ワイヤレスイヤホンを使っていて、「なんか変な音がする…？」と感じたことはありませんか？
「ザーッ」「プツプツ」「ジリジリ」など、静かな時ほど気になるあの音。せっかくいい音で音楽を楽しみたいのに、突然ノイズや異音が混じるとストレスですよね。
実はその“変な音”、故障とは限りません。環境や設定、イヤホンの機能が原因になっているケースも多いんです。
今回は、そんなワイヤレスイヤホンの「変な音」について、原因とすぐ試せる対処法をわかりやすくまとめました。
ワイヤレスイヤホンで「変な音」が起きる主な症状
人によって感じ方は違いますが、よくある症状は次のようなものです。
- 「ザーッ」「シーッ」といったホワイトノイズのような音
- 再生中に「プツプツ」「ガリガリ」と途切れる
- 動いた瞬間に「ポコッ」と空気が抜けるような音
- 無音時に小さなジーという電子的なノイズ
これらはすべて「異常音」ではありますが、必ずしも壊れているとは限りません。
次の章で、なぜこうした音が発生するのかを詳しく見ていきましょう。
原因① 電波干渉や通信環境の乱れ
ワイヤレスイヤホンはBluetoothで音を送受信しているため、通信が不安定になるとノイズや途切れが発生します。
たとえばこんな状況、思い当たりませんか？
- 駅や電車内など、人が多い場所で使っている
- スマホとイヤホンの距離が2メートル以上ある
- パソコンやWi-Fiルーター、電子レンジが近くにある
Bluetoothは2.4GHzという周波数帯を使っており、Wi-Fiや家電なども同じ帯域を利用しています。そのため、周囲の電波とぶつかると音が飛んだり、ノイズが発生するんです。
対処法：
・スマホをポケットやバッグの外側に出して距離を縮める
・できればWi-Fiを5GHz帯に切り替える
・人が密集している場所では一度イヤホンを外して様子を見る
意外と「環境を変えるだけ」でスッと直ることもあります。
原因② ノイズキャンセリングや外音取り込みの影響
最近のイヤホンには「ノイズキャンセリング（ANC）」や「外音取り込み（アンビエント）」といった機能が付いています。
これが“静かな環境での変な音”を生むことも少なくありません。
たとえばノイズキャンセリングは、周囲の音と逆位相の音を出して打ち消す仕組み。
しかし微弱な「ホワイトノイズ」が常に流れているため、耳が敏感な人には「シーッ」という音が聞こえることがあります。
また、イヤーチップの密閉度が高すぎたり、逆に緩かったりすると、耳の中の空気圧が変化して「ポコッ」と音がすることも。
対処法：
・ANCを一度オフにして変化を確認する
・イヤーチップのサイズを変えてフィット感を見直す
・外音取り込みモードの感度を下げてみる
「機能のせい」と分かれば安心ですし、設定を調整するだけで快適になることも多いです。
原因③ ソフトウェアやBluetooth設定の不具合
通信や音質を支えるのはソフトウェア。ここが古かったり、設定が合っていないと異音の原因になります。
たとえばスマホやPC側のBluetoothドライバが古い場合、音の圧縮方式（コーデック）がずれてしまい、ノイズや音ズレが起きやすくなります。
また、アプリの音量補正・イコライザー設定が強すぎると、イヤホンのドライバが歪んで「ビリビリ」音が出ることもあります。
対処法：
・イヤホンと端末、両方のソフトウェアを最新に更新
・Bluetooth接続を一度削除して再ペアリング
・イコライザー設定をリセットして標準状態に戻す
一見地味ですが、再ペアリングとアップデートはとても効果的です。
特にAndroidやWindowsでは、ドライバ更新で劇的に改善する例もあります。
原因④ ハードウェアやバッテリーの問題
長く使っているイヤホンの場合、物理的な劣化も視野に入れましょう。
- ドライバユニット（音を出す部分）の破損
- 振動板のゆがみや内部のホコリ混入
- 充電端子の酸化や接触不良
- バッテリー劣化による電圧低下
これらは修理・交換が必要なケースもあります。
ただし、多くは“メンテナンス不足”でも起こるので、まずは清掃を試してみてください。
対処法：
・イヤホンとケースの端子を乾いた布で優しく拭く
・十分に充電してから再生テスト
・別の端末に接続してもノイズが出るか確認
どの端末でも同じ症状なら、イヤホン本体の不具合の可能性が高いです。
保証期間内であれば、購入元やメーカーに相談しましょう。
原因⑤ 音源やアプリ側の問題
意外と見落としがちなのが、音源やアプリの不具合です。
低ビットレートの音楽や、通信が不安定なストリーミングだと「音が歪む」「プチッと鳴る」といったノイズが発生します。
また、YouTubeや配信アプリなどでは、再生中に一瞬データが途切れるだけでも“変な音”として耳に残ることがあります。
対処法：
・オフライン再生（ダウンロード済みの曲）で試す
・別のアプリや音源を再生して症状を比較
・スマホの音量を一度下げて再生し直す
もし音源を変えるとノイズが消える場合は、イヤホンではなく再生アプリ側に原因があると考えられます。
今すぐ試せる簡単チェックリスト
- スマホとの距離を1〜2m以内にする
- ANCをオフにしてみる
- イヤーチップを交換・装着し直す
- ペアリングを削除して再接続
- イヤホン・端末のソフトを最新に更新
- 充電・端子の清掃を行う
- 別の音源・アプリで確認
- それでも改善しなければメーカーに相談
この順番で試していけば、多くの「変な音」は解消できます。
とくに環境や接続の問題が大半を占めるので、焦らず一つずつ確認してみてください。
故障を疑うべきサインとは？
以下のような場合は、単なる設定や環境の問題ではなく、機器の不具合が疑われます。
- 片耳だけ常にノイズが出る
- 同じ場所・同じ設定でも毎回同じ異音がする
- イヤホンを軽く振ると音が変わる
- 充電しても電源が入らない
こうした場合は自己修理を避け、メーカーサポートに問い合わせましょう。
正規品であれば保証対応してもらえることがほとんどです。
ワイヤレスイヤホンから変な音がする原因と今すぐできる対処法を解説
「ワイヤレスイヤホンから変な音がする」ときは、
焦らず原因を切り分けることがいちばん大切です。
多くは、
- 電波干渉（Bluetooth環境）
- 機能の影響（ANC・外音取り込み）
- 設定やソフトウェアの不具合
といったちょっとした要因で起きており、簡単な対処で直るケースがほとんど。
それでも改善しない場合は、清掃・リセット・メーカー相談を忘れずに。
イヤホンは精密機器です。無理に分解せず、正しい方法でケアしてあげましょう。
お気に入りの音楽を、また快適に楽しむために。
今日から少しずつ、あなたのイヤホン環境を見直してみてください。
