用されます。つまり、香港で正規に購入したiphoneでも、日本のApple Storeや正規サービスプロバイダーで1年間の製造物保証に基づく修理サービスを受けられる可能性が高いです。
ただし、これはあくまで「可能性」です。保証サービスの内容や判断は、国や地域によって最終的には現地の法律やAppleの裁量に委ねられます。例えば、日本でしか発生しない不具合や、現地で用意されていない部品が必要な場合は、対応が難しくなる場合もあります。購入前に、Appleのサポートページで「国際的な保証サービス」について確認することを強くお勧めします。
現地購入のリアル:在庫、手続き、注意点
最後に、現地で購入する際の実務的なアドバイスです。
- 購入場所:Apple Store公式店舗が最も安心です。他にも「豊澤(Fortress)」や「百老匯(Broadway)」といった大手家電量販店があります。街中の小さな電気店は価格が高かったり、保証が不確実だったりするので注意が必要です。
- 在庫は常に不安定:特に新型発売直後は、公式店舗でも即日購入はほぼ不可能です。事前に在庫確認をし、複数の店舗を回る覚悟が必要かもしれません。
- 開封確認を求められる:量販店では、購入直後に店内で箱を開けて動作確認を求められることがよくあります。未開封品として持ち帰りたい場合は、事前にその旨を伝えられるか確認しましょう。
- パッケージ内容:充電器(アダプター)は付属していません。また、香港仕様のプラグ(イギリス式3ピン)が付いているので、日本で使うには別途変換プラグか、USB-Cポートのある充電器が必要です。
最新モデルと未来の話:今買うか、待つか?
購入を検討するタイミングも大切な判断材料です。「今すぐ必要?」それとも「来年の新型を待った方がいい?」。最新の業界情報を見ると、近い将来、iphoneのラインナップは大きく変わりそうな予感がしています。
複数のテックメディアが報じているのは、2025年以降、Appleが折りたたみ式の新型機種を投入する計画だということ。これは現在のスタイルとは全く異なる、新しいカテゴリーになる可能性があります。また、発売サイクル自体が見直され、よりバラエティに富んだモデルが年間を通じて登場するようになるかもしれません。
つまり、もしあなたが今使っている端末がまだ十分に使えるのであれば、画期的なデザインの新モデルが登場するまで、あと1年ほど待ってみるという選択肢も十分にアリです。逆に、「今の端末が限界で、すぐにでも最新の性能が欲しい」というのであれば、現在のモデルを日本か香港で購入する価値は大いにあります。
「待つ」のか「今買う」のかは、あなたの現在の端末の状態と、新しいテクノロジーへの興味の度合いで決まってきます。
まとめ:あなたにとっての「正解」の選び方
ここまで、iphoneを日本で買うか香港で買うか、様々な角度から比較してきました。最後に、あなた自身の選択基準を整理してみましょう。
日本版を選ぶべき人はこんな人
- とにかく購入の手軽さと確実性を最優先したい。
- 最新モデルでも価格が香港より安い(または同等)であるケースが多いことを重視する。
- 日本の「技適マーク」がついていることによる法的な安心感が欲しい。
- 万が一の故障時も、国内でスムーズに保証や修理を受けたい。
香港版の購入を真剣に考えてもいい人
- カメラのシャッター音をオフにできる機能がどうしても必要。
- 海外旅行が多く、物理SIMカードスロットの利便性を高く評価する。
- 実際に価格を調べたところ、欲しい特定のモデルで明確に香港が安かった。
- 香港への旅行が決まっており、現地購入を「体験」の一部として楽しみたい。
結局のところ、どちらが絶対的に優れているという答えはありません。あなたのライフスタイル、何を最も大切にするかによって、最適な選択は変わってきます。 この記事が、ただの噂ではなく、事実に基づいた情報で、あなた自身の判断を後押しする材料になれば嬉しいです。
