はじめに:BIOSってなに?なぜ大切なの?
パソコンの調子が悪い時や、新しいハードウェアを増設した時、あなたは「BIOS」という言葉を聞いたことがあるでしょう。でも実際に開いてみると、英語や専門用語ばかりで、すぐに閉じてしまった……そんな経験はありませんか?
BIOS(Basic Input/Output System)は、パソコンの心臓部ともいえる大切な設定画面です。電源を入れて最初に動き出す基本プログラムで、すべてのハードウェアを管理しています。最近のLenovoパソコンでは、より高機能なUEFIという形式が採用されていますが、今でも「BIOS設定」と呼ばれることが多いですね。
この設定を理解できるようになると、パソコンがぐっと使いやすくなります。Windowsの再インストールが自分でできるようになったり、バッテリーを長持ちさせたり、セキュリティを強化したり。ちょっと怖いイメージのあるBIOSですが、実はとっても便利な機能がいっぱい詰まっているんです。
LenovoのBIOS設定画面に入る3つの方法
まずは、BIOS設定画面の開き方から覚えましょう。機種によって少し違うことがありますが、次のいずれかの方法で開けます。
1. 起動時にキーを押す(最も一般的な方法)
電源ボタンを押した直後、Lenovoのロゴが表示されたタイミングで、F1キーまたはF2キーを数回連打します。タイミングが難しい時は、電源を入れたらすぐに押し始めるのがコツです。ロゴが出る前に押しすぎても問題ありません。
2. Windowsの設定から入る(確実な方法)
Windowsが普通に起動する状態なら、こちらの方法が簡単です。
- Windowsの設定 → 更新とセキュリティ → 回復
- 「PCの起動をカスタマイズする」の「今すぐ再起動」をクリック
- 青い画面で「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「UEFIファームウェアの設定」を選択
3. ブートメニューから入る方法
起動時にF12キーを押すと、ブートメニューが開きます。ここに「Enter Setup」や「BIOS Setup」などの項目があれば、それを選びます。
画面に入ったら、矢印キーで項目を移動し、Enterキーで決定します。Escキーで前の画面に戻れます。設定を終える時は、変更を保存するかどうか確認されるので、注意してくださいね。
主要メニュー徹底解説:どこに何がある?
BIOS設定画面は、メーカーや機種によってレイアウトが少しずつ違います。でも、だいたい同じような項目が並んでいるので、一度覚えてしまえば応用がききます。
Main(メイン)|基本情報の確認
ここにはパソコンの基本スペックが表示されています。
- BIOS Version:インストールされているBIOSのバージョン
- Product Name:機種名
- Serial Number:シリアル番号(サポートを受ける時に必要)
- System Date/Time:日付と時刻(電池切れでリセットされた時にここで修正)
特にBIOSバージョンは、アップデートが必要か判断する時に見る大切な情報です。
Configuration(構成)|ハードウェアの詳細設定
このセクションでは、接続されているデバイスの動作を細かく調整できます。
知っておくと便利な設定:
- Hotkey Mode:これはF1〜F12キーの動作を切り替えます。通常、Lenovoノートパソコンでは、Fキーに音量調節や輝度調整の機能が割り当てられています。これを「Disabled」にすると、F1、F2といった本来のファンクションキーとして使えるようになります。プログラミングやソフトウェアでFキーをよく使う人にはありがたい機能です。
- Always On USB:「Enabled」にすると、パソコンの電源が切れている時やスリープ中でも、USBポートから給電できます。スマートフォンの充電に便利ですね。
- Virtualization Technology:仮想化技術を有効にする設定です。VirtualBoxやVMwareなどの仮想マシンソフトを使う時は、ここを「Enabled」にしないと正常に動かないことがあります。
Security(セキュリティ)|パスワードと保護機能
ここでの設定は特に重要です。パスワードを忘れると大変なことになるので、変更する時はしっかり記録を残しましょう。
主要なセキュリティ項目:
- Supervisor Password:BIOS設定そのものにロックをかけるパスワード
- Power-On Password:電源を入れるたびに要求されるパスワード(物理的なセキュリティ対策)
- Secure Boot:不正なソフトウェアの起動を防ぐ機能(Windows 11の必須要件)
- NVMe Password:SSD自体を暗号化するパスワード(データの物理的盗難防止に効果的)
NVMe Passwordは特に注意が必要です。これを設定すると、SSDが完全にロックされ、パスワードを忘れるとデータを完全に失う可能性があります。重要なデータは必ず別にバックアップを取りましょう。
Startup(スタートアップ)|起動の設定
OSのインストールや復旧で最も使うセクションです。
ブート順位の変更方法:
- 「Boot Priority Order」や「Boot」を選択
- 起動してほしいデバイスを矢印キーで選ぶ
- F5/F6キーや+/-キーで順序を上下に移動
- OSが入っているドライブ(例:Windows Boot Manager)を最上位に
Fast Boot(高速起動)について:
これを「Enabled」にすると起動が速くなりますが、BIOS設定に入るためのキー操作(F1/F2など)のタイミングが非常に短くなります。BIOSに入りにくいと感じたら、一旦「Disabled」に変更してみてください。
