最近よく見かける「PD対応ミニPC」。
「USB-C給電で動くってどういうこと?」「どんなメリットがあるの?」と気になっている人も多いはずです。
この記事では、USB Power Delivery(PD)対応の仕組みや選び方、そして今注目のおすすめモデルをわかりやすく紹介します。
PD対応ってどういう意味?USB-C給電の仕組みをざっくり理解しよう
まず押さえておきたいのが「PD(Power Delivery)」の意味。
PDとはUSB-Cケーブルで高出力の電力をやり取りできる規格のことで、従来の「スマホ充電用」よりもはるかに大きな電力を送ることができます。
たとえば、昔のUSB給電は5V・2A程度(10Wほど)。
それがPD対応なら20V・5A=最大100W以上も供給可能。ノートPCやミニPCの電源にも十分なレベルなんです。
つまり、「PD対応ミニPC」とはUSB-Cケーブルで電源を取れるPC。
これまでは専用のACアダプタが必要だったのに、PD対応ならモニタやUSBドック、モバイルバッテリーから直接電源を供給できます。
ケーブル1本で「電源+映像+データ転送」をまとめられるのも大きな魅力です。
なぜ今、PD対応ミニPCが注目されているのか
ミニPC市場はここ数年で急成長しています。
Intel NUCシリーズやASUSのPNシリーズ、Minisforumなどが人気ですが、その中でも「USB-C PD給電」に対応するモデルが増えつつあります。
その理由はシンプル。
デスク周りをスッキリさせたい人が増えているからです。
PD対応ならこんなメリットがあります。
- モニタのUSB-Cポートから電源を取れる
- ケーブルが1本で済むため配線がごちゃつかない
- モバイルバッテリーやUSB-Cドックでも動作する場合がある
- 壁掛けやモニタ背面設置にも最適
たとえば、USB-C PD対応モニタを持っていれば、モニタのケーブル1本をミニPCにつなぐだけ。
電源、映像、USBハブ機能すべてを兼ね備えた“ワンケーブル環境”が完成します。
在宅ワークや狭いデスク、シンプルな作業環境を求める人にとって、これ以上ないスマートな構成です。
ただし注意!「USB-Cポート=給電対応」とは限らない
ここで一つ、勘違いしやすいポイント。
USB-Cポートが付いている=PD給電対応ではないということです。
ミニPCの仕様表を見ると、「USB-C(DisplayPort出力対応)」などの記載はよくありますが、それは映像出力専用で、電源の“入力”には対応していないケースもあります。
確認すべきは以下のポイント。
- 「USB-C PD in」「PD対応」「Power Delivery入力」と明記されているか
- 対応電力が十分か(45W~65W以上が目安)
- モニタやドックの出力がその電力に対応しているか
もしも給電能力が足りないと、起動はできても途中で落ちたり、性能が制限されることがあります。
特に高性能CPUを搭載したミニPCでは、65W以上の安定給電が必須です。
PD対応ミニPCを選ぶときのチェックポイント
ここでは、ミニPCを購入する前に見ておきたい項目を整理します。
1. 給電対応の明記があるか
公式スペックに「USB-C(PD入力)」と書かれていれば安心。
たとえばASUS Mini PC PN61Tは、明確にPD入力対応と記載があります。
2. 給電ワット数を確認
必要な電力が大きいモデルほど、給電能力が高いケーブルとアダプタが必要です。
45W未満では動かないモデルも多いので、事前チェックは必須。
3. 映像出力との兼用か
USB-Cポートが「DisplayPort Alt Mode」対応なら、映像と電源を1本でまとめられます。
PD入力とAlt Mode両対応のモデルが理想的です。
4. ケーブルとモニタ側の対応
モニタやハブがPD給電対応でも、ケーブルが非対応だと電力が足りません。
20V・5A・EPR対応など、出力の高いUSB-Cケーブルを使いましょう。
5. 設置や運用のしやすさ
VESAマウント対応でモニタ背面に取り付けられると、さらにスッキリ。
PD給電の恩恵を最大限に活かせます。
最新!USB-C給電で使えるPD対応ミニPCおすすめランキング
ここからは、今チェックしておきたいPD対応ミニPCを紹介します。
どれも実際にPD給電での利用が可能、もしくは高い互換性を持つモデルです。
第1位:ASUS Mini PC PN61T
ASUSが誇る定番シリーズ。
USB-C(PD入力対応)を正式にサポートしており、モニタやドックから直接給電が可能。
映像出力も兼ねており、ワンケーブルで完結します。
静音性が高く、省電力設計で常時稼働にも向いています。
在宅ワーク用やモニタ背面設置PCとして最適。
第2位:ASUS Mini PC PN80
Thunderbolt 4ポートを備えた上位モデル。
PD給電だけでなく、超高速データ転送・外部GPU接続にも対応します。
価格はやや高めですが、長く使える万能タイプです。
第3位:HiMeLE Quieter3Q N5105
コスパ重視ならこれ。
Intel N5105搭載のファンレスミニPCで、USB-C PD3.0に対応しています。
モニタからの給電やモバイルバッテリー運用も可能という報告も多く、静音・省エネ派に人気です。
第4位:Minisforum UM790 Pro
Ryzen 9 7940HS搭載のハイエンド機。
パフォーマンスを求めるならこれ一択。
USB-C給電対応のほか、DisplayPort Alt Modeにも対応しており、複数モニタ環境でも活躍します。
第5位:Acer MS2024 Type-C給電モデル
2025年登場の新型。
“Type-C給電対応”を前面に打ち出したモデルで、最新規格EPR(Extended Power Range)対応を想定。
USB-C一本で電源も映像もOKという、まさに次世代のミニPCです。
PD対応ミニPCの注意点と上手な使い方
PD対応は便利な反面、いくつか注意も必要です。
- すべてのUSB-CケーブルがPD給電できるわけではない
- モニタ側が45Wしか出力できない場合、高性能PCは動作不安定になる
- 高負荷時には電力不足になるケースもある
解決策は「給電側も余裕を持つ」こと。
65W以上のPD対応アダプタ、または100W出力対応モニタを選ぶと安心です。
また、ケーブルは必ず「USB-C PD対応」「20V・5A対応」と記載されたものを使用しましょう。
安価なケーブルでは発熱や動作不良の原因にもなります。
どんな人におすすめ?PD対応ミニPCが向いている使い方
PD対応ミニPCが特におすすめなのは、次のような人です。
- デスク周りをできるだけスッキリさせたい
- モニタ背面にPCを取り付けたい
- ノートPCのように簡単に着脱したい
- 外出先でもモバイルバッテリーで動かしたい
- 複数のデバイスをUSB-Cで統一したい
在宅ワークだけでなく、サブPC・リビング用・省電力サーバなどにもぴったり。
「電源アダプタを持ち歩かない自由」は一度使うと戻れません。
まとめ:ミニPCのPD対応とは?USB-C給電で使える最新モデルおすすめランキング
PD対応ミニPCとは、USB-Cケーブルで電源を供給できる新世代の小型PC。
ACアダプタ不要、ケーブル1本で“電源+映像+通信”をまとめられる点が大きな魅力です。
ただし、給電ポートがPD対応かどうか、必要ワット数が満たされているかを確認することが大切。
「USB-Cポートがある=PD入力OK」ではない点に注意しましょう。
今後はUSB-C PDが主流になる流れの中で、PD対応ミニPCは確実に増えていきます。
配線を減らしたい、シンプルなデスクを作りたいなら、PD対応ミニPCを選ぶ価値は大いにあります。
