デスクの上をスッキリさせたい。でも性能は妥協したくない——そんな人に注目されているのが、MinisforumのミニPCシリーズ。その中でもとくに話題になっているのが「UM890 Pro」です。
Ryzen 9 8945HSを搭載し、手のひらサイズの筐体でデスクトップ顔負けの処理能力を持つこのモデルは、実際どれほど快適なのか。今回は実測データやレビューをもとに、その実力を深掘りします。
Ryzen 9 8945HS搭載の小型PCとは思えないパワー
UM890 Proの心臓部には、AMD Ryzen 9 8945HSが採用されています。8コア16スレッド、最大5.2 GHzというハイスペック仕様。
ミニPCの枠を超えたCPU性能で、オフィス作業から軽めの動画編集、さらにはプログラミングや仮想環境の構築まで快適にこなせます。
実際のベンチマークでも好結果が出ており、Geekbench 5のマルチコアスコアは1万点超え。これは一般的なノートPCを上回る数値で、マルチタスク時の処理の速さに直結します。
「ブラウザのタブを10個以上開いても重くならない」「Photoshopがスムーズに動く」といった声も多く、まさに“コンパクトな作業用マシン”という表現がぴったりです。
高速メモリとストレージでサクサク動く理由
性能を語る上で外せないのが、DDR5メモリとPCIe 4.0 SSDの存在です。
UM890 Proは最大96 GBのDDR5メモリに対応し、クロックは最大5600 MHz。メモリ帯域が広いため、アプリの切り替えやファイル操作のレスポンスが非常にスムーズです。
さらにM.2 2280 スロットを2基搭載し、PCIe 4.0の高速SSDを2枚まで装着可能。実測で読み込み約5,000 MB/s、書き込み約4,800 MB/sという速度が確認されています。
動画ファイルや高解像度の画像を扱う人にとって、ストレージ速度は作業効率そのもの。ファイルの読み込み待ち時間が短いだけで、日々のストレスがぐっと減ります。
Radeon 780Mがもたらす“ちょうどいい”グラフィック性能
Ryzen 9 8945HSに統合されたRadeon 780M GPUは、内蔵グラフィックスとしては非常に高性能です。
フルHD（1920×1080）解像度での動画編集や、軽めの3Dゲームも十分動作します。
もちろん、AAAタイトルを最高設定でプレイするような用途には向きませんが、Steamのインディー系タイトルやオンラインゲームなら快適に楽しめるレベル。
グラフィックソフトのプレビューや、Premiere Proでの軽いカラー補正程度ならまったく問題ありません。
さらにOCuLink接続による外部GPU拡張にも対応しており、「後で性能を上げたい」というニーズにも応えられる柔軟さがあります。
冷却設計と静音性が生む“快適な作業環境”
小型PCの弱点といえば熱と騒音。
しかしUM890 Proは、冷却システムの最適化により、連続負荷でも80 ℃前後に抑える安定したサーマル設計を実現しています。
ファンの音も控えめで、通常の作業時はほぼ無音。動画編集などで負荷をかけても耳障りな高音が出にくく、静かなオフィスや自宅作業環境でも気になりません。
長時間稼働させてもクロックダウンしにくいため、安定したパフォーマンスを維持できるのもポイントです。
「小さいのに速い、しかも静か」というバランスは、まさにUM890 Proの魅力そのものです。
豊富な入出力とネットワーク機能で“つなぐ”が快適
背面・前面にはUSB 3.2 Gen2、USB4 （40 Gb/s）ポート、2.5 GbE有線LAN×2、HDMI 2.1、DisplayPort 1.4など、現行デスクトップ並みの端子を装備。
Wi-Fi 6EやBluetooth 5.3にも対応し、ワイヤレス環境でも高速・安定した通信が可能です。
モニターを3枚つないで作業しても映像出力が安定しており、マルチディスプレイ環境を構築したい人には理想的。
LANポートが2基あるため、NASやルーターを使ったホームサーバー用途にも向きます。
外部ストレージやキャプチャーデバイスを多く接続するようなクリエイターにも相性が良い構成です。
小型・軽量で置き場所を選ばないデザイン性
UM890 Proの筐体は、片手で持てるほどコンパクト。
設置面積が小さいため、モニター裏へのマウントや棚の上への設置など、自由なレイアウトが可能です。
アルミ合金のボディは放熱性に優れ、見た目にも上質感があります。
一般的なデスクトップのように大きなタワーケースを必要としないので、狭いワークスペースでもすっきり使えます。
「小さい＝非力」というイメージを覆すこのモデルは、在宅勤務やカフェでの利用にもピッタリ。
持ち運びできるワークステーションとしても注目されています。
他社ミニPCとの性能比較で見えるUM890 Proの立ち位置
競合するミニPCと比べても、UM890 Proは総合力で抜きん出ています。
たとえばIntel Core i7-1360Pを搭載した同価格帯の製品と比較すると、マルチコア性能はおよそ1.3〜1.5倍。
グラフィック性能でもRadeon 780MはIris Xe Graphicsを上回り、GPU性能重視のユーザーにも満足度が高いです。
また、同社の前モデルUM790 Proと比べても、クロックアップとメモリ帯域の向上により、ベンチマークでは約15％のパフォーマンス向上が確認されています。
こうした進化が、体感の快適さに直結しているわけです。
購入前に知っておきたいポイントと注意点
どんな製品にも向き・不向きがあります。UM890 Proも例外ではありません。
まず、内蔵GPUで重い3Dレンダリングや最新ゲームを最高設定で動かすのは難しい点。
本格的なクリエイティブ作業やGPU依存の処理を想定するなら、外部GPUの接続を検討すると良いでしょう。
また、構成によって価格が異なり、メモリ・SSDなしのベアボーン版も存在します。
購入時は「自分で増設できるか」「サポートが必要か」を確認しておくと安心です。
冷却性能は優れているものの、設置場所の通気性が悪いと熱がこもるため、周囲のスペース確保も大切です。
まとめ：Ryzen搭載のMinisforum UM890 ProミニPCで快適作業を実現
UM890 Proは、Ryzen 9 8945HSの高性能と小型筐体を両立させた、完成度の高いミニPCです。
高速メモリとSSD、優れた冷却システム、充実したポート構成——そのどれもが「快適作業」を支える要素になっています。
デスクトップの代わりに省スペースで設置したい人、在宅ワークで高性能な作業環境を整えたい人、そして静かでパワフルなマシンを探している人にとって、UM890 Proは間違いなく有力な選択肢です。
Ryzenの力を活かしたこのミニPCがあれば、「小さいけど遅い」という常識を覆す体験ができるはず。
これからミニPCを選ぶなら、Minisforum UM890 Proの性能比較をぜひチェックしてみてください。
