「小さくてもしっかり動くPCが欲しい」。
そんなニーズに応える存在として注目されているのが、CHUWIのミニPC「LarkBox」シリーズです。掌に収まるほどの超小型ボディながら、Windowsをフルに動かせる――そんな夢のようなマシン、本当に“使える”のか?実際の評判や性能をもとに、その実力を確かめてみました。
LarkBoxってどんなPC?
CHUWI(ツーウェイ)は中国・深センのPCメーカーで、コスパの高いノートPCやタブレットを展開しているブランドです。
その中でもLarkBoxは「超小型デスクトップPC」として誕生したシリーズで、初代モデルから「世界最小の4K対応PC」として話題を集めました。
サイズはわずか61×61×43mmほど。
手のひらどころか、マウスより小さい。
そんなサイズに、CPU・メモリ・ストレージをすべて詰め込んだのがLarkBoxです。
以降、上位モデルとして「LarkBox Pro」「LarkBox X」「LarkBox S」などが登場し、性能面も順当に進化しています。
スペックをざっくり整理
シリーズによって多少の違いはありますが、主な構成を挙げると――
- CPU:Intel Celeron J4115、Intel N100、Intel Core i3-1220Pなど
- メモリ:6GB~16GB
- ストレージ:eMMCまたはNVMe SSD(128GB~512GB)
- 出力端子:HDMI、DisplayPort、USB-Cなど複数
- 通信:Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2対応モデルもあり
- サイズ/重量:おおむね127mm四方・約0.4kg前後
いずれも省電力CPUを搭載し、TDP(熱設計電力)は10〜15W程度。
家庭のコンセント1つあればすぐに動作し、電気代もごくわずか。
静音性にも優れており、デスクやリビングに常設しても邪魔になりません。
実際のパフォーマンスはどう?
結論から言うと、「用途を選べばかなり快適に使える」という評価が多いです。
ブラウジングやOfficeソフト、YouTube視聴といった日常的な作業なら問題なし。
LarkBox XやSクラスなら、複数のブラウザタブを開きながら資料作成やZoom会議もこなせます。
動画再生も4K@60Hz出力に対応。
家庭用テレビにHDMIで接続すれば、リビングのメディアPCとしても活躍します。
NetflixやAmazon Prime Videoなどもスムーズに再生可能で、ストリーミング端末として優秀です。
一方で、3Dゲームや高解像度の動画編集となると荷が重く、あくまで軽作業中心という印象。
それでも、旧型ノートPCに比べると動作の軽快さを感じる場面も多く、価格を考えれば十分なパフォーマンスです。
超小型ボディのメリット
LarkBoxの一番の魅力は、その「小ささと静かさ」にあります。
わずかなスペースに置けて、ファン音もほとんど気にならない。
モニター背面にVESAマウントで取り付けて「見えないデスクトップPC」として使う人も多いです。
持ち運びも簡単で、USB電源とHDMIケーブルさえあればどこでも設置可能。
出張先でのプレゼン用や、イベントのデジタルサイネージ制御など、意外なシーンで役立つことも。
また、省電力性も大きな強み。
24時間稼働の小規模サーバーや監視カメラ制御端末として使っても、消費電力が少ないため電気代を気にせず運用できます。
注意したい点や弱点
良い点ばかりではありません。
超小型ゆえに、いくつかの制約も存在します。
まず、拡張性の低さ。
内部にHDDを増設したり、グラフィックボードを挿すことはできません。
メモリやストレージも一部モデルでは固定式で、交換が難しいケースがあります。
次に冷却性能の限界。
小さな筐体のため、長時間の高負荷作業では内部温度が上がりやすく、CPUが自動的にクロックダウンする(=性能を落とす)ことがあります。
日常用途なら問題ありませんが、動画変換やゲームなどを長時間行うとパフォーマンスが落ちることがある点は覚えておきましょう。
さらに、モデルごとの仕様差にも注意が必要です。
一部ではメモリやGPUクロックが仕様通りに動作しない事例も報告されています。
購入時は公式ストアや信頼できる販売店から最新の仕様を確認するのが安全です。
どんな人におすすめ?
LarkBoxは万能PCではありませんが、明確なターゲットがあります。
- 省スペース重視の人:デスクをすっきりさせたい、テレビ裏に隠したい
- 静音・低消費電力を求める人:24時間稼働させても静か
- サブPCが欲しい人:家族共有のネット用端末や、在宅ワークのサブマシンに最適
- 軽作業中心のクリエイター:Web制作、文章執筆、写真整理などなら快適
- DIY好きなユーザー:モニタ背面に取り付けて「オールインワンPC」化も可能
一方で、最新ゲームや本格的な動画編集を想定するユーザーには不向きです。
その場合はCore i7やRyzen 7クラスを搭載した上位ミニPCを検討するほうが現実的でしょう。
実際の口コミから見える評価
ネット上のレビューを総合すると、LarkBoxシリーズの満足度は高めです。
特にLarkBox Xでは「静音で安定」「3画面出力が便利」「Wi-Fi 6対応がうれしい」といった声が多く見られます。
反対に「初期設定に時間がかかった」「SSD換装が難しい」「ファームウェア更新が必要だった」といった声もあり、初心者には少しハードルがある印象です。
ただし、CHUWIは公式フォーラムで不具合情報を公開しており、アップデートで改善されるケースも多いです。
ユーザーコミュニティも活発なので、困ったときの情報源が確保しやすいのも安心材料です。
小さなPCがもたらす“大きな自由”
LarkBoxのような超小型ミニPCは、単なるガジェットにとどまりません。
「場所を取らない」「音が静か」「電気代が安い」。
それだけで作業環境の自由度が大きく広がります。
ノートPCを開くまでもない軽作業を、机の隅でいつでもこなせる。
リビングのテレビをメディアセンター化できる。
こうした柔軟性こそが、小型PCの真の魅力です。
CHUWIミニPC LarkBoxの実力は本物か?
最終的に言えるのは、「価格とサイズを考えれば十分に実用的」ということ。
LarkBoxは“超小型”という特徴を活かして、これまでPCを置けなかった場所に新しい選択肢を生み出しています。
軽快な動作、省スペース性、静音性――どれも日常使いには十分すぎる性能。
もちろん高負荷作業には向きませんが、割り切って使えばコスパ抜群の一台です。
「CHUWIミニPC LarkBoxの実力検証!超小型ボディでどこまで使える?」
その答えは――小さくても、想像以上に使える。
限られたスペースで、自分だけの小さな作業環境をつくりたい人にこそ、このPCはおすすめです。
