「デスクの上をスッキリさせたいけど、性能も妥協したくない」──そんな願いを叶えるミニPCが、MINISFORUMの「TL50」です。
手のひらサイズなのに、インテル第11世代Intel Core i5-1135G7を搭載。今回はこのTL50を実機レビューしながら、性能や使い勝手、注意点まで率直に紹介していきます。
TL50ミニPCとは? ― 高性能と省スペースを両立した小型デスクトップ
TL50は、中国のPCメーカー「MINISFORUM(ミニスフォーラム)」が手掛ける超小型デスクトップPC。
最大の特徴は、わずか15cm四方のボディに**Intel Core i5-1135G7(4コア8スレッド)**を詰め込んでいることです。
一般的なノートPCにも採用されているこのCPUは、軽快な処理性能と低消費電力を両立。
「小さくてもパワフル」というコンセプトを体現しています。
スペックをざっくり整理
実際の仕様を簡単にまとめると次の通りです。
- CPU:Intel Core i5-1135G7(最大4.2GHz)
- GPU:Intel Iris Xe Graphics
- メモリ:12GBまたは16GB(オンボード固定)
- ストレージ:512GB NVMe SSD(2.5インチベイ×2で拡張可)
- 無線通信:Wi-Fi 6/Bluetooth 5.x
- 有線LAN:2.5GbEポート×2
- 出力端子:HDMI 2.0、DisplayPort、Thunderbolt 4
- サイズ:149.6 × 149.6 × 55.5 mm
- 重量:約600g
小型PCにしては驚くほどの装備。とくに「2.5GbE×2」「Thunderbolt 4」など、ハイエンドクラスにしかない要素を持っています。
開封・デザイン ― ミニマルで上質、机上に置きたくなる見た目
本体を取り出すと、その小ささにまず驚きます。
片手で軽々持てるサイズなのに、アルミ調のシルバーグレーが上質で安っぽさは感じません。
側面の放熱スリットや上面のロゴも控えめ。
背面に電源や映像出力、LANなどを集約し、前面にはUSBポートや電源ボタンが配置されています。
見た目も操作性もよく、VESAマウント対応でモニター裏に隠すことも可能です。
性能レビュー ― コンパクトでも処理は速い!
ベンチマークと体感スピード
実測では「PassMark」でマルチ約10,000点前後、シングル約2,700点ほど。
これは一世代前のデスクトップCore i5に匹敵するスコアです。
実際に使ってみても、Windowsの起動は10秒台。
ブラウザでタブを10個開いてももたつかず、動画編集ソフト「DaVinci Resolve」も軽いプロジェクトなら問題なし。
ビジネス用途や在宅ワーク、趣味の映像制作にも十分対応できる性能です。
内蔵GPU「Intel Iris Xe Graphics」の実力
軽めのゲームならフルHD中設定で快適に遊べます。
『マインクラフト』や『原神』程度なら問題なく、『Apex』など重いタイトルは解像度を落とせば動作。
GPU性能もミニPCとしてはかなり優秀です。
静音性と熱対策 ― 小さいけれど、しっかり冷える
コンパクト筐体で心配になるのが熱ですが、TL50はファン付きでしっかり冷却。
ベンチマークを10分ほど回してもCPU温度は70〜80℃台で安定し、ファン音も控えめ。
高負荷時はやや風切り音が聞こえるものの、常用で気になるレベルではありません。
ストレージと拡張性 ― 小型でも余裕あり
底面のネジを外せば内部にアクセスでき、2.5インチベイ×2が登場。
ここにSSDやHDDを増設すれば、データ保存用のドライブを確保できます。
M.2 NVMe SSDも高速で、読み込み約2,000MB/sと快適。
ただし、メモリはオンボード固定のため、増設は不可。
仮想マシンを多用する用途では事前に容量を確認しておきましょう。
接続端子の充実ぶりに驚く
前面にはUSB 3.2ポート×2、Thunderbolt 4、イヤホンジャック。
背面にはHDMI、DisplayPort、2.5GbE×2、USB 2.0×2、USB 3.0×2と盛りだくさん。
ディスプレイを3台同時出力でき、LAN×2でルーター代わりに使うことも可能です。
特にThunderbolt 4は外部GPUボックスやドッキングステーションにも対応しており、拡張性が段違いです。
実際の使用感 ― 在宅ワークにも最適
在宅勤務や学習用PCとしても申し分なし。
TeamsやZoomの同時通話、Office作業、ブラウザ20タブでも快適に動作。
スリープ復帰も速く、電力効率が良いため常時起動サーバーとしても使えます。
リビングテレビにHDMIでつないでストリーミングPCとして使うのもおすすめ。
ファン音が静かなので動画視聴にも向いています。
注意点とデメリット
良い点ばかり挙げましたが、いくつか注意も必要です。
- メモリ増設ができない(12GB/16GB固定)
- 超高負荷な動画編集・3Dレンダリングには不向き
- Thunderbolt 4ポートは給電非対応(ACアダプタ必須)
- 生産終了のため入手難や価格変動の可能性
用途を理解して選べば、非常に満足度の高いモデルですが、万能ではありません。
他モデルとの比較 ― コスパはかなり優秀
同クラスのIntel NUC 11シリーズは10万円超えが一般的。
それに対しTL50は発売当初で5万円台前後と半額近い価格でした。
もちろんブランド保証やサポート体制ではNUCに劣りますが、
同スペックをより安価に手に入れたいならTL50は非常に魅力的です。
省電力サーバーや家庭用NAS代わりとしても人気があります。
総評 ― TL50ミニPCは「手のひらサイズの万能PC」
実際に使ってみて感じたのは、「サイズの割に、できることが多い」という一言。
Intel Core i5-1135G7の余裕ある性能、充実したポート構成、静かな動作音。
コンパクトPCにありがちな「我慢ポイント」が少なく、使うほどに快適さを実感します。
ミニマルな作業環境を求める人や、リビングに設置するサブPCが欲しい人にはまさに理想的。
同時に、軽いクリエイティブ用途やホームサーバー運用にも十分対応できるポテンシャルがあります。
TL50ミニPCを実機レビューして感じた魅力のまとめ
最後に、本記事の要点を簡潔にまとめます。
- 小型ボディにIntel Core i5-1135G7を搭載し、パワフルかつ静音
- Thunderbolt 4や2.5GbE×2など拡張性が高い
- 在宅ワーク・動画視聴・軽作業に最適
- メモリ固定など制約はあるが、価格性能比は抜群
「TL50 ミニPC」は、限られたスペースでも性能を諦めたくない人にぴったりの一台です。
デスクをすっきりさせたいあなたの強い味方になるはずです。
