外出先でノートパソコンのバッテリー残量がピンチになった経験、誰にでもありますよね。カフェのコンセント席は埋まってるし、新幹線の座席に電源はないし…そんなとき「手持ちのモバイルバッテリーで充電できたらなあ」と思ったことはありませんか。
実は今、モバイルバッテリーでノートPCを充電するのは全然夢じゃないんです。ただし、いくつか押さえておくべき条件があります。スマホ用のバッテリーをそのまま繋いでも、残念ながら充電は始まりません。
この記事では、ノートPCを外で充電したいあなたに向けて、必要なスペックの見極め方から、実際におすすめできる製品まで、わかりやすく解説していきます。
なぜスマホ用モバイルバッテリーではノートPCを充電できないのか
「スマホは充電できるのに、なんでパソコンはダメなの?」という疑問、もっともです。
答えはシンプル。必要な電力がまったく違うからです。
スマートフォンの充電に必要な電力はせいぜい18Wから20W程度。一方、ノートPCを動かすには最低でも45W、できれば65W以上の電力供給が必要になります。スマホ用のモバイルバッテリーでは、そもそもパソコンが求める電力を出力できないんですね。
さらに、もうひとつ大きな壁があります。それが充電規格の問題です。
ノートPCをモバイルバッテリーで充電するには、USB Type-C端子を使った「USB Power Delivery」、通称USB PDという規格に対応している必要があります。この規格がないと、たとえ端子の形が合っていても充電は始まりません。
ノートPCを充電できるモバイルバッテリーの選び方
ここからは具体的な選び方のポイントを、順を追って説明していきます。数字がいくつか出てきますが、ひとつずつ確認していけば大丈夫です。
絶対条件は「USB PD対応」かつ「出力45W以上」
まず最初にチェックすべきは、製品がUSB PD対応であること。そして出力が最低45W以上あることです。
最近の薄型ノートPCの多くは45Wから65Wの電力を要求します。たとえばMacBook Airは45W、MacBook Proの13インチモデルは61W、15インチ以上のモデルになると87Wや96Wが必要になるケースもあります。
自分のパソコンが何W必要なのかは、純正のACアダプターを見れば一目瞭然です。アダプターに「45W」「65W」などと書かれているので、その数字を目安にしてください。
モバイルバッテリー側の出力がパソコンの要求値を下回っていると、「充電できません」という状態になるか、最悪の場合、使っているのにバッテリー残量が減っていくという悲しい事態になります。
容量は「20,000mAh」がひとつの基準
スマホ用だと10,000mAhあれば十分かもしれませんが、ノートPCを充電するなら20,000mAh以上を目安に考えましょう。
なぜかというと、ノートPCのバッテリー容量はスマホの比ではないからです。たとえばMacBook Airのバッテリー容量は約50Wh。これをmAhにざっくり換算すると13,000mAh前後になります。
ここで注意してほしいのが「実効容量」という考え方です。モバイルバッテリーに書かれている容量のうち、実際に使えるのはだいたい60%から80%程度。電圧変換の際にロスが発生するためです。
つまり20,000mAhの製品でも、実際にパソコンに送り込めるのは12,000mAhから16,000mAhくらい。MacBook Airならギリギリ1回フル充電できるかどうか、というラインなんです。
「もっと容量があれば安心」という方には、26,800mAhや30,000mAhクラスの選択肢もあります。ただし容量が増えるほど重く大きくなるので、持ち運びとのバランスは要検討です。
見落としがちな「本体への入力速度」の重要性
これは多くの人が見落とすポイントなのですが、モバイルバッテリー本体を充電するのにかかる時間もチェックしておきましょう。
せっかく大容量バッテリーを買っても、本体を満充電するのに8時間も10時間もかかっていたら、出先で「あ、バッテリー本体が空だ…」となったときに詰みます。
おすすめは入力65W対応のモデル。これなら約2時間でフル充電できるので、朝気づいても出発までの間にしっかり充電できます。製品スペック表の「入力」の項目を必ず確認してください。
ノートPC充電におすすめのモバイルバッテリー
ここからは、実際におすすめできる具体的な製品をご紹介します。いずれもUSB PD対応で、ノートPC充電に必要な出力を備えたモデルです。
