「うっかり洗面所でワイヤレスイヤホンを水に落とした…」
「雨の日に濡れてから調子が悪い」
そんな経験、ありませんか?
高価なイヤホンほどショックも大きいですよね。でも、焦って間違った行動を取ると、修理不能になることもあります。
ここでは、ワイヤレスイヤホンを水に落としたときの正しい対処法と、やってはいけないNG行動をわかりやすく解説します。
まず知っておきたい「なぜ水が危険なのか」
ワイヤレスイヤホンの中には、音を出すドライバーやマイク、Bluetoothチップ、そして小型のバッテリーがぎゅっと詰まっています。
これらは水分に非常に弱く、濡れるとショート(短絡)したり、金属部分が腐食してしまう恐れがあります。
また、外から見て防水っぽく見えても、実際には「防滴」レベルしかないことも多いです。
例えば「IPX4」なら“汗や雨のしぶき程度には耐えられる”という意味で、水中に落とすことは想定されていません。
つまり、「うっかり水に落とした」は想定外のトラブル。
早めに正しい対処をしないと、音が出なくなったり、充電できなくなったりします。
水に落とした直後にやるべき応急処置
イヤホンが水に落ちた瞬間、何より大事なのは「通電させないこと」です。
濡れたままBluetoothに接続したり、ケースに戻して充電したりすると、一気に内部がショートしてしまいます。
1. すぐに電源を切る・ケースに戻さない
もしまだ電源が入っているなら、すぐにオフにします。
自動で接続されているなら、スマホ側でBluetoothを切りましょう。
そして濡れた状態でケースに戻すのは絶対にNG。ケース内まで故障するリスクがあります。
2. 優しく水分を拭き取る
ティッシュではなく、柔らかい布やマイクロファイバークロスで外側の水分を丁寧に拭きます。
イヤーチップが外せるタイプなら取り外して、隙間からできるだけ水を逃がしましょう。
3. 軽く振って水を出す
マイクやスピーカーの穴を下に向けて、軽く振ったり、タオルの上でトントンと叩いて水を出します。
ただし、激しく振ったり、叩きつけたりすると中のパーツが壊れるので注意です。
4. 乾燥剤と一緒に自然乾燥
風通しの良い場所で、最低24時間、できれば48時間は乾かしましょう。
このとき、シリカゲルなどの乾燥剤と一緒に密閉容器に入れておくと効果的です。
ドライヤーや直射日光で早く乾かそうとするのは危険。内部の接着剤やバッテリーが熱で変形することがあります。
絶対にしてはいけないNG行動
慌ててやってしまいがちな行動の中には、むしろ故障を早めるものもあります。
次の4つは絶対に避けてください。
ドライヤーの熱風を当てる
乾かすつもりが、熱でバッテリーが膨張したり、樹脂が変形したりします。
風を当てるなら「冷風」設定で遠くから、が鉄則です。
濡れたまま充電する
ケースに戻して通電すると、ショートや端子の腐食の原因になります。
内部に水分が残っている状態で電気を流すのは、故障の最短ルートです。
生米に埋める
「スマホやイヤホンを米に入れたら直る」とよく聞きますが、実際には効果は限定的。
米の粉が入り込み、逆に故障を悪化させるケースもあります。
乾燥剤を使うほうが安全で確実です。
すぐに使ってみる
「もう乾いたかも」と思ってすぐ使うのは危険。
目に見えない部分に水が残っていることが多く、再生中に音が出なくなったり、急に熱を持つこともあります。
焦らず、しっかり時間を置いてから通電しましょう。
水に落とした後に起きるトラブル例
乾いたと思っても、後から症状が出ることがあります。
次のような不調が見られたら、内部にダメージが残っているかもしれません。
- 片側だけ音が出ない
- 音がこもる、ノイズが混じる
- 通話時に相手に声が届かない
- 充電ケースに入れても反応しない
- バッテリーが急に減る
特に、マイク周りに水が入ると通話品質が落ちたり、音が途切れやすくなることがあります。
また、充電端子に水分が残っていると腐食し、ケースごとダメになることも。
こうした不具合が出た場合は、無理に使わず、メーカーや修理業者に相談するのが安全です。
淡水・海水・お風呂…落とした場所で違うリスク
どんな水に落としたかでも、対処は少し変わります。
水道水や雨水の場合
すぐに拾い上げ、上記の方法で乾燥させれば復旧する可能性があります。
ただし、内部まで水が入っていれば時間がかかるので、48時間以上は乾燥を続けましょう。
海水やプールの場合
塩分や塩素が金属部品を腐食させるため、リスクが高いです。
可能であれば真水ですすいでから乾燥させます。塩を残したままにすると、時間とともに確実に錆びます。
お風呂・温泉の場合
温度や成分によってゴムパッキンが劣化しやすく、湯気でも内部が湿気ます。
高温多湿の環境では乾燥前に結露が発生することもあるため、使用は避けるのが無難です。
復旧が難しいときはどうする?
完全に音が出なくなった、充電できない、発熱するなどの症状がある場合は、自己修理よりもメーカーサポートに相談しましょう。
ただし、水没はほとんどのメーカーで「保証対象外」となっています。
それでも、修理や有償交換を受け付けてくれるケースもあります。
もし修理費が高額になるようなら、買い替えを検討するのも一つの手です。
最近は防水性の高いモデル(IPX7対応など)も増えているので、次に選ぶ際は防水等級もチェックしておくと安心です。
再発防止のためにできること
一度トラブルを経験すると、「もう二度と落としたくない」と思うはず。
以下のような習慣を意識してみてください。
- 雨の日は傘の下やポケットに入れて持ち歩く
- お風呂・キッチン・洗面所など水回りでの使用を避ける
- ケースやイヤホンは使用後に軽く拭き取り、乾いた場所に保管する
- 充電ケースの端子を定期的にチェックし、湿気や汚れを防ぐ
こうした小さな積み重ねが、イヤホンの寿命を大きく伸ばします。
ワイヤレスイヤホンを水に落とした時の対処法まとめ
改めてポイントを整理しましょう。
- 電源を切って通電を避ける
- 外側を丁寧に拭き取り、ケースに戻さない
- 自然乾燥と乾燥剤で時間をかけて乾かす
- ドライヤー・生米・充電はNG
- 完全に乾いてから動作確認する
水没しても、すぐに正しい対応をすれば復旧できる可能性はあります。
焦らず、落ち着いて処置することが何より大切です。
そして、日ごろから水回りでの使用を避け、防水性能を過信しないこと。
あなたの大切なAirPodsやSoundcore、Sonyのワイヤレスイヤホンを、少しでも長く快適に使うために――
今回の「ワイヤレスイヤホンを水に落とした時の対処法」が、きっと役に立つはずです。