よくあるシナリオ別・設定変更ガイド
USBからWindowsをインストールしたい
これが最も一般的なBIOS設定の使い道ではないでしょうか。
簡単な方法(1回だけUSBから起動):
- インストールUSBをパソコンに接続
- 再起動してF12キーを押し、ブートメニューを開く
- 表示されたリストからUSBデバイスを選択
毎回USBから起動させたい場合:
- BIOS設定(F1/F2)に入る
- StartupメニューでBoot Priority Orderを開く
- USBデバイスを最上位に移動
- F10キーで保存して終了
USBが認識されない場合は、Secure Bootを一時的に「Disabled」にしてみてください。インストール後は、また「Enabled」に戻すことをお忘れなく。
バッテリーを長持ちさせたい
ノートパソコンでは、電力設定を調整することで駆動時間を延ばせます。
効果的な設定:
- パフォーマンスモードを「Balanced」または「Battery Saver」に
- 画面の明るさ調整を有効にする
- 未使用のデバイス(例:Bluetooth)を無効化
これらの設定は、BIOSだけでなくWindows側の電源オプションと組み合わせるとより効果的です。
パソコンのパフォーマンスを上げたい
ゲームや動画編集など、高いパフォーマンスが必要な時は、これらの設定を確認してみてください。
チェックポイント:
- メモリ設定が最適化されているか
- CPUのパフォーマンスモードが有効か
- グラフィックス設定が適切か
ただし、過度なパフォーマンス追求は発熱やバッテリー消耗を招くので、必要に応じて調整しましょう。
トラブルシューティング|困った時の対処法
BIOS設定を間違えて起動しなくなった
これは誰にでも起こりうるアクシデントです。慌てずに対処しましょう。
安全なリセット方法:
- BIOS設定画面に入れる場合:「Restart」メニューから「Load Setup Defaults」を選択
- 全設定が工場出荷時の状態に戻る
- F10で保存して再起動
どうしてもBIOSに入れない場合:
一部のLenovo機種では、電源ボタンを長押し(30秒以上)してハードリセットすると、BIOS設定が初期化されることがあります。ただし、この方法は最終手段として考えてください。
パスワードを忘れてしまった
これは深刻な問題ですが、あきらめる前に試してみることがあります。
公式の解決方法:
- スーパーバイザーパスワードを知っている場合:BIOS設定でパスワード変更画面を開き、現在のパスワードを入力後、新しいパスワード欄を空白のままEnter
- すべてのパスワードが不明な場合:Lenovo公式サポートに連絡
インターネットで「CMOSクリア」という方法を目にすることがありますが、最近のLenovo機種ではハードウェアパスワードが解除できないことがほとんどです。自己流の試行は故障の原因になるので控えましょう。
新しいハードウェアを認識しない
メモリやSSDを増設したのに、パソコンが認識してくれない……そんな時はBIOS設定を確認します。
確認すべき項目:
- 正しく物理接続されているか再確認
- BIOSの「System Information」で認識されているかチェック
- 必要に応じて「Load Optimal Defaults」で設定リセット
- BIOSを最新バージョンにアップデート
上級者向け|知っていると役立つ豆知識
BIOSアップデートのすすめ
Lenovoは定期的にBIOSアップデートを公開しています。セキュリティ強化や互換性向上、不具合修正のため、定期的な更新をおすすめします。
安全な更新方法:
- Lenovo Vantageアプリから自動更新
- Lenovo公式サイトから手動ダウンロード
- 絶対に守ってほしいこと:更新中は電源を切らない
カスタム設定の保存と復元
お気に入りの設定ができあがったら、次回から簡単に復元できる方法があります。
カスタムプロファイルの活用:
一部の機種では、「Save as User Defaults」のような機能で現在の設定を保存できます。設定を大きく変える実験をする前に、この機能で現在の設定を保存しておくと安心です。
隠し機能や詳細設定
「Advanced」メニューを開くと、さらに細かい設定項目が表示されることがあります。CPUの動作周波数やメモリタイミングなど、上級者向けの項目もありますが、不用意に変更するとシステムが不安定になる可能性があります。変更する場合は、変更前の値をメモし、少しずつ調整することをおすすめします。
さいごに|Lenovo BIOS設定と仲良くなるコツ
BIOS設定は、最初はとっつきにくく感じるかもしれません。私も初めて開いた時は、どきどきしながら恐る恐る触っていたのを覚えています。
でも、一度基本を覚えてしまえば、パソコンがぐっと身近な存在になります。自分でトラブルに対処できるようになり、パソコンの性能を最大限に引き出せるようになる。それはとても気持ちのいいことです。
大切なのは「少しずつ、確実に」です。今日は起動順位の変更だけ、次は仮想化の設定だけ、というように、一つずつマスターしていきましょう。設定を変更する前には、今の値をメモしたり、スマートフォンで写真を撮っておくと安心です。
この記事が、あなたのLenovoパソコンとの付き合いを、より深く、より楽しいものにするきっかけになれば嬉しいです。BIOS設定の世界への第一歩を、ぜひ楽しんで踏み出してみてください。
次にBIOS画面を開く時は、少しだけ自信を持って、メニューを探索してみましょう。きっと新しい発見があるはずです。