CIO SMARTCOBY TRIO 67W 20,000mAh
コンパクトさと高出力を両立した、今とても注目されているモデルです。
最大出力は67Wで、実測では71W近く出るという検証結果もあります。MacBook Airはもちろん、13インチMacBook Proにもしっかり対応できる出力です。
特筆すべきは変換効率の高さ。実容量の割合が約75%と、同クラスの中でも優秀な数値を記録しています。つまり「書いてある容量の割に実際たくさん充電できる」バッテリーなんです。
サイズ感はカードより少し大きいくらいで、20,000mAhクラスとしてはかなりコンパクト。ポートもUSB-Cが2つ、USB-Aが1つと充実していて、ノートPCとスマホを同時に充電する使い方もできます。
価格は8,980円前後。決して安くはありませんが、性能と携帯性のバランスを考えると納得のいく投資だと思います。
CIO SMARTCOBY TRIOエレコム モバイルバッテリー EC-C44LBK 67W 20,400mAh
信頼性を重視したい方におすすめしたいのが、エレコムのこのモデルです。
最大出力は同じく67Wで、変換効率はなんと78%超。CIOよりもさらに高い実容量の割合を叩き出しています。同じ容量表記でも、実際に使える電気量が多いのは大きなメリットです。
もうひとつの特徴は、本体にデジタル残量表示がついていること。LEDランプ4つで「たぶんこれくらい」と推測するストレスから解放されます。「あと何%」と数字で見える安心感は、実際に使ってみると想像以上に便利です。
価格は7,490円から8,280円程度。エレコムは国内メーカーでPSEマークも取得済みなので、安全性を重視する方にぴったりです。
エレコム モバイルバッテリー EC-C44LBKAnker Power Bank 87W 20,000mAh
「ケーブルを持ち歩くのすら面倒」という方には、Ankerのケーブル内蔵モデルがおすすめです。
最大87W出力とパワフルで、15インチ以上の大型ノートPCにも余裕で対応できます。内蔵ケーブルはUSB-Cで、本体に巻き付けて収納できるので絡まる心配もなし。
Ankerはモバイルバッテリー業界のトップブランドだけあって、安全性と信頼性は折り紙付きです。少し重量はありますが、その分だけ安心感があります。
Anker Power Bank 87W飛行機に持ち込むときの注意点
出張が多い方にとって、これはとても重要なポイントです。
モバイルバッテリーは預け入れ荷物に入れることができません。必ず機内持ち込み手荷物として持ち込む必要があります。
また容量にも制限があって、100Wh(約27,000mAh)以下であれば特に申請なしで持ち込めます。100Whを超えて160Wh以下の場合は航空会社への事前申請が必要です。
20,000mAhの製品なら72Wh前後なので、特に心配する必要はありません。ちなみに先ほど紹介した3製品はいずれも100Wh未満なので、国内線・国際線ともに問題なく機内持ち込みできます。
実際に使うときのちょっとしたコツ
せっかく良いモバイルバッテリーを買っても、使い方を間違えると本来の性能を発揮できません。最後に実用的なアドバイスをいくつか。
パソコンの電源を切った状態で充電するのが最も効率的です。スリープ状態でも充電はできますが、どうしても遅くなります。時間がないときは思い切ってシャットダウンしてしまいましょう。
発熱に注意するのも大事です。高出力での充電中はバッテリーもパソコンもそれなりに熱を持ちます。カバンの中に入れたまま充電するのは避けて、風通しの良い場所で使いましょう。
定期的に本体を充電しておく習慣も忘れずに。リチウムイオンバッテリーは使い切ってから充電するより、こまめに継ぎ足し充電する方が長持ちします。
まとめ:モバイルバッテリーでノートPCを充電する快適さを知ろう
モバイルバッテリーでノートPCを充電するためには、「USB PD対応」「出力45W以上」「容量20,000mAh以上」という3つの条件を満たす製品を選ぶ必要があります。
さらに、本体の入力速度や変換効率にも目を向けることで、「思ったより使えない」という失敗を防げます。
一度この快適さを知ってしまうと、もうコンセントを探して右往左往する生活には戻れません。ぜひ自分に合った一台を見つけて、場所を選ばない働き方を手に入れてください。
