なぜ今、中古のビジネスPC「M720q」が注目されているのか
デスクトップの性能は欲しいけれど、置き場所に困っている。でも、予算はなるべく抑えたい──そんなジレンマを抱えている方に、今、一つの賢い選択肢が注目を集めています。それが、企業で使われていた「中古ビジネスPC」です。特にLenovo ThinkCentre M720q Tinyは、その中でも抜群のコスパと信頼性で人気を集めているモデル。少し前の世代のマシンではありますが、その実力は今の私たちの日常業務やホームユースを、余裕で快適に支えてくれます。
驚きのコンパクトサイズ! M720qの「小さな巨人」としての実力
まず、そのサイズには誰もが驚きます。幅約34.5mm×奥行き182mm×高さ179mm、重量約1.32kg。一般的なデスクトップタワーの数分の一、文庫本を少し大きくした程度のサイズです。この超コンパクトな筐体が、M720qの最大の魅力。狭いデスクの上でも、モニターの背面(VESAマウント対応)に取り付けてでも、場所をほとんど選びません。
この小さなボディに詰め込まれた基本性能を見てみましょう。代表的な構成としては、インテル第8世代Core i5-8400Tプロセッサー(6コア6スレッド)、8GBのDDR4メモリ、256GBの高速PCIe NVMe SSDというラインアップが主流です。このスペック、動画視聴やウェブブラウジング、Officeアプリケーションを使った日常的な事務作業はもちろん、プログラミングの学習環境や、ファイルサーバーとしての役割も十二分にこなしてくれます。
「第8世代って今となっては旧世代では?」と心配になる方もいるかもしれません。確かに最新のCPUと比べれば数値上の性能差はあります。しかし、Windows 11を快適に動かし、マルチタブでブラウザを開きながら、資料作成をするような一般的なオフィスワークでは、性能がボトルネックになることはまずありません。むしろ、この「必要十分」な性能を、驚くほどコンパクトで、そして非常に手頃な価格で手に入れられる点が、M720qの真骨頂なのです。
企業仕様の頑丈さと、思いのほか簡単な拡張性
M720qが多くのユーザーから信頼されている理由の背景には、「ThinkCentre」というブランドが企業向けに設計されていることが大きく関わっています。このシリーズは、温度変化や振動に対する耐久性テスト(MIL規格準拠)をクリアするなど、一般の消費者向けPCよりも高い信頼性が求められて設計されています。そのため、企業で何年か使われた後の中古品であっても、まだまだ現役でバリバリ働ける頑強さを備えているのです。
セキュリティ面でも安心感があります。TPM 2.0セキュリティチップを標準搭載しており、Windows 11のシステム要件であるセキュアブートなどの機能を満たしています。さらにBIOSレベルでのハードウェア保護機能など、ビジネスで重要視される管理性も残っています。
もう一つの大きなメリットは、その拡張性の高さ。小さすぎて中身が固定されているのでは? と思いきや、実は個人ユーザーでも比較的簡単にカバーを外すことができ、内部のアップグレードが可能です。メモリスロットは2つあり、最大32GBまで増設できます。ストレージも、M.2 2280規格のNVMe SSDが使用されており、大容量や高速なものへの交換が容易です。ただし、一点注意が必要なのは、多くのモデルで無線LANとBluetoothが内蔵されていない点。USBタイプのワイヤレスアダプターを別途用意するか、内部の空いているM.2スロット(2230サイズ)にWi-Fiカードを増設する必要があります。
実際のユーザーはどう使っている? 具体的な3つの活用法
では、人々はこの小さなPCを実際にどのように活用しているのでしょうか。主なユースケースを3つご紹介します。
1. デュアルディスプレイを使った快適な事務作業機
背面にはDisplayPortとHDMIの両出力を備えています。これにより、2台のモニターを4K解像度で駆動することが可能。小さな本体で広々としたデュアルディスプレイ環境を実現できます。資料を見ながらレポートを書く、チャートを比較するなど、生産性を高める作業に最適です。
2. リビングに置けるホームシアターPC(HTPC)
そのコンパクトさと静音性は、リビングルームでも大活躍。テレビの横や背面に置いて、4K動画のストリーミング再生や、貯め込んだ動画ライブラリの再生に利用できます。第8世代Core i5のグラフィックス性能は、一般的な動画視聴には全く問題ありません。
3. ホームサーバーや軽量開発環境として
仮想マシンを動かしたり、ファイルサーバーやメディアサーバー(Plex等)を構築したり。常時稼働させるサーバーとしても、その低消費電力とコンパクトサイズは大きなメリットになります。最大32GBまで増設できるメモリは、開発環境を構築する際にも心強い味方です。
購入前に必ず確認! 中古M720qを選ぶときの4つのチェックポイント
魅力たっぷりのM720qですが、中古品を購入する際にはいくつか注意点があります。後悔しないために、以下の点を確認することをおすすめします。
1. OSのライセンスについて
多くのリファービッシュ(再生品)モデルは「Windows 11 Pro」がプリインストールされた状態で販売されています。しかし、中には正規のアップグレードパスを経ていないものや、ライセンスが不明確なものもあるかもしれません。信頼できる販売店で、OSのライセンスがクリーンであることを確認して購入しましょう。
2. ストレージ(SSD)の状態
PCの心臓部であるストレージは消耗品です。中古品の場合、SSDの書き込み量(TBW)がどれくらいなのか、健康状態は良好か、という点が気になります。可能であれば、購入後にCrystalDiskInfoなどのソフトでS.M.A.R.T.情報を確認し、状態を把握しておくと安心です。不安な場合は、新品のSSDに交換するのも一手です。
3. 付属品の有無、特にACアダプター
本体は小さくても、純正のACアダプターは思ったよりも大きいです。また、M720qには特定の電源仕様(65Wや90Wなど)が必要です。付属されていない場合、互換性のあるものを別途購入する必要が出てきます。商品説明で付属品を必ず確認しましょう。
4. 無線LANの有無
繰り返しになりますが、多くのモデルは無線LANを内蔵していません。自宅の環境で有線LANが使えない場合は、必ずUSBタイプのWi-Fiドングルか、内部増設用のM.2 Wi-Fiカードを準備する必要があります。この追加コストも考慮に入れておきましょう。
まとめ:限られたスペースと予算を解決する、賢い選択「M720q」
いかがでしたか? Lenovo ThinkCentre M720q Tinyは、最新最速のハイエンドマシンではありません。しかし、「コンパクトであること」「企業レベルの信頼性があること」「今でも実用的な性能を持つこと」という3つの要素が見事に調和し、それが中古市場の価格帯で実現されている点に、大きな価値があります。
狭い部屋や限られたデスクスペースと戦いながら、それでもちゃんとしたパソコンの性能が欲しい。でも予算はできるだけ抑えたい。そんな方々の「ちょうどいい」を見事に満たしてくれるのが、この小さな巨人なのです。中古品ならではの注意点に気をつけながら、あなたの生活や仕事のスタイルに合った、理想の省スペース小型PCを見つけてみてください。
