みなさん、こんにちは。ビジネスに使えるノートPCを探しているけど、予算が厳しい…そんなジレンマに陥ったことはありませんか? 「信頼性は欲しい、でも最新モデルは高すぎる」。実はその悩み、一世代前の名機を選ぶことで見事に解決できるかもしれません。
今回スポットを当てるのは、LenovoのThinkPad E595。すでに公式販売は終了しているモデルですが、中古市場では今でも根強い人気を誇る“コスパの王者”です。最大の特徴は、その価格帯では考えられなかったAMD Ryzenプロセッサを搭載している点。ThinkPadの堅牢さと、AMDがもたらしたコストパフォーマンスが見事に融合した一台なのです。
「販売終了品を今さら?」と思う方もいるでしょう。しかし、ビジネスの道具として「本当に必要な機能」が過不足なく詰まっているこのモデルは、今こそが購入のチャンスと言えるかもしれません。最新モデルを追いかけるよりも、実は賢い選択になり得るその理由を、徹底的に解説していきます。
革命的なコストパフォーマンス:AMD Ryzenがゲームチェンジャーだった
ThinkPad E595がそれまでのEシリーズと決定的に違った点、それはCPUにAMD Ryzen Mobileプロセッサを採用したことです。当時、ビジネスノートといえばIntel一強の時代。そこにAMDが割って入ったことで、市場に大きな衝撃が走りました。
Ryzen搭載の何がすごいのか? それはズバリ、「同等の性能を、より安く提供できる」 という一点に尽きます。
具体的に説明しましょう。E595の主力CPUだったRyzen 5 3500Uと、同時期のIntelモデルであるThinkPad E590に搭載されていたCore i5-8265Uを比較すると、日常的なオフィス作業やブラウジング、動画視聴における体感速度はほとんど差がありません。ところが、Ryzen搭載のE595の方が、同じ構成で約1万5千円も安く購入できたのです。これは、予算重視のユーザーや企業の大量調達にとっては見逃せないメリットでした。
さらに、見逃せないのが内蔵グラフィックスの性能差です。Ryzenに内蔵されるRadeon Vegaグラフィックスは、Intelの内蔵GPU(UHD Graphics)と比べて3D性能で2倍以上優れているとの評価も。つまり、ExcelやWordを使うだけではなく、ちょっとした写真の軽い編集や、フルHD動画をスムーズに再生したり、負荷の高くないゲームで息抜きをしたい時にも、はるかに快適な体験ができたのです。
「ビジネスPCにグラフィック性能?」と思うかもしれません。しかし、プレゼン資料に高解像度の画像を多用したり、営業資料として短い動画を確認する機会が増えている現代のビジネスシーンでは、この差は意外と大きいのです。
「ThinkPad」の本質は守られているか? キーボードと耐久性を検証
コストパフォーマンスが高いと聞くと、「あちこちでコストを削っているのでは?」と不安になる方もいるでしょう。確かにE595は、上位モデルであるTシリーズやXシリーズと比べると、外装の質感や一部の素材に違いはあります。例えば、天板の表面処理は指紋が付きやすい仕上げになっており、画面周りのベゼルも当時から流行り始めていた「狭額縁(ナローベゼル)」ではありません。
しかし、ThinkPadとして最も重要な核となる部分は、しっかりと受け継がれています。
変わらぬ「打ちやすさ」:伝統のキーボード
ThinkPadのファンをこれまで最も多く生み出してきた要素、それがキーボードの打鍵感です。E595はその伝統をしっかり継承しています。キーのストローク(押し込む深さ)は約1.9mmと、多くの薄型ノートPC(1.0〜1.5mm程度)よりも深く、指へのフィードバックが明確。カタカタという快適な打鍵音と相まって、長時間の文章入力でも疲れにくい設計です。
そして、15.6インチの広いボディを活かしたフルサイズのテンキーが標準搭載されている点も大きな強み。経理やデータ入力など、数字を打つ機会の多い仕事をされている方には、これほど心強い味方はありません。この一点のために、あえて15.6インチモデルを選ぶ価値は大いにあります。
ビジネスに必要な実用性:画面と拡張性
画面はフルHD(1920×1080)解像度のノングレア(非光沢)IPS液晶を選択できるモデルが主流でした。ノングレアはオフィスの蛍光灯や窓からの光が反射しにくく、目の疲れを軽減します。IPSパネルは視野角が広く、同僚と隣り合って資料を確認する時にも色味が崩れにくいのが特徴です。
また、ヒンジ部分は頑丈で、画面を約180度まで開くことができます。これにより、会議室で机を挟んで相手に画面を見せながらプレゼンする「テーブルビュー」も可能。ビジネスシーンで重宝する機能です。
将来を見据えた拡張性の高さ
内部の拡張性も見逃せません。E595はM.2 SSDと2.5インチベイのデュアルストレージ構成が可能でした。つまり、OSとアプリケーションを高速なSSDにインストールし、大容量のデータは2.5インチのHDDやSSDに保存する、という理想的な使い方ができたのです。メモリも、購入時は8GBでも、後から自分で増設(アップグレード)しやすい設計だった点も評価が高いポイントです。
外部接続も充実。USB 3.1ポート、USB Type-C(充電も可能)、HDMI、有線LANポート(RJ45)を備え、プロジェクターや有線ネットワーク、さまざまな周辺機器への接続に困ることはほぼありません。最新の超薄型ノートPCでは切り捨てられがちな有線LANポートが標準装備されているのは、ネットワーク環境が安定しているオフィスでは非常にありがたい点です。
実際に使ってみたらどう? 性能とバッテリーの実力
気になる実際のパフォーマンスはどうでしょうか。主力だったRyzen 5 3500Uに8GBのメモリ、SSDを搭載したモデルを想定してお話しします。
日常業務・軽い作業には十二分
Webブラウザで10タブ以上開きながら、Wordで文書を作成し、Excelで計算をし、SlackやTeamsでコミュニケーションを取る――といった一般的なオフィスワークは、全く問題なく快適にこなせます。体感的には、同じ構成のIntelモデルと比較しても遜色ない滑らかさです。軽い写真編集(明るさ補正やサイズ変更程度)や、1080p動画の編集も、短いクリップであれば十分対応可能な性能を備えていました。
バッテリー駆動時間は「使い方次第」
公称値では最大約10時間前後とされていましたが、実際の使用時間は作業内容に大きく左右されます。文書作成とWeb閲覧が中心であれば、6〜8時間は十分に期待できたでしょう。しかし、画面の輝度を最大にし、常に高負荷なアプリを動かし続けるような使い方では、3〜4時間で充電が必要になることも。付属のACアダプターは小型で持ち運びやすかったため、出先で長時間使う予定がある場合は、充電器を持ち歩く前提で考えるのが現実的でした。
冷却と重量について
高負荷がかかってもシステムが安定して動作するよう、冷却設計はしっかりされていました。ファン音は負荷が高まると聞こえてきますが、キーボード上面がやけに熱くなるようなことはなく、熱暴走による急激な性能低下(スロットリング)もほとんど報告されていません。重量は約2.1kg。15.6インチノートとしては標準的な重さですが、モバイルノート(1.2kg前後)と比べるとかなりの重量感があります。「会社と自宅を毎日持ち運ぶ」というよりは、「オフィス内での席移動」や「週に数回の出張先への持ち運び」を想定した重量と言えるでしょう。
こんな人にこそおすすめ! ThinkPad E595の真価が発揮される場面
では、ThinkPad E595は具体的にどのような方に最もおすすめできるのでしょうか?
1. 初めてのビジネスPCとして、予算を抑えつつ品質を求める新社会人・フリーランス
「社会人としてそろそろちゃんとしたPCが欲しい」「フリーランスで仕事を始めるので、信頼性のある相棒が欲しい」。そんな方に最適です。E595は、ThinkPadの基本性能である打ちやすいキーボードと堅牢性を保ちつつ、必要十分な性能をリーズナブルに提供してくれます。最初の一台として、長く付き合える頼もしいパートナーとなるでしょう。
2. 企業の業務用PCとして、コストと実用性のバランスを重視するIT管理者
数十台、数百台と導入する企業ユースでは、1台あたりのコストは非常に重要です。E595は、従業員に快適な作業環境(特にキーボード)を提供し、業務に必要な性能と耐久性を担保しつつ、予算を大幅に圧縮することができました。メモリやストレージの増設が比較的容易だった点も、企業の標準仕様に合わせるのに好都合でした。
3. メインのデスクトップPCの“サブ機”として、場所を選ばず作業したい方
自宅に高性能なデスクトップPCがあるものの、リビングやベランダでちょっとした作業をしたい、出先で簡単な修正をしたい、というニーズにも応えてくれます。デスクトップとファイルを同期させておけば、E595で下書きをし、デスクトップで仕上げる、といった柔軟なワークスタイルが可能です。
逆に、以下のような方にはあまり向いていないかもしれません。
- とにかく軽く薄いPCを毎日持ち歩きたい方:2.1kgはモバイル使用ではやや重いと感じるでしょう。
- 最新のゲームや本格的な4K動画編集をメインで行うクリエイター:性能的にもグラフィックス的にも限界があります。
- バッテリーだけで丸1日、野外で作業したい方:バッテリー持続時間は最新の省電力モデルには敵いません。
Lenovo ThinkPad E595レビュー:終わりに
いかがでしたか? Lenovo ThinkPad E595は、スペック表の数字だけでは計りきれない価値を持った一台でした。それは、「ビジネスに本当に必要なものは何か」 を突き詰めた結果、生まれたバランスの良さです。
最新のモデルは常に魅力的ですが、その分、最先端技術のコストが価格に上乗せされます。一方で、E595のような「一世代前の完成形」は、技術的な成熟とコストダウンが進み、必要十分な性能を最も効率的な形で提供してくれることがあります。公式販売は終了しましたが、信頼できる中古販売店やレノボ公式リファービッシュ(再生品)品として、まだまだ良質な機体を手に入れるチャンスはあります。
「高いお金を出して最新機種を買うべきか、それとも…」と迷っているあなた。ビジネスツール選びの選択肢に、この「コスパ王者」ThinkPad E595の名を、ぜひ加えてみてはいかがでしょうか。きっと、予算と性能の狭間で悩む多くの方の、理想の答えになるはずです。
